私が住む隣の家には、
老夫婦が住んでおり、結婚して家を出た娘と、独身の息子がいると聞いている。
おそらく親の年齢から推測するに、40代くらいの息子だと思う。
しかし、その息子の存在については不思議なことが多く、
誰も、その姿を見たことがない。
マダムですら
「中学生くらいまではみかけましたのん。
高校くらいから引きこもっているとか。
ほとんどおしゃべりしない、静かなお子さんでしたわ」
程度。
さらに、老夫婦も息子のことをほとんど話題にしないようにしていて、
娘の話しはするが、息子については言葉を濁す。
家の中から聞こえてくる物音や、
曇りガラスに映る人影は
老夫婦ではなさそうな様子。
一部屋だけ、雨戸が一日中閉めきられている部屋があり
おそらくそこに息子がいるのか。
毎朝、隣家の母親は5時半には起きていて
昔ながらの日の当たらない方角にある
台所に立っている姿が見える。
今朝、引っ越してきて初!!
母親の背後から冷蔵庫のものを取ろうとする
息子と思われる男性の姿を見た。
完全に見えたわけではないが
明らかに社会人生活とは程遠い様子。
いる。とは聞いていたが
初めてその存在を知るとなんともゾワゾワする。
(続きます)