大学入試共通テストを目前に控え、改めてこの3年間の受験準備を振り返ると、当初はデメリットだと思っていた予備校の環境が、今や娘の最も強力な武器になっていることを痛感する。
娘が通う予備校は線路沿いに位置し、常に電車の走行音や街の喧騒が響く場所だ。
3年前、静かな環境こそが最良だと信じていた私にとって、その騒音は予備校選びをするにあたり、大きな不安要素だった。
責任者の「本番に動じない集中力を養う」という言葉を信じて通わせ続けた結果、娘は一度も「騒音で模試の集中が乱れた」と訴えることがなかった。
この「騒音慣れ」の効果は、直近の模試でも証明されたように思う。
「英語のリスニング音声が聞き取りにくい」
「音が悪すぎて解けなかった」
と不満を書き込んでいた。
だが、うちの娘は「聞き取りにくかったけど、致命的になるほどではなかった」と言っていた。
共通テスト(センター試験時代から)は、あえてクリアではない音質や、周囲の環境音をわずかに含んだ音源を使用していることがあるそうだ。
「完璧に設計された音源を正確に聞き取る」ことを目的としているのではなく、「ノイズや不明瞭さを含む現実の音声から、必要な情報を効率よく処理できるか」という 実用的なスキルを評価するために設計されているからだ。
「音が聞こえない!どうしよう!」とパニックになり、情報処理能力が低下することは致命的だ。
受験生、全員が同条件のなかで動じない力が試される。
環境騒音も受験生のメンタルに影響する。
共通テストの試験会場の下見で周囲の工事や騒音などの状況は確認ポイントのひとつではあるが、回避できないのは現実。
当日の騒音を理由に負けることは出来ない。
試験監督の歩く音、咳払い。
他の受験生が筆記具を置く音、咳、鼻をすする音。机や椅子のきしむ音。
挙げたらきりがない。
本番では、誰もが予期せぬ突発的な騒音に集中力を乱されがちだ。
親として静寂を追求するよりも、日々、予備校で実戦的な集中力を養う環境を選んだことは正解だったと感じている。


