おはようございます。
ずっと見たかったドキュメンタリー映画がありまして、やっと見ることができました。
テイラー・スウィフトのドキュメンタリーで「ミス・アメリカーナ」。
テイラー・スウィフトは1989年生まれのアメリカのシンガーソングライターで、すべての曲を作詞・作曲する歌手。
今はポップスターの印象が強い、というか、もうそっちの呼び名の方がしっくりくるんですが、元々は「カントリーミュージック」の出身。
育ったのも南部のテネシー州で、12歳の頃からカントリーの曲を作詞作曲していました。
カントリーミュージックって日本の演歌みたいな感じなんです。かなり保守的な男女観が根底にあるような音楽。
やがて16歳頃カントリー歌手としてデビューするんですが、彼女も最初はそんな感じの曲を作っていました。
このドキュメンタリーでまずすごく印象に残るのが、彼女が
「ずっと目指してたのは、いい子(good girl)でいることだった」
と言ったことでした。そしてこういいます。
「子どもの頃から今まで、『いい人』と思われることが私の信念だった。そのことばかり日記に書いてる。正しいことをしよう、良いことをしようと」
「すごいよテイラー。いい曲ができたね。そんな言葉が生きがいだった。認められて幸せ。それが全てだった」
つまり、彼女は常に「人に認めてもらうこと」ことが彼女の生き方だったと言っているのです。
それがすべてだったと。
しかし、曲が売れ、評価され出すに従って、よく思わない人も増える。
アメリカンミュージックアワードという、日本でいうレコード大賞みたいな感じの賞があるんですが、そこで受賞してスピーチをしていた時、ある有名男性ラッパーに勝手にマイクを奪われ、「他の人の方がその賞に相応しい」と言われてしまう。
その時の映像もこのドキュメンタリーにはあるのですが、本当に酷い場面でした。
でもそれでも彼女は、「角を立てずに賛同される」姿勢を貫こうとするのです。
とはいえその出来事は「記憶から消さない出来事」と語っています。
そしてその後、才能が開花しどんどん曲が売れ、スターの道を駆け上がって行くのですが、それと共にバッシングも大きくなっていく。まさに、何をやっても叩かれるようになっていきます。
そしてある時、有名DJと写真を撮った時にセクハラを受けるのですが、被害を受けて2年後に裁判に訴えます。
それも叩かれます。「なぜ今なんだ?」と。
性的な被害というのは、その事実を受け容れるまで、そして公にしようと思うまで時間もかかりとても勇気が要ることです。
2年という時間がかかっても不思議ではないのですが、それでも世間はそのことをもバッシングするのです。
やがて、ひどいバッシングに傷つき、1年ほど表舞台から姿を消します。
こういう出来事が一つ一つ彼女にとって変化のきっかけとなって行きます。
「いい子でいること」について疑問が出て来て・・・それは、彼女の変化は曲の詞ですごくよくわかります。
この人って自分にあったことをすべて歌詞にしちゃう人なんで、その変化がすごい。
でも、セクハラ被害を受けたことが大きなきっかけになったんですね。
女性である自分の立場の弱さ、被害を受けていても、傷つかなければならないことへの憤り。
そしてさらに火がついたのが、彼女の地元のテネシー州での選挙でした。
自身も女性でありながらDVやストーカーなどの暴力を規制する法案に反対し、同性婚にも反対の姿勢を示す超保守派の議員が上院議員の選挙に出馬するということを知ったことです。
これを機に、黙って見ていることができなくなった、と。
「口に貼ってたテープを剥がす時がきた。ピンク色の服を着て、政治について語りたい」
と。
そしてその後、正式に民主党を支持するという政治的な発言をするに至ります。
それまでは、「政治に無関心なポップスター」と言われ、政治的な発言を避けてきたテイラー・スウィフト。
「いい子は意見を押し付けない。笑顔で手を振ってお礼を言う。政治の話で人を困らせてはいけない。でも、もう我慢の限界だった」
他人の評価がすべてだった女の子が、いろんな出来事を経て「いい子」でいることをやめようと決める、その姿は多くのことを私たちに訴えます。
辛いことが起きても何かに逃避することもなく、自分の内面を見つめ、心の内側から生まれ出る言葉を曲にしてきたテイラー。
それによって本当の自分の感情や気持ちに気づき、本当の自分が表現したいものとは?自分はどうありたいのか?ということに気づいて行く。
そして勇気を持って、今までの自分をブレイクして行く。「いい子」でいることをやめていくのです。
30歳になった彼女が、「今やっと自分の年齢に追いついた」と言った言葉が印象的でした。
悩みや葛藤は決して人の成長を止めません、というか、それこそが人を成長させる。
そして、本当の「強さ」とはどういうことなのか?ということも教えてくれる素敵なドキュメンタリーでした。
本日もお読みいただきありがとうございました。

