(61)不登校の子どもと自閉症 【2】診療ガイドライン | 自閉症児の医療と療育のエビデンス情報

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しばらくは、「不登校の子どもと自閉症」のテーマで、短めの記事を連載していく予定です。

この記事は、2回目です。

この連載記事の、最終的な結論は、未確定です。

みなさまのご意見を反映していきたいと思いますので、

お気軽にコメントをいただければ嬉しいです。

 


まず、不登校全般の話(自閉症に限らない)から、はじめます。


不登校には、診療ガイドラインがあります
日本小児心身医学会が発行した「小児科医のための 不登校診療ガイドライン」があります(改訂第2版、2015年

 

 

 

 

このガイドラインが発刊された2015(平成27)年当時と、最近とでは、不登校をめぐる状況も変わっています。まず、不登校生徒数の実数が、2倍以上に増加しています。
文部科学省の資料(*1)をお示しします  ↓ 

*1より、赤丸を追記)


不登校生徒数の推移、実数(左のグラフ)だけを見ても、平成27年は約12万6千人、令和5年では約34万6千人です。※ 令和2年から急増しているのは、新型コロナウイルス流行の影響もあるでしょうが、H27~R1までの期間でも、年々増加していたことがわかります。

 



日本小児心身医学会の「不登校診療ガイドライン」は書籍なので、ここに引用できませんが、日本小児心身医学会の、不登校関連WEBサイトをここに紹介します。  *2 *3 *4  *5

ガイドライン作成担当者のお一人、冨田和巳先生の資料を見ます (*5① 不登校には、4つのタイプがある。② 不登校には、7つのレベルがある。
⇒ 「不登校」を一括りにしないで、個々に合わせた対応をすることが大切、と理解しました。
以下に①②について書きます。


 




① 不登校には、4つのタイプ (A1、 A2、 B1、 B2)がある

(タイプの詳細は、資料を参照ください。ここで説明は略します)

A2は、強い身体症状(心身症)、不安や抑うつなどの精神症状、精神疾患、あるいは発達障害を基礎にもつもの
つまり、小児科医は、不登校のなかでも、とくにA2に積極的に関わるべき、発達障害を基礎に持つ不登校には、積極的に関わりましょうという提唱です。

その他の不登校(A1、B1、B2)には、医療は「関わらないほうがよい」でしょうか?
みなさまのご意見を伺いたいです。
私の考えは、「不登校」といっても、最初は、その原因・タイプが分からない、また、身体・精神症状を評価できないので、すべての不登校に、まず医療が関わり、学校と連携をとる必要があると思います。そこから先は、例えば、A1(学校でのいじめや先生とのトラブルによる不登校で、強い身体・精神症状は訴えない)の不登校であれば、医療がそれ以上関わる「余裕がない」のが実情かなと思います。



② 不登校には、7つのレベル (レベル0~レベル6)がある
資料では、12ページ以降で、それぞれのレベルに応じた対応の要点が、整理されています。

 

 

小児科医は、いかに不登校児に関わるべきか

 

私は、資料(*2 *3)から、

不登校への小児科医の関わり方には、3つのタイミングがありうると思いました:

① 不登校の予防

② 不登校の早期対応

③ 不登校の治療

 

資料(*2)「不登校」 4.治療・対策 のところを参照ください

 

・誰も不登校を「治す」ことはできません。

・不登校状態から抜け出し、再スタートを切るのは子ども自身だからです。

・周囲ができるのは、そんな子どもを温かく見守ることになります。不登校の対策は、この「見守り方」が重要です。

・最終目標は「子どもが社会的に自立すること」です。

 

いかがでしょうか。

上記のすべてについて、みなさまのご意見を伺いたいです。

 

最終目標は「子どもが社会的に自立すること」 であれば、

学校にいかなくても、将来、自立できれば、それでいいですか?

それとも、将来の自立のために、今、不登校から抜け出すことが重要でしょうか?

 



 

 

ところで、私は、

米国では、義務教育中の子どもが学校に行かないことは違法で、不登校にかなり厳しく対応する」

とどこかで目にしており、

それならば、ABAの進んだ米国では、

「自閉症児の不登校に、ABA的対応をしよう」と考えるだろうと思いました。

そして、

「ABA早期療育で、自閉症児の就学後の不登校を減らす研究、エビデンス」が、あるだろうと思っていましたが、

調べた限り、その明確なエビデンスはありませんでした。

 

それで、私が気がついたことは、

「school refusal」も「truancy」も、どちらも、日本語で「不登校」と訳されてしまっている、ということでした。

 

「truancy」と言ったら、「ずる休み」とか「無断欠席」の意味になります。

 

「米国などで、かなり厳しく対応する」というのは、「truancy」に対して、です。

 

しかし、自閉症児の不登校(school refusal of children with autism)のように、理由が明らかな場合に対しては、

そこまで厳しさはない、のではないかと「想像します」。

 

このあたりの実情をご存じの方、コメントで教えてください。

 

少し、海外における不登校(school refusal)についても、調べてみたくなりました。

次回以降の記事にします。

 

 

 

まとめ ‐ 確認したい事項

 

以下3点につきまして、みなさまのお考えを、コメントでいただけますと嬉しいです。

 

① 医療は、特定のタイプの不登校児にだけ、関わればよい


② 不登校は、治療しなくても、子どもは将来、「社会的に自立」できる

 

③ 米国など海外では、自閉症児であっても、不登校は違法として、かなり厳しく対応される。


 

 

*1.

https://www.mext.go.jp/content/20241031-mxt_jidou02-100002753_2_2.pdf

 

*2.

 

*3.

 

*4.

 

*5.

https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2007/18306/20070119iin1_1.pdf