しばらくは、「不登校の子どもと自閉症」のテーマで、短めの記事を連載していく予定です。
この記事は、2回目です。
この連載記事の、最終的な結論は、未確定です。
みなさまのご意見を反映していきたいと思いますので、
お気軽にコメントをいただければ嬉しいです。
まず、不登校全般の話(自閉症に限らない)から、はじめます。
不登校には、診療ガイドラインがあります
日本小児心身医学会が発行した「小児科医のための 不登校診療ガイドライン」があります(改訂第2版、2015年)。
このガイドラインが発刊された2015(平成27)年当時と、最近とでは、不登校をめぐる状況も変わっています。まず、不登校生徒数の実数が、2倍以上に増加しています。
文部科学省の資料(*1)をお示しします ↓
(*1より、赤丸を追記)
不登校生徒数の推移、実数(左のグラフ)だけを見ても、平成27年は約12万6千人、令和5年では約34万6千人です。※ 令和2年から急増しているのは、新型コロナウイルス流行の影響もあるでしょうが、H27~R1までの期間でも、年々増加していたことがわかります。
日本小児心身医学会の「不登校診療ガイドライン」は書籍なので、ここに引用できませんが、日本小児心身医学会の、不登校関連WEBサイトをここに紹介します。 *2 *3 *4 *5
ガイドライン作成担当者のお一人、冨田和巳先生の資料を見ます (*5)① 不登校には、4つのタイプがある。② 不登校には、7つのレベルがある。
⇒ 「不登校」を一括りにしないで、個々に合わせた対応をすることが大切、と理解しました。
以下に①②について書きます。
① 不登校には、4つのタイプ (A1、 A2、 B1、 B2)がある

(タイプの詳細は、資料を参照ください。ここで説明は略します)
A2は、「強い身体症状(心身症)、不安や抑うつなどの精神症状、精神疾患、あるいは発達障害を基礎にもつもの」
つまり、小児科医は、不登校のなかでも、とくにA2に積極的に関わるべき、発達障害を基礎に持つ不登校には、積極的に関わりましょうという提唱です。
その他の不登校(A1、B1、B2)には、医療は「関わらないほうがよい」でしょうか?
みなさまのご意見を伺いたいです。
私の考えは、「不登校」といっても、最初は、その原因・タイプが分からない、また、身体・精神症状を評価できないので、すべての不登校に、まず医療が関わり、学校と連携をとる必要があると思います。そこから先は、例えば、A1(学校でのいじめや先生とのトラブルによる不登校で、強い身体・精神症状は訴えない)の不登校であれば、医療がそれ以上関わる「余裕がない」のが実情かなと思います。
② 不登校には、7つのレベル (レベル0~レベル6)がある
資料では、12ページ以降で、それぞれのレベルに応じた対応の要点が、整理されています。
小児科医は、いかに不登校児に関わるべきか
私は、資料(*2 *3)から、
不登校への小児科医の関わり方には、3つのタイミングがありうると思いました:
① 不登校の予防
② 不登校の早期対応
③ 不登校の治療
資料(*2)「不登校」 4.治療・対策 のところを参照ください
・誰も不登校を「治す」ことはできません。
・不登校状態から抜け出し、再スタートを切るのは子ども自身だからです。
・周囲ができるのは、そんな子どもを温かく見守ることになります。不登校の対策は、この「見守り方」が重要です。
・最終目標は「子どもが社会的に自立すること」です。
いかがでしょうか。
上記のすべてについて、みなさまのご意見を伺いたいです。
最終目標は「子どもが社会的に自立すること」 であれば、
学校にいかなくても、将来、自立できれば、それでいいですか?
それとも、将来の自立のために、今、不登校から抜け出すことが重要でしょうか?
ところで、私は、
「米国では、義務教育中の子どもが学校に行かないことは違法で、不登校にかなり厳しく対応する」
とどこかで目にしており、
それならば、ABAの進んだ米国では、
「自閉症児の不登校に、ABA的対応をしよう」と考えるだろうと思いました。
そして、
「ABA早期療育で、自閉症児の就学後の不登校を減らす研究、エビデンス」が、あるだろうと思っていましたが、
調べた限り、その明確なエビデンスはありませんでした。
それで、私が気がついたことは、
「school refusal」も「truancy」も、どちらも、日本語で「不登校」と訳されてしまっている、ということでした。
「truancy」と言ったら、「ずる休み」とか「無断欠席」の意味になります。
「米国などで、かなり厳しく対応する」というのは、「truancy」に対して、です。
しかし、自閉症児の不登校(school refusal of children with autism)のように、理由が明らかな場合に対しては、
そこまで厳しさはない、のではないかと「想像します」。
このあたりの実情をご存じの方、コメントで教えてください。
少し、海外における不登校(school refusal)についても、調べてみたくなりました。
次回以降の記事にします。
まとめ ‐ 確認したい事項
以下3点につきまして、みなさまのお考えを、コメントでいただけますと嬉しいです。
① 医療は、特定のタイプの不登校児にだけ、関わればよい
② 不登校は、治療しなくても、子どもは将来、「社会的に自立」できる
③ 米国など海外では、自閉症児であっても、不登校は違法として、かなり厳しく対応される。
*1.
https://www.mext.go.jp/content/20241031-mxt_jidou02-100002753_2_2.pdf
*2.
*3.
*4.
*5.
https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2007/18306/20070119iin1_1.pdf

