始めましての方もそうでない方も
まみりん
のブログにお立ち寄りくださり
ありがとうございます。
私は難病で膠原病の一種である
全身性エリテマトーデス(SLE)とか
強皮症とか
シェーグレン症候群とか
間質性肺炎とか
・・・
その他自分でも忘れてしまうくらい
たくさんの病気(15種類以上)を経験し
それらをすべて克服してきました。
現在は同じように難病を克服した仲間と共に
難病克服ガールズNKGを結成して
難病克服の経験を講演会などでお話しさせてもらったり
難病克服中の方を集めておはなし会を開いたりしています。
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はい、そんなわけで、文字数制限という壁に阻まれ物語を前編、中編、後編に分けて公開中です![]()
文、絵共に無断転載禁止です。
「キミの気持ちとボクの気持ちとありがとうの呪文」〈後編〉
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「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・・・・ここまでくればもう大丈夫だろう。」
肩で大きく息をつきながらやっとこさ逃げてきたサータンでしたが、本津久小学校の5年3組の生徒たちを男女逆さまにしたままきてしまいました。
さて、困ったことになりました。
「うーん、仕方がない、最初の公園に戻ってぼうずと犬の魔法からといてやるか。」
さっきの公園に戻るとまだ少年は犬のように四つん這いになって駆け回っていました。
サータンは今度は間違えないように気をつけながら少年と犬の魔法をときました。
魔法がとけると少年は立ち上がって手に着いた土をパンパンパンっと払いながら
「わぁ、びっくりした!もしかして今のは君の仕業かい?」
と目の前に現れたサータンに聞きました。
犬もちゃんと犬に戻ってます。
「そうさ、このサータン様が得意の逆さま魔法をかけてやったのさ!驚いただろう?わっはっは!」
サータンは胸を反り返らせて威張って言いました。
すると少年は思いがけない言葉を言いました。
「お兄さんサータンさんって言うの?サータンさん、ありがとう!」
「そうだろ、そうだろ、憎いだ・・・ろ?え?今なんつった?」
「僕、健太って言うんだ。」
少年は名前を名乗ると、犬のルーキーと逆さまにされたおかげで散歩がとても楽しことだってことがわかったこと、他の犬の匂いがしたり、草や花の匂いがしたり、小鳥が話しかけてくることなどをキラキラした瞳で話しました。
「今まで僕は友達と遊びに行っちゃってルーキーの散歩をサボることもあったけどこれからは毎日必ず散歩に行くんだ!」
それまでおとなしく健太君の足元で座って話を聞いていたルーキーがちぎれんばかりに尻尾を振ってワンッと一声鳴きました。
「サータンさん、ありがとう。ぼくんちはこの公園を出てすぐのところだから、ほら、あそこに洗濯物を干してる家が見えるでしょ?あの家だよ。ぼくの母さんはケーキを焼くのがとっても上手だから今度食べにきてよね!」
そう言うと健太君とルーキーは楽しそうに走って行きました。
「どうも調子が狂うなぁ~」
サータンの魔法は人間の怒りや恐怖を集めると威力を増すようになっていて、感謝されてしまうと力が弱まるのです。
どうも納得がいかずブツブツ言いながらも2番目に魔法を使った道路工事の場所へ行きました。
ちょうど休憩中のおばさんがいたのでサータンは今度も間違えないように慎重に呪文をとなえて魔法をときました。
おばさんは突然目の前に現れたサータンに
「私に変な魔法をかけたのはあんたかい?」
と聞きました。
今度こそ怒り出すと期待していたサータンにおばさんはいきなり抱きついて
「ありがとう!」
と言いました。
おばさんの太い腕にぎゅうっと抱きしめられてサータンは目を白黒させて
「うっ、くく、苦しいっ!!」
とうめき声をあげました。
サータンが苦しがってるのにようやく気が付いたおばさんは、サータンから離れると、
「実はね、道路工事を、ううん、道路だけじゃなくって工事をやってる場所を通るたびにうるさいなーって思っていたの。でも自分でやってみてとっても大事な仕事だってわかったの。力も強くないといけないし、もしかするとケガをするかもしれないのよ。私たちが安全に暮らせるのはあの人たちがいるおかげなのよね。大切なことに気付かせてくれてどうもありがとう!」
そしておばさんは
「あなた、よく見るとハンサムね!」
と言いながらパチッとウインクをすると泥だらけになった服のまま帰って行きました。
「また礼を言われてしまったぞ、俺様の魔法がどんどん弱くなってしまう!」
なんだかスッキリしないサータンでした。
工事現場でドリルをほっぽり出して家に帰ってしまったおじさんの方は、逆さになった相手のおばさんの魔法がとけたのでおじさんの方もとけてるはずです。
だからわざわざ行かなくてもいいんだけど、サータンはなんとなく胸のあたりにもやもやするような落ち着かない気分がするのでした。
「この胸にあるもやもやするものはなんなんだろう?」
自分の気持ちがよく分からずに肩を落としてトボトボと歩いていると、突然後ろからトントンと肩を叩かれました。
振り返るとそこにはマーリンがいました。
「あっ!マーリン様!」
実はマーリンは神の国にいる間も地球でのサータンの様子を見ていたのです。
「サータン、また魔法を使ってイタズラしてたでしょう?」
「そうか、知っていたのか。」
バツが悪そうなサータンにマーリンは
「女神はなんでもお見通しなのよ♪」
と言って、
「あの道路工事をしていたおじさんに謝りたいんでしょ?」
とサータンに聞きました。
サータンは悪魔らしくなくもじもじしながらうなずきました。
マーリンはなんでもお見通しなのでおじさんの家も知っていました。
マーリンがおじさんに今日の出来事がサータンのイタズラだったことを話すと、おじさんは
「そうか、そうだったのか。体が勝手に動き出して、家に帰って家事をしねーといけねえって思ったんだ。実は前の晩うちのやつと喧嘩しちまって俺が帰った時にはどこかへ気晴らしにでも出かけたみたいで家には誰もいなかったんだ。」
黙って隣で話を聞いていた奥さんの方をチラっと見てからおじさんは話を続けました。
「でもよ、主婦ってのは忙しいもんだよな。ネコのミーコはミャアミャア飯くれって鳴くし、掃除はしねえといけねえし、子供の塾の送り迎えもある。それでいざ飯のしたくをしようと思ったら作り方がさっぱりわからねえんだ。俺ぁかみさんが普段どれだけ俺たち家族のために一生懸命に家事をやり、うまい飯を作ってくれていたのかがやっとわかったんだ!」
おじさんは今度はキチンと奥さんの方に向き直ると、照れながら
「昨日は悪かったな・・・へへ、いつもありがとうな!」
と言いました。
奥さんは目をうるませて
「あなたにそんなこと言われるなんて思ってもみなかった・・・・・・。でも嬉しいわ!私の方こそごめんなさい。家族のために朝から晩まで働いてくれてありがとう!」
と言いました。
それから夫婦はサータンとマーリンに向かって
「これからは夫婦仲良く暮らします、本当にどうもありがとう!」
と言って微笑みました。
2人が家の外に出るとあたりはすっかり暗くなっていました。
「さぁ、問題はあの本津久小学校5年3組の子供たちね。あの子たちの魔法がとけなかったら私はあなたを魔牢の看守へと引き渡さなければなりません。」
「えっ~!!」
サータンは目が飛び出すんじゃないかと思うくらい目を大きくひらいて驚きました。
「えー!!じゃないでしょ!あなたもう1回魔牢へ入れられたら1000年は出てこれなくて、1000年後出てきたら悪魔の国へ送られるってそれぐらい聞いてるでしょう!」
サータンはそう言えば3000年ほど前に初めて魔牢に入れられた時に魔牢の看守からそう言われていたことを思い出しました。
「しまった~!3000年も前のことだから忘れていた!」
サータンは元々青っぽい顔をしていましたがさらに青くなりました。
「今日はもう遅くなってしまったからゆっくり休んで明日また考えましょう。あなたはよおく反省するのよ!」
次の日、サータンとマーリンはどうやって魔法をとくか話し合っていました。
実はサータン、これまでに大人数にいっぺんに魔法をかけたことがなかったので魔法のときかたも知らなかったのです。
それに昨日、あんな騒ぎを起こしてしまったので学校の警備が厳しくなっていると、学校の花壇に住んでいる妖精さんたちからマーリンに情報が入ったのです。
するとマーリンはどこかから丸い銀の縁のついた大きめの鏡を持ってきて、
「この鏡は何でも映すことが出来るのよ、授業が終わったら本津久小学校の5年3組の様子をのぞいてみましょう。」
と言いました。
授業が終わり掃除の時間になったので2人は鏡の中をのぞいてみました。
鏡には昨日にらみ合いをしていた子供たちが映っていました。
さて、どんな様子でしょう?キーンコーンカーンコーン♪昨日と同じようにまずは全員で机と椅子を教室の端に寄せました。
「さて、掃除の時間だよ!」
まーちゃんが言うと、
「おうっ、早く終わらせてサッカーやろうぜ!」
テル君がニコニコしながら言いました。
それから掃除当番の子供たちは男子も女子も協力し合って手際よく掃除を終わらせると男子たちは我先にと競うように校庭へと出ていきサッカーを始めました。
よく見たらまーちゃんと他の女子が数人まざっています。
そして校庭の隅にある花壇のそばではハルカちゃんと由美ちゃんが、キヨシ君と一緒に花を見てました。
あっちもこっちもなんだかみんなとってもいい雰囲気♪
いったいなにがあったのでしょう!?
実はサータンの魔法をとく方法が魔法以外にあったのです。
それはサータンの心が変わることだったのです。
昨日、健太君や道路工事のおじさんとその奥さん、買い物帰りのおばさんからありがとうとお礼を言われたサータンはとても驚きましたが、顔がカーッと熱くなって胸がドキドキッとなってお腹の中がポカポカ~と温かくなってこれはいったいぜんたいなんなのかな?と考えました。
「人間に魔法は使えないはずだよな・・・・・・。」
「ありがとう・・・・・・?みんな俺様にありがとうって言ったよな・・・・・・?もしかするとありがとうってアレは魔法の呪文なのかもしれない!?」
「そうだったのか!人間たちはありがとうの魔法が使えるんだ!」
と叫びました。
「人間が使うありがとうの呪文に比べたら俺の魔法はなんてダメなんだ・・・・・・。」
「そうだ!これから俺もありがとうの呪文を使おう!」
こうしてサータンがすっかり心を入れ替えたので5年3組の子供たちの魔法が自然ととけて元通りになっていたのです。
いいえ、元通りというよりも前よりも男子も女子もみんな仲良くなってます。
その理由は、まーちゃんたち女子はサッカーや男子たちのする遊びが楽しいってことに気づき、男子たちが早く校庭に出ていきたくなる気持ちがわかったこと。
そして男子たちは女子にばかり掃除を押し付けていたことを反省して、なんと女子たちに謝ったのです。
テル君が平山君と2人で首の後ろをかきながら
「なぁ、俺たちいつもさぼってばかりでごめんな。」
とまーちゃんに言うと、まーちゃんは
「ううん、私の方こそごめん!ねぇ、これからは私たち女子もサッカーの仲間に入れてよ!」
「おう、一緒にやろうぜ!ただし手加減はしねーよ!」
こうして男子も女子もサッカーをやりたい子は仲良くサッカーをやるようになりました。
校庭へと出ていく時、まーちゃんはキヨシ君の方を向くと
「キヨシ、昨日はひどいこと言ってごめん!でも、そっちだって悪いんだからね!」
と言ってパンチをするマネをしました。
でも今日はマネだけであたりはしませんでした。
「あいつ、やっぱりおとこおんなだよな。」
とキヨシ君がつぶやくと、そばで聞いていたハルカちゃんが
「キヨシ、そんなこと言っちゃだめなんだよ、いくらまーちゃんでも傷つくよ!」
とたしなめました。
キヨシ君が
「それって助けになってるの?」
と言ってハルカちゃん、由美ちゃん、言ったキヨシ君もみんなで笑いました。
そしてキヨシ君は、
「俺は運動より花の方が好きなんだよな。」
と言って、
その言葉を聞いたハルカちゃんが
「キヨシ君は理科が得意だもんね!ねぇ、私と由美ちゃんにお花の名前を教えてよ!」
と言いました。
キヨシ君は女子にさそわれて少し照れながらも
「うん、いいよ!」
と言って3人は肩を並べて校庭にある花壇へと歩いていきました。
5年3組の様子を見終わるとサータンとマーリンは鏡から顔を上げ、お互いに顔を見合わせてにっこりと笑いあいました。
おしまい。
最後までお読みくださり心から感謝申し上げます。
レオキタムラ(まみりん)


