自閉症の妹との日常を撮った映画「ちづる」が29日から、全国の映画館で上映される
立教大学に在学していた赤崎正和さん(23)の卒業制作が反響を呼び、異例の劇場公開となった
障害のある妹と生きていく不安や葛藤を素直に描いた作品は、同じ境遇になるきょうだいたちの心を繋いでいる
赤崎さんが横浜市の実家で一年間カメラを回し続けたのは自分自身のためだった
「友達にずっと妹のことを言えず、人間関係の壁になっていた。そんな自分を変えられるかもしれない」
一月、大学であった試写会も内輪向けだった
しかし、映画の存在を知った障害者の家族から
「どこで見られるのか」
「監督に会いたい」
と電話や手紙が相次いで寄せられた
きょうだいに障害者がいる人は、親の関心が手のかかるきょうだいに向いたり、自分やきょうだいの将来に不安を抱いたりと、幼い頃から葛藤を抱えることが少なくない
赤崎さんと大学で4年間一緒だった友人は「ちづる」を見て、
「どうしても話しておきたかった」
と、瞳を潤ませながら初めて兄の障害を打ち明けた
…中略…
自閉症特有のこだわりや母親が叱ってもみ合うシーンもあるが、妹のギャグで吹き出す自分の笑い声も残した
理不尽な障害者差別への怒りを撮ろうと気張っていたのに、出来上がったのは、クスリと笑える家族の物語だった
公開に先立ち、立教大の学生らが宣伝を一手に担っている
その1人、4年生の田中雅史さん(22)の姉には知的障害がある
「理想は『カミングアウト』の必要もない社会
『うちの母ちゃん、更年期でさあ』
と同じくらい自然に
『姉ちゃん、知的障害があるんだけど』
って言える社会になって欲しい」
と話す
…後略…
■朝日新聞 10月21日朝刊の記事より転載
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