- 会いたかった人/小池 真理子
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小池真理子さんの短編セレクション第一巻です。全部で六巻まであります。小池真理子さんの作品は、直木賞をとった「恋」や「無伴奏」など数冊読んでいましたが、短編は初めてでした。きっかけは現在妊娠中の友人Nの「小池真理子の短編が面白い!」という一言。早速図書館へGO!運良く一巻から全て棚に揃っておりました。第一巻には、表題作の「会いたかった人」の他、「倒錯の庭」、「災厄の犬」の全3篇が収められています。
作品はどれも面白かったのですが、トッコが最も興味深かったのは、本の最後に載っていた小池真理子さん自身が書かれた巻末エッセイ「美をはらむ異常」です。このエッセイによると小池さんは子供の頃から「こわい話」「異様な話」が大好きだったとか。さすがです!やはり作家になるような方は、子供時代から他と感性が違うのですね。ただ、ここで言う「こわい話」「異様な話」は単に不気味で薄気味悪い話ではなく、美を伴うものだというところがみそですね。こわい話と美しさ。一見マッチしないように思いますが、小池さん自身も例に挙げておられた谷崎潤一郎や三島由紀夫の世界、異様で病的な世界の中にその作家独特の美意識が盛り込まれている、そんな雰囲気を思い浮かべるとわかりやすいですね。そして、こわさと美を念頭において作品を読むとまた違った楽しみ方ができるのです。
この巻でトッコが最も気に入っている作品は、「倒錯の庭」です。ミステリーとして見ると、結末はある程度予測できるし、凝った細工など全然ないのですが、全体を漂う妖しい雰囲気が最高です。山梨の美しい自然、庭を舞台に、ハンサムな若者竹彦が孤独なバツイチ女性るい子(正確に言うと別居中)に向ける異様な愛の形。美しいであろうはずの庭に狂気が漂っている、そんな雰囲気が伝わってくるのです。恐ろしいほどの美しさ、そんな風景が想像できるという点において、「美をはらむ異常」というテーマに合致した作品になるのでしょうか?小池さん自身もかなりお気に入りの作品だとか?
「災厄の犬」も面白かったです。話の途中まではある程度結末が予測できて分かりやすい話だな~と思いながら読み進んでいったのですが、、、、結末の意外さ、そして不思議さという点で秀でていました。決して後味のよい作品ではありませんが、それでも強く印象に残るものでした。
トッコは美しいものが大好きです。はっきり言って「美」という言葉にめっぽう弱い。そして「美」は楽しいものだと思っていました。しかし、「恐ろしい美」というものがあるのですね~小池さん作品を読んで「美」に対する認識を新たにすることができました。それにしても、友人Nは妊娠中にこんなこわい話ばかり読んでしまって大丈夫なのだろうか???お腹の子供はきっと第二の小池真理子ばりの鋭い感性の持ち主になるかもしれないですね~(´0ノ`*)