
好きだから、やる。
そのことに理由なんて必要ない。
「もっと、シンプルにいこー、な?」
「中受」より
(工藤純子 著 ポプラ社)
いつもありがとうございます(⸝⸝•ᴗ•⸝⸝)
したいことができないで維持される
平和な家族ってなんなんだ。
高圧的な態度の父親、
息子が生きがいだという母親、
そしてそこから
自立したい息子の日下部龍樹ーーー
『読み進めていくうちに
少し状況が変化したり、
いい方に向かったりするのが
本というもの、
若い子が読む本はとくにそうではないか
(ハッピーエンド的な?)』
と勝手に思っていたのだが、
そういう作品ばかりなのではないのだと、
改めてずーんと考え込んでしまうエンド的な
本でありました。
とは言え、ひこ・田中さんの作品は大好き。
細やかな描写、
じりじりひとつひとつ
主人公の気持ちに迫るような
そんな文章だ。
今回も
一歩一歩、タツの気持ちと伴走して
読み進めた。
「自分のことを自分でやりたい」
というタツと、
「母親の仕事を奪うんじゃない」
「子供だから黙って言うことをきけ」
という父親、
(弁当を作ったり、洗濯をしたりして
あなたをお世話するのが
専業主婦である自分の仕事だから、
それを奪うことで)
「お母さんをいじめないで」
という母親…
父親母親が手強すぎるのに、
タツは暴れるでもなく
じりじり、じりじりと
自分のペースを崩さず
自分の気持ちを大事にしようとする。
ほんとうにあっぱれだ。
私、高校生の時とか、(今でも?)
こんなふうに、
親が過剰に介入してきたり恩着せたりして
嫌だった時、
どうしてタツのように粘らなかったんだろう。と今さら思ってしまった…
以前本屋さんで立ち読みして、
その時もずーん。ときて
昨日、矢巾でこれを見つけ
ようやく最後まで読めて
またさらにずーん。ときた。
でも、確実に読んでよかった。
タツ、エライ。あんたすごいよ。
私にも『粘り』が必要だ、と思った。
多分、タツの立場だけに立ったら、
爽快な物語だなあと思う子もいるかも。
みんなみんなが仲良くうまくいけ!
なんて理想を持ってる
ハッピーエンド好き(私だ)には
ずーん。とくる物語かも。
でもこれはこういう作品だからいいんだと
思う…ずーん。も必要だ。
バッドエンド、ではなく、
凛とした成長のお話だ。
「あした、弁当を作る。」
ひこ・田中 著
講談社
