アンダーカレント ビル・エバンス ジム・ホール | 藤村正宏のエクスマブログ

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若いころには、あまりにも奥深くて、その真の良さが理解できないものがある。
料理でいえば、「湯豆腐」や「パクチー」なんかがボクの場合そうだった。


JAZZのアルバムでも、あまりにも奥深いため、好きじゃなかったものがある。
ピアノの名手ビル・エバンスとギターの名人ジム・ホールのデュオ


『アンダーカレント』


19歳の時、札幌のJAZZ喫茶で最初に聞いた。
女性が湖の水面下に漂うセンセーショナルな写真のジャケット。


ジャケットのデザインはとびっきり格好いいけど演奏は・・・
名盤ということだったが、ピアノとギターだけのバラード調の演奏がつづき、ボクには退屈に思えた。


◆コンサルタント藤村正宏のエクスマブログ◆-アンダーカレント
アンダーカレント



それから10年以上経って、また聴く機会があった。
その時の印象はまったくちがっていた。
退屈なイメージしか記憶になかったが、その時に聴いたのは、同じアルバムとは思えないほど輝いている演奏だった。


インタープレイの極致。


ビル・エヴァンスは、このアルバムの前に出した『 ポートレイト・イン・ジャズ 』 や『 ワルツ・フォー・デビー 』 で、ベースのスコット・ラファロとドラムのポール・モチアンのトリオで、インタープレイというJAZZの手法を確立させた。
インタープレイというのは、すべての演奏者が表現者として等価の比重をもって演奏し、それを高めあって作品を仕上げていくというもの。
まさにアドリブの演奏で会話をしていくようなイメージ。


ビル・エヴァンスはこのアルバムを出す直前、そのインタープレイを確立した盟友のスコット・ラファロを自動車事故で亡くしている。
その喪失感や絶望の底にいた。


アルバム・タイトルの『Undercurrent(底流)』。


水の中でただよいながら、深く沈み込むような、それでいて水を通して現実を見ているような、そんな雰囲気のアルバムになっている。
一見演奏は静かなバラード調だが、ピアノとギターの静かな戦い。
ムーディなBGMに使われるような甘いJAZZが、子供の遊びに思えるほどの迫力。


こういう演奏をいいと思えるようになる。


そういう意味では、歳をとるのも悪くない。