- カリスマ(上)/新堂 冬樹

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- カリスマ(下)/新堂 冬樹

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久々の更新です。上下で約1000ページ近い大作である本作品を読んでいて、しばらくブログを見ていませんでした(^_^;)新堂冬樹さん作品、これで4作目です。以前読んだ「黒い太陽」や「闇の貴族」ほど衝撃的でなかったのは、やはりテーマがカルト教団という、イマイチ新鮮味に欠けるものだったからでしょうか?10年ほど前に社会を震撼させたオウム真理教や統一教会などが話題になった頃には、カルト教団をテーマにした小説が流行ったようなのですが、「カリスマ」はそれよりもやや遅い2001年に発表された作品です。もう少し早く読んでいたらもっと違った感想になったかもしれません。ストーリーとしては面白かったですが、結末の二転三転する展開はちょっと納得いかなかったです。黒幕が彼だったなんて、、、、、サプライズというより唐突すぎて受け入れ難い印象です。下巻の中盤くらいまでは、物語の主要人物たちの生い立ちやら心理描写やらをものすごく詳細に掘り下げていて、展開がゆっっくりだったのに、終盤になって急に展開がスピーディーになってきて、バランス的にイマイチでした。ただ、結末が気になって後半は一気に読めましたけど。教団の教祖である神郷のあまりの俗物ぶり、その描き方には思わず笑ってしまうようなおかしさもありましたが、実際の教祖像ってあんなものなんでしょうかね~。オウム真理教の教祖だって、嘘つき、金の亡者、性欲の塊、みたいなもんでしたが、教祖自らそれを自覚していた確信犯だったとして、あんなに多くの盲目の教徒を集めることができるのだろうか????不思議です。自分が信じていないことを他人に話して、それを心から信用してもらえるって、究極の詐欺師?やはり洗脳のノウハウって相当なものがあるってことでしょうか。
ストーリーとは関係ないのですが、この作品では、結構難しい漢字が使われています。漲る(みなぎる)、夥しい(おびただしい)、擲つ(なげうつ)、谺する(こだまする)、劈く(つんざく)、蠢く(うごめく)、、、などなど。前後の文脈でわかるけど、知らなかった漢字がいっぱいでした。(単に私が教養なしなだけ?)また、嗤う(わらう)と笑う、赦し(ゆるし)と許し、などの使い分けで雰囲気を伝えている点など、「なるほど~」と思わず唸ってしまいました。
それにしても、新堂さんの人物描写は、ホント容赦ないですね。特にダメ男の描き方は半端じゃないです。この作品では、城山信康がその代表格ですが、救いようがないない描き方です。冴えない容姿、足りない頭、少ない月給、小心者、臆病者、見栄っ張り、卑屈な考え方、嘘つき、異常なまでの嫉妬深さ、などなど長所は一つもない、短所のオンパレードです。そしてそれらを裏付ける情けないエピソードの数々、、、、これでもかというくらい苛めぬきます。この辺りが、彼の作品の読後感の悪さにつながる要因かと。面白いんだけど、すっきりはしない。何か物に思いっきり八つ当たりしたくなるような、中途半端ないらいら感。けど、それが結構病みつきになる要素だったりして、私も意外とサディスティックな面があるのかしらん???もうしばらく、新堂さんの作品を読み続ける予定です。