【快傑ウォルフレンの「日本ワイド劇場」】 | so what(だから何なんだ)

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【快傑ウォルフレンの「日本ワイド劇場」】
カレル・ヴァン・ウォルフレン著
プレジデント社出版
2001/11/28刊行

この人の本はかなり読んだつもりである。
【人間を幸福にしない日本というシステム】とか、【日本/権力構造の謎】とか。
accountabilityという言葉は、かなり流行った。
わたしも、自分の朝礼に使ったことがある。

どの本も、「日本が如何に民主主義国家として遅れているか」との、まるで研究論文のようだった。
まあ、納得することばかりなのだが、欧米の民主主義賛歌でありすぎるとも思った。
日本には、日本の事情があるんじゃ、と反発する部分もあった。

だが、日本という国は官僚というオートパイロットで操縦されており、パイロットである総理大臣は何の役割も果たしていないという指摘には、ウンウンそうだと、納得させられたものだ。
どこに向かって、どう飛んでいるのか全く分からないという危機感。
しかも、そのオートパイロットがだいぶ前からオカシクなっているということ。

この本も、6年以上前に書かれた本であるが、かなりの部分、現状は彼の指摘した通りで動いているので、彼のものを見る目は確かである。
残念ながら、2001年の同時多発テロの直前に書かれているので、テロ後の世界を彼がどう分析しているのか、興味がある。

過去の論文調の本よりも、この本のような書き方の方が、彼の論点がはっきりして分かりやすいと思った。
肩の力を抜いた本のほうが、読者の心によく届くという一例ではないだろうか。

いままで、知られなかった彼の個人的なバックグラウンドも、面白い。

今の日本のシステムを変えるには、一度未曾有の危機が来なければ変えられないのではないかと、かなり本気で物騒なことを考えている。
誰が考えても、そりゃ困る。
だが、そうでもならなければ日本が変わらないのではないかというのは、本当に情けないことである。

彼が書いた時点で、日本の女性は早く覚醒しなければならないと訴えている。
6年後の今、例の薬害肝炎訴訟で果たした女性たちの役割を、彼はどう評価しているのか聞いてみたい気がする。