2023年の読書 120冊め


かわいい子ランキング

「人がなにをかわいいと思うかなんて、

かんたんに変わるって言ったよね?

ランキングが変われば、

みんなの意見も変わるって。

だったら、自分にとって

なにが一番かわいいかを決めて、

そのとおりにすればいいじゃない!」


「決めるのはあたしじゃないのよ!

わかんないの?」


生徒のスマホに送られてきたのは

学校の「かわいい子ランキング」。

ぶっちぎりの1位と思われた

(本人もそう思っていた)

ソフィーが2位。

地味で目立たないイヴが1位──


1位に選ばれたイヴは
お兄ちゃんのパーカーとか着て
体のラインを隠しているけど
実はスタイル抜群。
そこをからかわれるようになってしまい
下品な内容のメールが
どんどん送られてくるようになる。
一方、関心がないふりをするソフィーは
学校イチの目立つ男子・ブロディが
自分から離れていくのを目の当たりにし
周りの女子(ソフィー軍団)とも
なんだかギクシャクし…
みんながランキングに振り回される。

ランキングを考え、皆に送りつけたのは
ブロディではないか、と目星をつけ、
イヴ、ソフィー、イヴの親友・ネッサは
手を組み、
「正当な裁きを」下す決意をして──?



こんなことがなければ、
詩が大好きでひっそり教室に居るイヴと
いつもバッチリきまったお洒落をして
派手で目を引くソフィーが
友だちになったりはしなかったろう。
そこにネッサも加わり、
どうやって犯人にオトシマエをつけるか
異種交流のような打ち合わせ?話し合い?
はたまた女子会?のようすは
なんだかわくわくどきどき。


で、
そこもとても面白いんだけど、
このお話の一番イカシテルところは
なんたってイヴの詩である。


わたしたちはみんな、

たくさんのものを内に含んでいる。

わたしたちは、

百万通りの物語を永遠に広げていく。

自分の完全な物語を知ることは

決してない。


あなたたちは数字ではない。


あなたの内にある

もうひとつの宇宙はなに?


みんながそれぞれ、イヴに対して

その人なりのイメージを抱いている。

両親、ブロディ、ソフィー、ネッサ…

そして、そのイメージどれもが

「そのままの自分とは違う」。

ひとりひとりの中に、

百万の宇宙があるのだ──


◯◯なひと、と、ひとことでは

決められない。

決められたくない。


誰かの一方的な順位づけとは

いかに陳腐なものか?


自分ですら、

自身がどんなものを内に含んでいるか

わからないままだ。




イヴの、ランキング騒動のあとの

新年の誓い。

1日に必ず一回書く。

書いたものをだれかに見せること。

本当の自分を世界へ見せること。

この「本当の自分を世界へ見せる」

というのは、

みんながソフィーのことをバカにした時

イヴはなにも言うことが出来なくて

すごく後悔したシーンがあって、

そこにもかかってるかなあ、と思う。



ワタシも見習おう。

誰かの考えた1位や2位を

そのまま了承するのではなく、

自分自身の感性のフィルターを

通してみよう。

そして、自分の好きなものや

こうしたい、こう考えてる、を

自信なんか別になくていいから

卑屈に思わず自然に口に出せばいい。



外国の本はあまり読まないのだが

(なんか、背景とか慣習がわからない分

読みこなす自信かなくて)

手に取ってみて本当に良かった。

これからのイヴが、ソフィーが

自分らしく輝けますよう。




「かわいい子ランキング」

ブリジット・ヤング 著

三辺律子 訳

ほるぷ出版