なぜマルチビタミン&ミネラルなのか? | みのり先生の診察室

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このお正月休みは診療はお休みしていたのですが、ずっと仕事でしたあせる

 

昨年受講した栄養療法のセミナーのアーカイブ動画閲覧期限が1月5日だったので、それまでに20本近くの動画を観ないといけなかったんです汗

 

忙しくて診療がある平日は、とてもじゃないですがそんな時間を取れないので、まとまった休み期間中にしかできません。

 

というわけで、年末年始やゴールデンウィーク、診療所の夏休みは、ほぼこういった勉強する仕事をしています。

 

内容が結構難しくて、医学部の学生時代に学んだ「生化学」の教科書を参考にしながら受講しました。

 

学生時代は生化学も医化学も、難しい構造式や化学反応、酵素を暗記するのが大変な教科でしかなかったのですが、今になって腑に落ちることだらけ。

 

なぜこの栄養素が必要なのか?という答えが得られました。

 

動画を一時停止して書き込みながら、分かりにくい部分は何度も聴き返しながら視聴しないと理解できないあせる

 

一番苦手で、だけど一番重要で、ここを理解しておかないと分子栄養学の基礎が身につかないという生化学の基礎をしっかり学ぶことができました。

 

すごく難しい内容なのですが、ブログでできるだけ分かりやすく噛み砕いて説明したいと思います。

 

そうすることで私自身の知識が定着しますし、平易な言葉で説明できない部分は理解が浅いということなので、教わったことを自分の言葉で伝え直す作業は理解の曖昧さに気付く良い機会になるのです。

 

 

人間に限らずですが、生きていくためにはエネルギーを必要とします。

 

エネルギーがあるから筋肉を動かせ、体温を保つことができ、遺伝子を複製して細胞分裂ができる。

 

このエネルギーの分子がATP(アデノシン三リン酸)です。

 

理科でも習いましたよね?

 

このATPを造る過程をATPサイクルと言います。

 

ATPサイクルを回すことによって生きるためのエネルギーを産生している

 

膨大な量のATPが必要なのですが、それを作るために私たちは栄養素を摂って、それを体のなかでエネルギーに変換しているわけです。

 

エネルギーを作っている工場はどこにあるのかというと、細胞の中のミトコンドリアという器官。

 

解糖系→クエン酸回路→電子伝達系を経てATPが作られるのですが、この過程には様々なビタミンやミネラル、微量元素が関わっています。

 

これら無いと次に進めない。

 

解糖系で働くビタミン・ミネラルが

 

・ビタミンB6

・マグネシウム

・ナイアシン

・カリウム

 

ビタミンB6は糖質の活用で必要です。

 

体の中でブドウ糖を使い切ってしまった時に、もう一度ブドウ糖を作り直すのを支えるのがALTという酵素なのですが、このALTのサポートをしているのがビタミンB6

 

だからビタミンB6がないと、グリコーゲンからグルコースを切り出せない。

 

例えて言うと銀行口座にお金はたっぷり入っているのに、ATMで現金を引き出せない状態ですかね。

 

 

マグネシウムは解糖系の中の様々な反応に必要なので、これがないとATPが作れないのはもちろんのこと、ATPからエネルギーを引き出せません。

 

 

ナイアシンは必要な場所に電子や水素を配達する欠かせない存在。

 

例えて言うならあちこちで働く物流を担っている大切なもの。

 

 

カリウムは酵素の立体構造を安定させます。

 

 

そして解糖系からクエン酸回路に入る下ごしらえに必要なのがビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、α-リポ酸、マグネシウム。

 

 

クエン酸回路で必要なビタミン・ミネラルが

 

・ビタミンB1

・ビタミンB2

・ナイアシン

・パントテン酸

・マグネシウム

・α-リポ酸

・鉄

・硫黄

・カルシウム

・ビタミンC

 

カルシウムクエン酸回路のアクセルのようなもの。

 

カルシウムが入るとクエン酸回路が活性化してエネルギーがたくさん生まれます。

 

このクエン酸回路はミトコンドリアのマトリックスの中にあって、電子伝達系からボロボロと活性酸素が出てくるんです。

 

活性酸素が出てくると酵素が壊れてしまう汗

 

その活性酸素を消去するのにビタミンCが使われます。

 

クエン酸回路ではビタミンCはとっても大事なんです。

 

 

そして最後の電子伝達系

 

この電子伝達系を構成するタンパク質には全部、が必要なんです。

 

鉄がないと電子伝達系を構成できません。

 

だから鉄不足だとエネルギーを十分に作れない。

 

若い女性で貧血があって元気がない人はエネルギー不足という理由が分かりますね。

 

そしてこの電子伝達系の困った点があるんです。

 

電子に酸素を与えて水を発生するという工程が存在してしまっているので宿命的に活性酸素が生まれてしまうあせる

 

・酸素分子に紫外線が当たると「一重項酸素」という活性酸素が生まれます。これは皮膚にダメージを与える。これをキャンセルしてくれるのがビタミンCビタミンE。日焼けにビタミンCという理由がここにあります。

 

・酸素分子に1つ電子が与えられると「スーパーオキシド陰イオン」という活性酸素が生まれます。これを分解して酸素分子に戻してくれるのがSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)。この反応には銅、亜鉛、マンガンが必要です。

 

・酸素分子に2つ電子が与えられると「過酸化水素」という活性酸素が生まれます。これを酸素分子と水分子に分解するのがカタラーゼなのですがこれが働くにはが必要で、水分子に分解するのがグルタチオンペルオキシダーゼなのですが、これにはセレンが必要です。

 

・酸素分子に3つ電子が与えられると「ヒドロキシラジカル」という最も有毒な活性酸素(ROS)が生まれます。残念ながらこれに対抗する酵素がありません。これを無毒化するのにグルタチオン、ビタミンE、尿酸、水素分子などが役立ちます。私が日頃から「水素ガス吸入は悪玉の活性酸素を選択的に消去する」と言っている根拠がここにあります。

 

 

こういった電子伝達ができるのはミトコンドリアの内膜(中にあるクネクネした膜)がとんでもない絶縁性を持っているから。

 

このミトコンドリアの内膜を構成しているのがカルジオリピンというリン脂質

 

このカルジオリピン、なんと脂肪酸部分がリノール酸なんですポーン

 

えっ!?

オメガ6系の油はダメだからオメガ3系にしましょうって言ってなかったっけ??

 

と頭の中が混乱しました。

 

オメガ6系のリノール酸がミトコンドリアの性能を支えるのに大事な存在なんですびっくり

 

だからリノール酸も摂らなくてはいけないのですが、活性酸素を消去するための「抗酸化物質」をしっかりと一緒に摂る必要があるということ上差し

 

 

まとめると電子伝達系で必要なビタミン・ミネラルは

 

・鉄

・銅

・硫黄

・マグネシウム

・マンガン

・セレン

・ビタミンC

・ビタミンE

・リノール酸

 

 

最後にまとめます。

 

解糖系→クエン酸回路→電子伝達系がちゃんと機能するのに必要な栄養素は以下の通り。

 

青字はミトコンドリアで必要なものです。

 

  ビタミン

 

脂溶性ビタミン

・ビタミンA

・ビタミンD

・ビタミンE

・ビタミンK

 

水溶性ビタミン

・ビタミンB1

・ビタミンB2

・ビタミンB6

・ビタミンB12

・ナイアシン

・パントテン酸

・葉酸

・ビオチン

・ビタミンC

 

 

  ミネラル

 

多量ミネラル

・カルシウム

・リン

・硫黄

・カリウム

・マグネシウム

・塩素

・ナトリウム

 

微量ミネラル

・鉄

・亜鉛

・マンガン

・銅

・セレン

・ヨウ素

・モリブデン

・クロム

・コバルト

 

 

以上の栄養素の中で20代の女性に不足しているものが

 

・ビタミンB1

・ビタミンB2

・ビタミンB6

・ビタミンC

・ビタミンD

・マグネシウム

・鉄

 

です。

 

20代女性で貧血があって体調がすぐれない人はこれらの栄養素が不足している可能性が高い。

 

また一生懸命、不妊治療をしている女性も葉酸サプリだけ摂って、他の栄養素は不足状態。

 

これじゃあエネルギーを作れないし元気も出ない、子どももできにくい。

 

 

年代関係なくサプリを摂っている人が多いですが、1つの栄養素だけ補っても健康になれません。

 

あれもこれも不足している人が多いので、たくさんの種類のサプリを買い足すよりも「マルチビタミン&ミネラル」という商品をベースにされると良いでしょう。

 

市販の商品でも安価で販売されているものも多いです。

 

ただし中身を必ず確かめてください。

 

酸化チタン、二酸化チタン、カラメル色素などの有害な添加物が入っていないか、日本人が足りていると思われるヨウ素が入っていないか、チェックしましょう。

 

服用しても体調が良くならない時は、そのサプリの栄養素の含有量が少ないかもしれません。

 

医療機関専用のサプリと含有量を比べてみて下さい。

 

こちらが医療機関専用のマルチビタミン&ミネラルの成分含有量です↓

 

マルチビタミン&ミネラルの配合一覧

サプリメントの栄養成分表

 

しかも水溶性の栄養素と、脂溶性の栄養素と別々に作られています。

 

脂溶性の栄養素は食事の後に摂ると吸収が良いです。

 

この配合量と比べると市販品は一桁少ないことが多く、「飲んでも飲まなくても何もかわらない」という結果に繋がりがち。

 

また有害な添加物入りのサプリも普通に販売されていますので、中身をしっかりチェックしましょう。

 

 

以上、私が患者さんから「健康のためにサプリを摂りたいんですけど、どれを飲んだらいいですか?」と尋ねられた時に「マルチビタミン&ミネラル」と答える理由を解説しました。

 

 

とても難しい内容ですが、要するにエネルギーを作るのにこれだけの回路が絶え間なく回っていて生命活動を維持しているということ。

 

すごいなぁと感動しました。

 

この回路がスムーズに回るようにしっかりと必要な栄養素や油を摂らないといけませんねウインク

 

食事から摂取できる栄養素では不足する時にサプリメントは便利です。

 

上手に取り入れると良いでしょう。

 

 

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