2023年の110冊目

わたしの空と五・七・五

十七文字でいえることがある!



この作品。

すっごく好きなやつ。

今まで読んだYAのなかで

ワタシが一番好きなのは

はやみねかおる先生の

「復活!虹北学園文芸部」だったが

それに並ぶ作品がついに来たにっこり飛び出すハート

虹北学園のほうはめっちゃ「動」、

こちらはわりと「静」って感じの

文芸部。



中学生になり、

文芸部に入った空良は

新入生歓迎の句会のための

俳句を作らなければならなくなるが、

部長・とんま先輩が

ひとつひとつ丁寧に教えてくれて

(これで読者も

「ほう…基本はこうやって作るのか…」

と思える、という流れ。ワタシも。)

なんとか3つの句を完成させる。


空良の作る俳句は

ありのまま、心のままを

率直にあらわしたもので、

中学生らしさ満開のその句たちは

すっと胸に入ってきて

爽やかな風をおこした。

同級生小林さんの句もとても可愛い。

先輩たちのは一段上、という感じ。



そう、

この文芸部の部長、副部長の

中学生らしからぬ知識と俳句力。

めっちゃ惚れ惚れ。すっかり

俳句の魅力にとりつかれたワタシ。

学生に戻れるなら文芸部入りたい!

俳句甲子園出たい!

(ん?俳句甲子園は高校生?)



副部長、谷崎先輩の言葉は

人生のなんたるかさえ感じられるし、

腹のなかには、

そういううじ虫がいるのよ。


いい?

こういうどうしようもないうじ虫を

しっかり握って離さないこと。

うつくしい物語って、

うつくしい成分からできてるわけじゃ

ないんだから。



部長のとんま先輩は
丁寧で分かりやすい説明だし、で

これは

二句一章というつくりかたです。

ふたつの世界をひとつの句に入れる、

つまり自分の思いに

季語を組み合わせる、取り合わせる

というつくりかたです。

そうすると、思いがけず

詩的な空間が生まれます。

この2人が最高いい味出してるニコニコ



そしてとんま先輩の

一句献上いたしましょう

、これがすっごく好き。

誰かに向けて句を詠む時に言う言葉、

なのかしら。最高知的な響きぞする。

(ワタシも使ってみたい)



この作品。
もっともっと読み続けたくなるのに
最後に空良がひとついい句を読んで
すうっと終わってゆく。
空良はこれからまた
俳句を詠むだろう、
うんうん考えながら、歳時記を片手に。
想像してふんわり嬉しい気持ちになる。
そんな余韻がまた良き。


俳句に出合うたび、
空良やみんなを思い出すだろう。
また会いたくなる、きっと。
あの子たちに。



「わたしの空と五・七・五」
森埜こみち 著
講談社