一本のお電話が鳴ったのは、もう数カ月も前でした。
お若くて、透き通るお声の持ち主の女性でした。
自分は弱視でよく見えないのだけれど、祖母から譲り受けた羽織でドレスを作りたい。
という内容でした。
そのような方と関わったことがないので、
見えないけど、見えてるという状況が理解出来ませんでした。
数ヵ月後、ご主人とご一緒にご来店になりました。
後で思えばですね、
ご主人がいらっしゃらなくても何でもご自分でなさる、
7号サイズの小さい&とても大らかな女性だったのです。
着物リメイク作品に眼を、うんとうんと近づけて、洋服の上から下までなめるように眼を動かして
「うわー!めっちゃ可愛い~!」
とおっしゃるお姿は、ごく普通に見えている人と変わりません。
ご主人様に美味しいお料理を作ったり、アイロンをかけたり、大きな弦楽器を(ちいさな体で)
電車で運ぶことなんか、普通の人だって大変なのにね。本当に自分のこの
この眼は、何を見てんだろうか。。(´д`lll)
と思わされました。
納品は、ご両親(ご両親も弱視です。)も上京なさって、広いひばりヶ丘店で盛大に行われました。
演奏会の時や、結婚式にご出席にお召しになられます。
本にも出ているワンピースのデザインです。
この日、ちゃんと似合うシューズとショールをご持参でした。
本当に、御洒落さんですね。
真っ白なお肌に、淡いパステルカラーが映えていました。
可愛くて、奥様とは思えない雰囲気でした。御似合いです!
サイズが小さくて人体では、パツンパツンですが・・・
可愛いでしょ~!
御試着なさって、鏡にうんと近寄られて満面の笑みで喜ばれました。
ご両親がとてもとても明るい方たちなのです。
店じゅうが常に笑いに包まれていました。
ご両親はとても明るいのですが、お父様がね、
「お母さんの若い頃の着物姿が印象的なんだ。」
と繰り返しおっしゃっていました。
「どんな形だか、何の日のデートか覚えてないけど、印象的だったんだよ。」
このご家族には、ほんとーーーーーーーに
やられました。![]()
有難い出会いに感謝です。


