こんにちは 柴田です。
僕は、2011年8月に成人T細胞白血病(ATL)の記事を書きました。
僕と顧問契約を結んでいたママのことをご紹介したのです。
この病気の為に、おっぱいがでるのにあげられないという苦痛に毎日襲われているというママの叫びでした。
この「不治の病」といわれていたATLですが、新しい治療法が見つかったようです。
エイズ治療薬が「白血病」に効果 京大チーム解明、3年後実用化目指す
エイズの治療薬として臨床で広く使用されている抗ウイルス薬「アバカビル」が「成人T細胞白血病(ATL)」と呼ばれる血液のがんの一種に効果があることを、京都大大学院医学研究科の高折晃史教授らのチームが明らかにした。
医師主導の治験を行い、3~4年後にも実用化したいという。米科学誌の電子版に25日掲載される。
既存の薬を別の病気の治療に活用する手法は「ドラッグ・リポジショニング」と呼ばれる。
すでに臨床で使用されている薬剤は安全性や副作用が検証されているため、新しく薬剤を開発するよりも費用や期間を抑えることができるとして、注目されている。
高折教授らは、ATLの細胞にアバカビルを投与。強力な抗がん作用があることを発見した。
さらに詳しく調べたところ、ATLの細胞はDNAを修復する機能が損なわれており、アバカビルによって染色体の断裂が起こって細胞死に至ることを解明。
正常な細胞は、DNA修復機能を持つため支障がないという。
ATLはウイルスによって起こるがんで、既存の化学療法を施しても患者の約80%が3年以内に死亡するなど、予後が悪い。
ウイルスの感染者は国内に約100万人いるとされ、年間800~1200人が新たに発症するという。
今秋にも治験をスタートし、2年間で約20人の患者に投与する。
高折教授は「ほかのがんにも効く可能性があり、研究を進めたい」と話している。
by:産経新聞20154/25
成人T細胞白血病とは、どのような病気なのか。厚生労働省のHPから引用させて頂きます。
1)ATLとHTLV-I の基本的知識について
Q:ATL、HTLV-I とは?
A:ATLは成人T細胞白血病(Adult T cell Leukemia)の略称で、白血病だけでなく、リンパ腫(Lymphoma)の形をとることもあるため,ATLL(成人T細胞白血病・リンパ腫)と呼ぶこともあります。
HTLV-I (human T-cell leukemia virus type I)はATLをおこすウイルスの名前です。
HTLV-I は他にHAM(HTLV-I関連脊髄症)等のHTLV-I 関連疾患を引きおこすこともあります。
ただし、ATLやHAMを発症するのは感染者のごく一部であり、またすぐに発症するわけでもありません。
Q:HTLV-I の感染経路は?
A:HTLV-I の主な感染経路は、主に母親から子供への母乳を介した母子感染です。
その他性行為による男性から女性への感染があることが知られています。キスや唾液でうつることは、まずありません。
また輸血による感染も検査を行っていますので、現在では感染の心配はありません。
Q:キャリアとは?
A:HTLV-I を持っていて、ATLやHAMなどの病気を発病していない人をHTLV-I のキャリアと呼びます。HTLV-I に感染するとウイルスは一生体の中にとどまり、持続感染状態となります。
Q:キャリアだと言われました。どうしたらよいでしょうか?
A:今のところATLやHAMの発症を予防する方法はありません。
また、特別な健康管理の方法も現在のところありません。
しかし、母子感染については、母乳による感染が最も関与していると指摘されていることから、かなりの場合「親の意志」で予防できます。
生まれてくる自分の子どもにできるだけウイルスをうつさないように、栄養方法を選んでいただきたいと思います。
Q:キャリアからのATL発症率は?
A:キャリアからのATL発症は40 歳を越えるまではほとんどありません。40 歳を過ぎると年間キャリア1,000 人に1人の割合で発症します。生涯発症率は約5%と言われています。
Q:予防接種はありませんか?
A:感染を防ぐために有効な予防接種は今のところ開発されていません。すでに感染した人に有効な手段もありません。
Q:ATLの治療は?
A:白血病の治療を行いますが、ATLの治療は白血病の中でも難しい部類に入ります。
3)母子感染と児の栄養方法について
Q:母乳を与えなければ、HTLV-I の母子感染は防げますか?
A:母乳を与えなければ母子感染率を約1/6に減少することができます。しかし、人工栄養を行った場合でも約 2-3%程度感染がおこります。残念ながらこの原因は明らかになっていません。
Q:免疫が心配なので、初乳だけでも与えることはできませんか?
A:3ヶ月以内短期母乳保育での母子感染率は厚生労働科研研究班のデータでは1.9%ですが、初乳のみのデータはありません。
少なくともこれ以上になることはないと思います。免疫のみの心配であれば冷凍母乳にする方法もあります。
Q:短期母乳の期間とその安全性は?
A:短期母乳の目安は3ヶ月としています。その理由は、3ヶ月までの母乳哺育での感染率は1.9%でしたが、4ヶ月以上の母乳哺育での感染率は17.7%に増加するためです。
しかし、そのメカニズムについては今のところ解明されておらず、十分な症例数でないため学問的には推奨できる予防法ではありません。
様々な理由で母乳を選択せざるを得ない場合でも、できるだけ感染率が低い方法を考える必要があります。
Q:冷凍母乳による母子感染の予防方法は?
A:母乳を24時間冷凍し(家庭用冷蔵庫で可)、解凍後37℃に温めて哺乳瓶で投与する方法でも母子感染予防は可能であることがこれまでの研究から示唆されています。
母乳中に含まれる免疫物質を赤ちゃんに投与できる利点がありますが、直接授乳できないことは人工栄養と同じという欠点もあります。
十分な症例数ではないため学問的に推奨できる予防法ではありませんが、未熟児などの特殊な場合で、母乳も与えたいが感染もできるだけさせたくない時の選択肢になります。
おっぱいが欲しくて泣いている赤ちゃんを抱きながら、おっぱいから母乳も出ているのにあげられない。
本当に辛い毎日です。
一日も早く、この治療法が承認されることを願って止みません。
