・・・・・・・っということで、知りませんでした不染鉄(ふせんてつ)という画家。
大正から昭和にかけて活躍した人で「幻の画家」といわれているそうです。
幻と言われているくらいですから、皆さんも知っている人は少ないでしょう。
上手いねぇ~~~
(上から目線だけど)才能あるよねぇ~~~
日本画に分類されているようだけど、誰にも似ていない彼独自の画風を確立していますね。
写実的な描写力は当然として、見たままを描くのではなく一度心の風景として消化したものをキャンバスに投影しています。
上の絵は【廃船】という題名です。
細部まで描きこんでいながら、大きく俯瞰する構図がこの人の特徴です。
船のバランスといい、現実離れした風景といい、心象風景だということが分かりますね。
船は明らかに錆だらけで、デッキには人影が見当たりません。
船の巨大さに比べ家屋は小さく、不安げに身を寄せ合っています。
しかも村の一部から火の手が上がっています。
実は、これ以外に船の絵をはがきに描いていて、それには溢れんばかりの人々が乗っているのです。
出征する兵士たちをたくさん乗せた船が出航するのを人々が見送る構図なのです。
ネットを探し回りましたが、この絵は見つけることが出来ませんでした。(著作権の関係?)
明らかに、上の絵と絵葉書の絵は対になっています。
巨大な船が表すものは、国家でしょう。
巨大な船に乗せられ国民は戦地に送られたけれど、敗戦したことにより国土は荒廃して、乗船した人々は帰ってきませんでした。
もちろん題名の【廃船】は【敗戦】にかけています。
実にストレートだけれど、グッときませんか?
彼は僧侶でもあったらしく、仏教的なメッセージが込められた絵が多いように感じます。
(ふせん てつ、1891年6月16日 - 1976年2月28日)
