本に触発された16人の物語
人の数だけ人生があるし、人の数だけ見方がある。
事実は1つでも、真実は無数にある。
だからこそ、人も人生も面白い。
そんなことを思い起こさせてくれる素敵なエッセイ集を手にしました。
私の友人であるkokkoさんが編集委員の長を務められた一冊。
『本から生まれたエッセイの本』
(ふみサロエッセイ集製作委員会 編・みらいパブリッシング 発行)
表紙のデザインも、手触りも好きです。
好きなように読んでいい、好きなように書いていい。
ふみサロという文章サロンから生まれたこの本。
毎月、テーマとして与えられた本をもとにエッセイを書くらしいのですが、面白いのは「その本を読んでもいいし、読まなくてもいい」という点。
本文本文
実際、その本を読まずに書かれた? と思われるものも含まれていて、クスっとします。
16人の著者が見開き2ページで完結させたエッセイを次々と読みながら「あれ?もしかして、この人とあの人の読んだ本は同じかな?」と思う時があります。
でも、読み方はみんな違うし、感じ方もみんな違う。
背景も経験もそれぞれに違うから、視点も違うわけですよね。そこが面白い。
(読んでいるうちに課題本を知りたくなってきましたが、ちゃんと巻末にまとめられていました)
本は好きなように読みたいように読めばいいし、感想も好きなように書きたいように書けばいいんですよね。
読者はきっと、書くこと、発信することの意味を再認識させられるでしょう。
本はいつも人生に寄り添ってくれる
本の最後にこんなくだりがあります↓
本文本文
本当にそう思います。人は、上手な文章より、その人らしさがにじみでた味のある文章にひかれます。
でも、いきなり「あなたらしい文章を書いてみて」「人生と向き合ってみて」なんて言われても、むずかしいですよね。
その点、『本から生まれたエッセイの本』では、16人の著者が自分の人生と向き合うために「本」を手がかりとしているそう。
この手法がきっといい、と思うんです。
というのも、私が「好きだなあ」と感じる本は、小説でもビジネス書でも、「私の場合は……」と自然に我が身に引き寄せて読める本。
他人事ですませるのでなく、自分事として読める本。
それは書く側としても心がけたいことで、「まあ、そんなこともあるよね」「著者だからできたんだろうね」と思われたら
本の著者も書いた意味がないと思うわけです。
本当は一人一人にあって、伝えたい。でも、それができないから本に託して書くわけですもんね。
読みながら、私も小学校の頃、友達と帰りによく寄っていた図書館の匂いを思い出しました。
「ねえ、あの本読んだ?」「あそこんとこが良かったよね」「私は後半が良かったかな」
仲のいい友達と「ねえねえ、聞いて聞いて」が止まらなくなってしまう時間。
そう、本はいつも人生に寄り添ってくれています。
きっとこの本も、誰かの人生にそっと寄り添ってくれるのではないでしょうか。
ほのぼのと暖かさを感じたり、重い扉が開かれたような気がしたり……
自分の時間軸と交わるような気持ちになる瞬間がどこかしらにあったなら、
きっと16人が創り出した魔法にかかっていますよね。
次は誰が魔法にかかるかな? あなたかもしれません。
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