おはようございます。

 

日本だとすごいことに思えるニュースも、この国では誰もニュースにもせず、メディアも全く取り上げたなかった、というからすごい。

 

それは何かというと、先日ベルギーで新しい内閣が発足したのですが、副首相兼大臣にトランスジェンダーの女性が選ばれたのです。

 

トランスジェンダー女性とは、男の子として生まれ育ったが、自分は女性であると自認する人のことです。

トランスジェンダー男性は、その逆の人です。

心と体の性が一致しないため「性同一性障害」と呼ばれたりする、性的マイノリティの一つです。

 

というか、この内閣の顔ぶれ自体が我が日本とはずいぶん違います。

 

男女半々で、若手が多数。

 

その中にイラク難民の2世がいたり、トランスジェンダー女性がいたりと、まさに多様性を絵に描いたような顔ぶれ。

 

トランスジェンダー女性の入閣に、私もおおーっとなりましたし、外国メディアももちろんそのことについて騒ぎたてました。

 

でも、当のベルギーでは話題にも上らないという。

 

それはなぜなのか?

 

 

 

ベルギーでは、総選挙後、今回の内閣が成立するまで実に651日を要しています。

 

信じられないかもしれませんが、選挙後約2年間もの間、新しい内閣を作れなかったのです。

 

そしてこういう事態は初めてではありません。

 

それはどうしてかというと、ベルギーという国はもともと、ゲルマン系民族とラテン系民族から成っており、この2つの民族の考え方が極端に違うため国が二分されているとも言われています。

 

その上公用語も3つあり、これまでの間、移民や外国人をたくさん受け入れてきました。

 

政治の分野でいうと、政党にしても二大政党どころか我が国の自民党のような多数派政党すらない状態。

 

なので、総選挙の後には各党が他党と連立を組むための調整に時間がかかり、毎回気の遠くなるような時間がかかるのがベルギーという国なのです。

 

今回は651日でしたが、2010年には541日かかっています。

 

内閣がすぐに発足しなくても、前首相と前政府がその間引き続き職務を果たすので特に政治的空白は生まれませんが、それにしても我が国、いや世界から見ても信じられない国なんです。

 

そんな国なので、小さい国なのにとにかく「多様性」ということにかけては半端ない。

 

そして、性的少数者が「普通」に生きられる国としても有名な国です。

 

オランダに次いで世界で2番目に同性婚が合法化され、前首相もゲイであることをカミングアウトしています。

 

ベルギー在住の日本人の人によると、ベルギーに住んでいると、あまりにも当たり前にLGBTに出会うと言います。

 

ある日、学校から帰ってきた高校生の娘さんが、友達の男の子がゲイであることをカミングアウトしてくれたので、みんなでお祝いする、と、レインボー色のケーキを焼いたそう。

 

高校生が自分の性的指向を宣言し、周りの友達がそれを自然に祝う。

 

こんな社会があるんですね・・・

 

ベルギーでは、身近にLGBTとして普通に生きている人が多く、人々にとっては、「左利き」とか「ピアスしてる」のと同じような個人の特徴みたいな感覚なんだそうです。

 

つまり、今では、自分の子どもが同性愛者だとカミングアウトしても、同性の恋人を連れてきても、もう誰も動じなくなっているんだそうです。

 

とはいえ同性愛者はごく普通になったけれど、トランスジェンダーとなるとまだ少ないんだそう。

 

なのに、今回トランスジェンダー女性が副首相になっても全く騒がれなかったのは、

 

この方がこれまで「政治家としていろんなことを成し遂げて来た適任者」だからであって、「トランスジェンダーで素晴らしい政治家」であるからではなかったからです。

 

つまり、ベルギー国内においては、「トランスジェンダー」というのは、この方が持つ、それこそ「左利き」というような個性に過ぎなかった、ということ。

 

今回の新首相も、

 

「なぜトランス女性を大臣に選んだのかって、ベルギー国内ではこんな質問を全く受けないことを誇りに思います。これが、フランスだったら、他の国だったら、国をあげて大騒ぎになっていたでしょうから」

 

とインタビューに答えています。

 

まさに、「誰も騒がない」ということこそが、多様性を体現するということなんだと思いました。

 

騒ぐ、ということは、まだ珍しいということだし、「普通」ではないということだから。

 

「初の女性●●」などと言われたり、「LBGT」などと言った言葉が特別視されなくなって初めて、多様性が実現されていることを実感できるんだろうなと、遠い未来に思いを馳せています。

 

いつか日本もそんな時代が来るんだろうか・・・ぜひ来てほしいなと。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございました。

 

 

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