本格ミステリーファンのみなさま、ブログタイトルどおりです。

 

 2月24日発売予定、との前情報。しかし、紀伊国屋書店で聞いたところ、すでに2月18日時点で、今村昌弘さんの待望の新刊 「魔眼の匣の殺人」が書店に入荷していたとのこと。

  私は、愛読させていただいているブロガーさん、クロスケさんの新着記事でこの情報を知り、さっそく、紀伊国屋さんのミステリー担当者さんを尋問、いえ問い詰めたところ、あっさりと「18日に入荷しました。入荷数の半分くらい、19日までに売れちゃいました。お求めになるなら、お早めに~!」という嬉しそうな証言が得られたのでした。

 

 お値段は1800円台。読み応えのありそうなページ数を考えれば、そして版元さんが高価格設定で有名な東京創元社さんであることを考慮に入れれば、かなりのお得感があります。なにしろ、近年の創元推理文庫なんて、400ページくらいで軽く1000円を超えちゃいますからね。

 

 まず書影が良いです。「屍人荘の殺人」」の書影は完璧に忘れているのですが、今作は書影がネットにアップされるや、おもわずテンションが上がりまくったというファンの方も多いのでは? 紅蓮の炎か、はたまた溢れる血潮か。表紙の美少女の顔を朱に染める禍々しい赤! その中で、キッと前を見据える少女の瞳。吸い込まれそうです。内容は探偵役〇〇さんと比留子ちゃんのコンビ登場の、前作につながるもの。または、あのお方が登場なさるということは、あるいは前日譚? 期待は高まりますが・・・・・・私はしばらく、おあずけ。というのも購入するのではなく、図書館で予約したため。

  クロスケさんにもコメントさせて頂きましたが、基本ミステリーで購入するのは、探偵役に非常に大きい魅力を感じたもののみ。ダミー名探偵、鳴海さんがめちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃスタイリッシュでカッコいい、霧舎巧さんの「開かずの扉研究会」シリーズ、鳴海さん、人気マンガ「坂本ですが」のハイパースタイリッシュ高校生の坂本君よりスタイリッシュ。そして、これぞ小悪魔少女JK小左内さんのダーク、ブラック、キュート3要素がピリッとくる、米澤穂信さんの「小市民」つまり「~期限定スイーツ」シリーズ。「冬期限定」待望の日々が続きます。そして「ワニ日和」読了後には発売即買いを決めた似鳥鶏さんの「楓ヶ丘動物園」シリーズ、この3シリーズです。「楓ヶ丘」の魅力的探偵って特定するならだれだろう。うーん、4人プラス雑種犬ディオゲネス、ですね。ディオゲネスの「逮捕術」は天賦の才能か、単なる本能か。一時は若竹七海さんの「葉村晶」シリーズも買っていたのですが、世評に反して「さよならの手口」以降は「ほんとうに、くどいだけで、つまらなくなった」と感じているので(カズレーザーさんを代表とする世の読書家さんたちの評価は真逆です)、図書館本ですませています。それも予約の波がひいてから、ゆっくりと借りて気がすんじゃいます。若竹さんも、東野さん同様、「真の黄金期」は、ブレイク前だったと痛感します。樋口有介さんの「柚木草平」シリーズ、「なんて、かっちょいいんだ!」と幻惑されて買っていたのですが、4作目にして「かっちょよさ」が完璧にワンパターン、だという事実に気づいて以降はスルー、あるいは図書館本をツマミ食い。ただ読んでみると、やっぱりハンパなくおもしろいです。それでも、シリーズが長くなりすぎたので、買いません。

 今のところ悩むのは市川憂人さん。1作目は印象薄っ!だったマリア・ソールズベリーが「グラスバードは還らない」で、ネタキャラにオオバケ。がぜん、印象的な探偵役になったので、購買欲をそそられます。迷うのは「文庫には本格推理作家さんの解説がつくだろう」という点。加筆もされるかも。ただ「加筆=改良」と断定できないのが、エンタメ界の恐ろしさ。

 

  さて。

  「探偵論」になってしまったので、仕切り直しです。

 

  「痛恨の一撃」になる危険性が高い「買い逃し」。

  ここで買い逃しのおきないように、エンタメ系の新刊、近刊をざっとフォローしておきます。

 なお、数日中に五十嵐貴久さんのぶんこ書き下ろしが発売されるようですが、私はこの方を「ミステリー作家と認めない」というか「作家であることすら認めたくない」ので、スルーします。

 

  横山秀夫さんファンの方、要要要注意。22日に新作「ノースライト」(新潮社)の発売。今度は横山さんにしては、異色の長編。主人公はなんと、警官ではなく一級建築士。実力の限りを尽くして設計した邸宅。のはずでした。しかし、新築後、出来栄え確認に向かうと、入居予定の家族はおらず、残されたのは一脚の古椅子。家族をおそった怪事件に、天才建築家の伝説が絡んできて・・・・・警察小説の大御所、横山さん描く建築ミステリー。これは、警察小説嫌な人も興味津々では? 私は既にして、わくわく感でいっぱいです。

 

  太田忠司さんは「過去の作家さん」だと思い込んでいるみなさんへ(わたしは、そう思い込んでいました)、まだまだ太田さんはご健在、かつご健筆。2月20日発売の「ミート・ザ・ジャンパーズ」(光文社)は70歳代のGSミュージシャンたちが繰り広げる老春グラフィティ。太田忠司さんは、綾辻行人さんや有栖川有栖さんたちと同世代。たしか本格ミステリーを多作なさっていた、はず。ぜひ、 また本格に挑戦してくださいませ。短編集ですが「奇譚収集家」はたいへん、おもしろかったです。

 

  同じ20日発売の森川智喜さんの「そのナイフでは殺せない」(光文社)。森川さんの看板ともいうべきダークブラックメルヘンなミステリー「三途の川」シリーズとは、ひと味違う作品。殺した相手が「16時32分に生き返る」との悪霊のお墨付き、ワケありナイフに憑りつかれた映画監督。やがて彼の手になる残虐映画はスナッフムービーだという黒いウワサが・・・・・・

 森川さん、「キャットフード」でお目見えしたころは、良質ミステリーを書きつつフェイドアウトしてしまうタイプかと案じていましたが、その後のご健闘はみごと。

 

 そして3月3日に満を持して登場! 「楽しみにしていたのに買い逃す」という危機感がせまるのは、有栖川有栖さん! タイトルはなんと「こうして、誰もいなくなった」(カドカワ)。

 絶海の孤島「海賊島」のバカンスに招かれた10人の男女。もろ「あの作品」ですね。有栖川さんが、はたして、どのようにオマージュしてくださるのか・・・・・・今村昌弘さんの過去例が出現した今、2月末から入荷要チェックですね。

 

  そしてホラーマニアさんたち待望の澤村伊智さんの新作、ただし、なぜかホラーではなく”本格ミステリー”なのが「予言の島」(カドカワ)。3月15日刊行予定。やはり発売日はコマメにチェックしたほうが良いでしょう。天才的霊能者による予言が残る霧久井島。それは、忌まわしい惨劇の予言。冥府へ還る六つの魂、と定められたのはだれ? とくると、都会から面白半分のおバカたちが群れをなして、海を越え、島に降り立つのは必定・・・・・澤村さん、ホラーは「3作読めばお腹いっぱい」な作風ですが、ホラーミステリーとなると、がぜん興味をそそられます。

 

 目立つ新刊は、ざっとこんなところ。かなり、記載モレしていると思います。お好きな作家さん、気になる作家さんの新作を読み逃さないよう気を付けましょう。

  しかし、魅力的な作品続出のエンタメ界。2年近く前に買ったまま、積読ひさしい恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」の存在感が、日に日に遠くなっていく・・・・・・姫野カオルコさんの「彼女は頭がわるいから」は購入後、即日読んでしまったのに(スゴイ作品でした。読後感が落ち着いたらレビューします)、「蜜蜂と遠雷」は冒頭の「音楽審査会のプログラム」で挫折。恩田さんといい、アーシュラ・K・グィンといい、なぜ冒頭で無味乾燥なプログラムや名簿や論文を読ませて、読者を疲弊させつくしてしまうのでしょうか。

 あれ?

  冒頭部分が無味乾燥で忍耐力を要するとの悪評高い「占星術殺人事件」。けっこう「興味深く読めた」のは、いったいなぜ?