1)ピーター・ティールはペイパルマフィアのドン、トランプ政権の影の大統領と言われる。ペイパルマフィアからトランプ政権にJ・D・ヴァンス、デービッド・サックス、マイケル・クラティオス、一時はイーロンマスクもDOGEの責任者として入閣していた。トランプ政権を動かしているエンジンだと言える。

ティールらペイパルマフィアはその名の通りペイパルの成功で資金を掴んだわけだが、また世間ではそれを元手に自力で成功したように喧伝されているが、じつはピーター・ティールはロスチャイルド家の投資信託RIT Capital Partnersから莫大な投資を受けている。もちろんティールはロスチャイルド家にもたっぷり儲けさせている。たとえば韓国アマゾンへの投資では、ロスチャイルド家RITはピーター・ティールのFounders Fundを通して5000万ドル(75億円)を投資し、5年未満で3.4億ドル(510億円)のリターンを得ている。もちろんピーター・ティール自身がこれをはるかに超えるメリットを享受しているのは言うまでもない。

 

 

2)ピーター・ティールをロスチャイルド家と結びつけたのはトランプである。すでに書いたことだが、トランプはこの10年間、ロスチャイルド家(=ユダヤ勢力=イスラエル)に一貫して忠誠を尽くしてきた。イスラエルがパレスチナやガザを侵略するのを支援し、ときには国際社会の批判から庇い、国連でもイスラエルのジェノサイドを断罪しようとする各国の動きを拒否権を発動して潰してしまった。さらに駐イスラエル大使館をエルサレムに移動し、イランを共通の悪者に仕立ててアラブ諸国をイスラエルと和解させ(アブラハム合意)、この6月にもイスラエルのためにイラン爆撃の大芝居を演じている。トランプはロスチャイルド家の覚えめでたき男なのである。いま現在もその路線上にいる。トランプ政権のAI革命の本命ピーター・ティールを世界最大の富を持つロスチャイルド家と繋げたのはいわば当然の流れだ。こののち両者でFacebook/Meta(ティールが初期投資家、ロスチャイルドも投資)、Palantir(ティールが共同創業者、政府契約で巨額収益を上げている)、宇宙・防衛技術企業(AI革命の本命)などに共同投資していくことになるだろう。

 

 

3)ロスチャイルドとの同盟について、トランプ大統領はまあよい。「故デービッド・ロックフェラー~オバマ」の権力と利権を横取りするために自らすり寄ったディールである。年齢も79歳、円熟して人間も練れている。大芝居も打てる。そもそもトランプがディープステートをやっつけると言っていたディープステートとは、この「故デービッド・ロックフェラー~オバマ」のグループだけを指しており、ディープステートの大親分ロスチャイルド・ユダヤ勢力はそっとしてある。それどころか前述のように忠誠を尽くしている。それをマスコミや純粋な支援者はトランプこそがディープステート全体と戦ってくれると誤解して大応援してきたわけだ。トランプ自身はみんなが勝手に思い込んでいただけでおれは知らないよと涼しい顔をしている。しかしピーター・ティールはもっと熱い。思想もある。いまは共同の利益のために膨大な資本を持つロスチャイルド・ユダヤ勢力と連携しているが、根本的にロスチャイルド=ユダヤ勢力=グローバリストとは思想が正反対だ。トランプがディール第一、利益第一と言って両者を結び付けているが、この先どうなるかはまだわからない。

 

 

4)ピーター・ティール、J・D・ヴァンスの思想について(加藤喜之・立教大学教授の論考を要約)

J・D・ヴァンスは祖父母がアルコール中毒、母親が薬物中毒という貧困家庭で育ったが、持ち前の明るさと努力でイェール大学に入学した。大学院在学中に妻となる女性ウシャと出会うが、彼女との関係が深まるにつれてこの幼少期の体験やトラウマに苦しんだ。抑えようのない怒りや逃避傾向は、彼女との関係を困難にした。どれだけの成功を積み上げても人格に問題があれば幸せな家庭は築けない。

そのころペイパルの創業者ピーター・ティールの講演がイェール大学で開かれた。ティールはヴァンスより16歳年上。ヴァンスは衝撃を受ける。ティールによると、競争はまったく意味がない。人間の欲望は他者の欲望の模倣によって生じる。誰かがいい車に乗っていれば自分もいい車が欲しくなる。誰かがいい女を連れていれば自分もいい女の彼女が欲しくなる。欲望の模倣に囚われた人間は「限られた欲望の対象」を求めて、無限の競争を生み出していく。しかし欲望の対象は限られているので、ほとんどの人は競争しても争っても欲望の対象が手に入らない。こうして努力をすればするほど人類の大多数に怒りが生じ、最後は暴力に行きつく。共同体は崩壊する。それで共同体は殺し合いと崩壊を避けるためにスケープゴート(生贄)を必要とする。暴力のはけ口、いじめの対象だ。それによって暴力と崩壊を食い止めようとするのだ。しかし怒りは一時納まってもまたすぐに溜まるので繰り返し繰り返しスケープゴートが必要になる。

キリスト教では、罪のないキリスト自身が人類の暴力のスケープゴートになる。十字架で殺される。罪のないキリストを殺してしまったことで、人間ははじめて自らの暴力性を他者に押し付けていたとことに気がつく。またキリストを模倣することで、欲望の模倣の連鎖が断ち切れる。ここにこそ、競争と争いにあけくれる現代の救いがある。

ヴァンスは気づいた。欲望を最大化させる現代社会の構造が彼の家族を蝕んだ貧困や暴力の元凶である。蔓延する悪の原因を個人と社会の両方に見出し、改革していくシステムが必要だ。万人は神の前に立ち、その裁きに向き合わねばならない。

ヴァンスが育ったアメリカの増加する自殺者の数、薬物中毒、最も富裕な国における抜け出せない貧困。これらは個人だけの問題ではない。富や快楽や消費に邁進する社会の構造的な問題であり、それに取り込まれる個人の道徳的な問題である。徳を失った帝国は滅亡寸前だった。こうして青年ヴァンスは、無神論を捨て去り、カトリック教会の門を叩く。ティールの知性は卓越したものだったが、同時に彼は知性を超えてキリスト教を信奉しているのである。

 

 

5)8月15日のアラスカ会談(ロスチャイルド=ユダヤ勢力と、プーチンロシアとの和解)で世界秩序が大幅に変わったが、長くなったので次の機会に譲りたい。