・・・・・・・っということで、もう36年も前の映画をようやく観ました。
この映画は様々な悪評が付きまとっています。
実際、この映画が大コケしたお陰でUAという映画会社がつぶれてしまいました。
曰く、冗長である。なんと上映時間219分。
曰く、監督の独りよがりである。
曰く、人物が描けていない。
曰く、歴史を捻じ曲げている。
それとは反対に絶賛する友人がいました。
どれも、ぼくには分かる気がします。
ツウぶって分かった振りもしたくありません。
明らかに監督の情熱が空回りしています。
しかし、ぼくは好きですねこの映画。
映像のどの部分を切り取っても味わいと深みがある。
舞台はワイオミングなのだけれど、実際に起きた牧畜業者と東欧系の移民たちの争い、主人公達の友情や愛、欲望など、じつにちっぽけに見えてしまいます。
さらに言えば、ディアハンターで成功したマイケル・チミーノ監督のこの映画に賭けた野望さえも小さく見えます。
時代は19世紀の終わり。
ワイオミングといっても、そこにはもうインディアンたちは登場しません。
彼らがアメリカの歴史上から抹殺されてしまったあとの白人同士の醜い争いの物語です。
そして今も、アメリカは露骨に移民排斥に大きく舵を切っています。
しかし、ワイオミングの山々に囲まれた大自然の中では、実にちっぽけな話に過ぎないのです。
いまも昔も、自然の前では人間は愚かな存在でしかないことをこの映画は思い出させてくれます。