小学校卒業の時に、校長先生が卒業生ひとりひとりに写真立てサイズの額縁に、好きな言葉を書いて贈ってくれた。
好きな言葉は選択股が20か30個くらいあって、他にどんな言葉があったかは覚えていないのですが、私が選んだのは「誠実」だった。
その後何十年間、実家にいる間、その額縁は私の部屋の出窓に置かれていた。
誠実であること。
それが自分に課せられた生き方だって。そうあるべきなんだって。
ずっと、きっと、そんなふうに、思ってきたのだ。
だから、もう数か月も前の話になるけれど、私が大切に想っていた彼に誠実でない行動を取られて、私はパニックに陥った。
「私はその人にとって、大切にされる価値がない人間なんだ」って、自分の価値を否定した。
今では、それは私が勝手にジャッジしているだけというのはわかっているけど。
昨晩もまた急にそんな思いが湧き出てきて、それを手放したいと思いながら眠りについた。
そして見た、リアルすぎる夢。
私は彼の女友達のA子さんととても仲良しになって、居酒屋に飲みに行くことになった。
A子さんは私のことを高校の元・同級生だと思っている。(実際は20近くも歳が離れているんだけど。)
居酒屋で、3人グループの女の子と相席になり、いろいろと話をしているうちに、私が元・同級生ではないと疑われ始め、嘘をついていたことがバレてしまう。
私は、彼のことが目的でA子さんに近づいたことが知られてたら大変だと思い、自分はA子さんのストーカーで、A子さんと仲良くなりたかった。嘘をついてごめんなさい、と苦しい弁明をする。
A子さんと他の3人の女子がそれに何となく納得してくれて、私が警察に行くから、ということで話が落ち着いた。
私は3人の女子と車に乗って、警察署の前で降ろしてもらうことになった。
警察署は外装工事中なのか、入り口以外すっぽりと布で覆われており、外からは中の様子がうかがえない。
車から降ろしてもらって、ひとりで警察署の前の横断歩道を渡っていたら、おばあさんが車にはねられて、丸くなって倒れている。
私は、ああ、どうしようと思っていると、同じく横断歩道を渡っていた人達が「いいのよ、放っておけば」と声をかけてきたので、私はおばあさんを置き去りにして警察署の入り口に入った。
入り口で、外の様子を伺っていると、3人を乗せた車が走り去っていったので、私はようやくほっとする。
もちろん、出頭するつもりなんてなかったのだ。
すぐに警察署を出て、駅に向かい、彼のことがバレなくて本当に良かった、さっさと家に帰ろう、と思った。
目が覚めた時、自分の不誠実さにまず呆れた。
そして、それが夢ではなく、現実の世界で起こったことだとしても、私は全く同じ行動を取ったに違いないのだ。
自分がこれまでどれだけ「誠実であること」「良い人であること」に囚われていたか。
それを当然のように他者に当てはめようとしてきたのか。
そもそも、私は誠実になんか生きたくなかったのかもしれない。
もうすぐなんだと思う。
誰かから後ろ指さされても、これが私だからとニコッと笑える日が、来るような気がしています。
