ごきげんよう♪
お客様とつながる文章づくり
ライター*うちはしまいこです。
本日のライターの本棚はこちら。
吉田修一 著
朝日新聞出版
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興行収入180億円越えは
日本の実写映画の歴代1位。
今も記録を更新し続ける
大ヒット映画の原作です。
もともとあまのじゃくな性格で
ロングランとか、興行収入1位とか
話題になる映画にはあまり
興味がわかなくて、足を運ぶことは
ほとんどないのですが
さすがにこの映画は鑑賞して
おいたほうがいいよねと
映画館へ出かけたのは
昨年の9月でした。
↓
あまのじゃく返上して
観てきてよかったと心底思いました。
これはしっかり原作も読んでおこうと
図書館で16人待ちのハードルを
乗り越え、この年末年始に読破♪
映画が先か、原作が先かは
意見の分かれるところですが
私は映画先行派。
このたびも、やっぱり映画を先に観て
原作に進んでよかったと思っています。
小説でいきなり驚かされたのは
その語り口調でした。
でもこれが、お話の世界観に
ぴったりで、小説を読みながら
講談を聴いているような
いっそう楽しく読み進める
ことができました。
作家の吉田氏は、なんと3年間も
実際の黒衣として、舞台裏から
歌舞伎の世界をつぶさに体感し
執筆に入られたそうです。
歌舞伎に直結するストーリーを
切り出して、まっすぐでツルツルの
柱として制作したのが映画なら
成長と共に枝葉が育ってツルが巻き
ごつごつと太くなっていく幹に、
柱としての深みや成長の意味を
味わえるのが小説かもしれないと
読後いちばんに感じました。
一つひとつのシーンが
表現している意味を
映像から察する楽しさと
察するだけではつかみきれない
背景や感情の機微を、活字で
埋めてもらえる満足感。
逆に言えば、一見、歌舞伎役者
としての成長には関係が薄そうな
原作のストーリーも、あとから
映像とすり合わせることで
じんわりと意味が響いてくる感じ。
「この出来事があったから
映画でのあのシーンの表情が
生まれたのかもしれない」
「こんなやりとりをしていたなら
映画では描かれなかった未来では
もしかするとこんな選択を
していたんじゃないだろうか」
などなど、映画を観た人、
小説を読んだ人、一人ひとりに
また新たなストーリーが
生まれていくかもしれません。
小説の世界に入っていた時に
主題歌の歌詞を担当した坂本美雨さんの
インタビュー記事にも出会いました。
その中で坂本さんは
「『国宝』に関わったみんなが
命をかけた作品だと全身で感じた」
とおっしゃっているのですが
↓
主演おふたりの舞のシーンに
涙がぽろぽろこぼれて
仕方がなかった理由が
ちょっとわかった気がしました。
本気の想いって、わざわざ言葉に
しなくても伝わって、人の心に響くのだと。
印象深いシーンはたくさん
あるのですけれど、ネタバレに
ならないように言葉を選んで
ひとつだけ伝えると……
エンディングでしょうか。
映画と原作では少し異なります。
主人公が、ずっとずっと
探し求めた景色に、
ようやく舞台の上で
出会うことができるのは
映画も原作も同じなのですが
主人公と一緒に
温かな気持ちに包まれる映画と、
胸を押しつぶされそうになる原作――
読み終えた今も、実は胸の奥に
重いものがズシンと残ったまま
うっかりすると涙がこぼれそうになります。
ただ、主人公本人にとっては、
きっとどちらの終わり方も
「しあわせ」なのでしょう。
血を超えて、芸を極めることの
壮絶な人生は、インタビューでの
坂本さんの言葉ではありませんが
「選ばれてしまった人」の
宿命なのかもしれません。
と、ブログを書き始めたら
そんな『国宝』の世界を
実際の人生として体現している方が
いらっしゃるのを発見。
たまたまテレビに出演されているのを
拝見したのですが、これからが楽しみな
役者さんです。
↓
まだしばらく映画もロングラン上映が
続きそうな気配です。
日本人として、伝統芸能のひとつである
歌舞伎の世界に触れることができる
貴重な作品だと改めて感じます。
映画から観るか
小説を先に読むか。
それぞれに楽しみ方がありますね。
まだ触れていない方には
映画も小説も、おすすめしたい作品です。
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