25だったか26だったか、
とにかくその頃のわたしは、
イタリアに移り住みました。
「ファッションの国・イタリア」は、
想像通りのハイブランドを除けば、
その頃の日本のクオリティに比べたら、
ゴミみたいな安物の服しかなくて、
本当に「ゼロか100か」みたいな選択肢しかなかったように感じていました。
当時のわたしの給料は、
日本円にして20万くらいだったかな。
そのうちの約半分が語学学校への支払い。
リラがユーロに切り替わった頃で物価も上がり、
当然ですが、ブランド品には手が出ませんでした。
そんな日常ではありましたが、
わたしは当時から美しいものに目がなくて、
わざと遠回りして、
いろんなお店のショーウィンドウを見るのが大好きでした。
当時、まだ日本ではあまり有名でなかったSergio Rossi のハイヒールパンプスをはじめて見たときの感動たるや、
未だに蘇るくらい鮮明に覚えています。
細くて高いハイヒール。
それは、イタリアの古い石畳を歩きまくる地元の庶民にはちょっとそぐわない、
完膚なきまでに女性の脚とマッチした美を追求した究極のハイヒール。
あらゆるファッション雑誌を読み漁っていたわたしですが、
あんなに美しいピンヒールなんて見たことがなくて、
頭の中で「ビバ!イターリア!!」と叫んだのも無理はありません。笑
当時のわたしの勤務先はプレタポルテのハイブランド店でしたので、
大体の価格帯や、
どんな人が買うのかも想像できました。
自分の給料では、永遠に絶対に買えないもの。
そう思って、
「わたしは、売るだけの人なんだ」
と自覚するたびに、悲しい気持ちになりました。
あれから何年も経って、
はじめてSergio Rossiを自分に買うことができた時は、
本当に本当に感動的でした。
ドキドキして、ワクワクして、
そして、実物を見てやっぱりウットリしました。笑
わたしはやっぱり、
物質から豊かさを感じることが多くて、
「それって本当は、心が貧しいってこと?」
と悩んだこともあるのですが、
そういうことじゃないんだな♡
とやっと思えるようになってね。
何かに、あるいは誰かに、
恋に落ちるように憧れることができる、
ということこそが、
とてつもなく豊かであることだと、
気付いたからです。
なんて美しいんだろう!
なんて素敵なんだろう!!
そんな風に、心を震わせられるのは、
その人の豊かさそのもの

その証拠に、心が貧しいひとほど、
感動しないし憧れないし、
そういう人の得意技は嫉妬と猜疑心。
何かに素直に憧れられるというのは、
自分の感覚を信じている証拠。
自分を幸せにするセンスがある、
という証拠でもあります



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