エフ・クラージュ 川崎由美子です。
日々、コロナウィルスの暗いニュースばかりが紙面やネットに占められる日々ですが、非常に興味深い、というか、とても驚いた内容の記事を日経新聞で見つけました。
コロナ関連のニュースでよく出て来る、アメリカのジョンズ・ホプキンス大という大学があります。
この大学は感染症研究で有名なところなのですが、そのジョンズ・ホプキンス大が、今起きているコロナウィルスのパンデミックを、2年も前に予想し、警鐘を鳴らす報告書を出していたのです。
しかし、その内容は世界で十分に生かされることなく、対策は後手に回り、結果、全世界での大流行を許してしまいました。
「呼吸器系に感染して広がるウィルスで、症状が軽いのに感染力があるものが特に危ない。コロナウィルスなどに注意を」
ジョンズ・ホプキンス大が2018年にまとめた報告書「パンデミック病原体の特徴」は、こんなふうに呼びかけていたそうです。
そして具体的には8つの勧告が盛り込まれていました。
RNA(リボ核酸)を持つウィルス、今回のコロナウィルスもそうなのですが、RNAウィルスはパンデミックを起こしやすいと説明。
特に呼吸器系に感染するものが世界で壊滅的被害をもたらす恐れがあり、様々なタイプのワクチンや抗ウィルス薬の開発を重点的に進めるべきだと勧告しています。
技術の進歩や経済の発展に伴い、人やモノの国境を越えた移動がとても活発になりました。
ひとたびどこかで感染が起きれば、瞬く間に広い範囲に広がってしまうのは自明の理です。
これまで、気管や肺でウィルスが増え飛沫感染や接触感染でうつる呼吸器系の感染症の対策はほとんどインフルエンザに集中してきました。
またこれまでにSARSやMERSといった呼吸器症候群も流行りましたが、ここまでの広がりはありませんでした。
なので、ワクチンも開発されましたが実用化されずに終わりました。
そして今、「生存戦略として非常に賢い」と専門家が舌を巻く新型コロナウィルスが登場してしまいました。
ステルス兵器のように見えにくく、人をすぐには殺さず、気管などで増えて行く。ほとんど症状が出ない患者たちが感染を拡大させる。ーー日経新聞より
まさにその通りの動きをし、驚くべきスピードで広がり続けている。本当に賢いウィルスです。
感染した人をすぐに殺してしまっては拡散できないので、症状を軽くして、どんどん拡げてもらおう、そんな”戦略”を感じます。
でも実は2年前にこんな報告書が出されていた。すでに「予言」されていたのです。
しかし、WHOもこの報告を見過ごしたのか軽視したのか、今となってはわかりません。
結果としてどの国も対策を取らず、また製薬会社も一過性の感染症の薬への投資は魅力的ではない、ということで、官民そろって対策が行われることはありませんでした。
私もそうでしたが、誰しも最初は甘く見ていたと思います。
コロナウィルスは普通の風邪のウィルスもそうだから、それのちょっと変異した程度のウィルスで、すぐに終息するだろうと。
とにかく政治家も一般人も、こんなに”賢い”ウィルスだとは思いもしなかった。
しかしここまで拡がり続けている今となっては、とにかく一人一人が、自分は感染者にならない、拡げる人にならない、という自覚を持つこと、
そして、世界の国々が協力し合って、感染を食い止める対策を打つしかないと思います。
どこかの国に忖度して緊急事態宣言を出すのが遅すぎたWHOの存在意義への疑問もありますし、
発生源の責任のなすりつけ合いみたいなことを、大国同士が行うべき状況ではないし、
渡航制限されたからと報復で渡航制限し返す、とかやっている場合でもありません。
忖度やいがみ合いなんてやっている場合ではない。
何もかもグローバル化が進んだ今、感染症もあっという間にグローバルに広がってしまう。
そして医療崩壊が起き、どんどん人が死んでいく。
この状況を見れば、国内での対策だけでなく、WHOが中心となって、世界の国々で協調して対策に取り組む必要があるのも自明のことです。
まだまだ拡がり続けているので、まったく予断は許しませんが、今後またパンデミックを起こす新しいウィルスが発生する可能性は大いにあると思います。
その時のためにも、今回のこのウィルスとの闘いで得られる知見やデータ、有効な手段を世界で共有し、決していがみ合いや外交、政治の道具にだけはしてほしくない、そう心から願います。
そして一日でも早い終息を願うばかりです。
本日もお読みいただきありがとうございました。
エフ・クラージュ
川崎 由美子

