【心を知る技術】 | so what(だから何なんだ)

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そんなお年頃。
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【心を知る技術】
高橋 和巳著
筑摩書房
1997年11月20日出版

久しぶりにいい本に出会った。
これは自信を持って推薦できる。

本の構成がまるでよく剪定された植木のようである。
本筋の幹があって、枝の張り出し方も過不足がない。
非常に落ち着いた語り口だが、扱っている内容はかなり深刻である。
著者は心理カウンセラーだが、多くの修羅場をくぐってきたのだろうなと感じさせる。

我々がカウンセリングについて持っているイメージと、微妙な点で異なっているのが分かった。
カウンセリングとは、ただひたすら聞くこと。
クライアントが話しやすい方向に持っていくことはするが、それに対してアドバイスはしないこと。
これを聞くと、「何じゃ気楽な商売だな、患者はプロとして処方箋を出してもらうことを期待しているはずなのに。」との誤解を持つ。
この誤解を、丁寧に解きほぐしていき、最終的にはクライアント自身が「気付く」事をしなければ、その悩みの本質には迫れないこと。
クライアントの悩みを解決するのは、クライアント自身であること。
そこまで持っていくには、カウンセラーは根気よく、心と心を同期させることが求められる。
この心を同期させる作業というのは、ストレスが大きく、しかもリスクが高い。

心理学というのは、大変難しい分野だと思う。
心理学の手ほどきを以前読んだことがあるが、途中で訳が分からなくなった経験がある。
題名の【心を知る技術】をカウンセリングだけの切り口から、経験を元に真摯に説明されている。
まるで、腕の良い植木職人のように。

読みながら、自分の気付いていない、深層心理があるのではないかと考え続けた。
自分の心を支配する、隠された物語があるのではないかと。
そうすると、ハタと気付いたことがある。
自分は「失敗を極端に恐れる」というキーワードに辿り着いた。
誰でも失敗したくないのは当たり前だが、自分はそれを異常に恐れていることが分かった。
「だれでも失敗するんだよ。失敗してもいいんだよ。」という気持ちに、なかなか持っていけない自分を発見したのである。

健全な(?)心を持った人にも、鬱気味で悩んでいる人にも一読を勧める。