「正しい○○」と言った瞬間に
「正しくない○○」が同時に生まれる。
「正しい○○」を支持した瞬間に
「正しくない○○」への否定と排除が同時に始まる。
だから私は
「正しさ」を主張する人が苦手だった。
「正しさ」を主張するエネルギーは
その場にいる全員に同調することを求める。
そして同調することによって結束を強めて行く。
これは、ある種の集団の原理だ。
そのエネルギーを感じると
どうにもこうにも耐えがたい居心地の悪さを感じた。
それは子供の頃から。
そして大人になっても。
でも、ある時理解した。
「正しさ」を主張するエネルギーの正体を。
それは、
「正しさ」に寄りかからなければひとりでは立っていられない弱さ。
そうか、「正しさ」は鎧なんだ。
所属する者が皆同じ鎧を身にまとうことで
その組織は固まってゆく。
更に硬く、堅く。
で、子供の時も、
大人になっても、
相変わらずそんなエネルギーに同調出来ない私はいったいどうしたらいい?
長年のテーマだった。
たどり着いた結論。
同調しなくていい。
鎧は着ない。
でもそれじゃ
自分に刃が向けられる?
そうね、
子供の時は、それが怖かった。
だから息をひそめて、気配を消して、
そこにいるとさとられないようにしていた。
でも、今は知っている。
「正しさ」を主張するエネルギーの正体を。
すると見えるんだ。
振り向けられた剣が
実は氷で出来ているということが。
温かな光のイメージでその剣を包めば、
鋭い剣先から溶けてなくなってゆく。
そしてそれはもう二度と私を傷つけることはない。
その刃で自分が傷つけられるというのは
最初から、私の幻想だったのだ。
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