
ファーストリテイリングの柳井正社長は、28日放送のBBCインタビューでユニクロが新疆産の綿花を使っているかとの質問に、「それは使っていませんし、どこの綿っていうことを言ったとしても……まあこれ以上言うと政治的になるんでやめましょう」と答えた。
これを受けて中国のソーシャルメディアでは、ユニクロのボイコットを呼びかける声が上がっている。新疆綿をめぐっては、新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグルが強制労働をさせられているとの疑惑があるため、物議を醸している。中国政府は、強制労働などの疑いを、一貫して否定している。
柳井社長のコメントを受け、中国のソーシャルメディア「微博(Weibo)」では、ユニクロのボイコットを呼びかける声が上がっている。関連ハッシュタグ「ユニクロ創業者の発言に関する論争」には数百万人が反応した。
トレンド入りしているハッシュタグには、「新疆綿は世界一」、「新疆綿を支持する」、「ユニクロの中国業績低迷」などが含まれる。
ユーザーの一人は、「ユニクロがこういう態度で、創業者がこれほど傲慢なので、本土の消費者が数日もすれば忘れてまた買い続けると思っているのだろう。なので私たちは今度こそ、ぶれずにしっかりできるか?」と書き込んだ。
中国はユニクロにとって巨大な市場だというだけでなく、主要な製造拠点でもある。
新疆ウイグル自治区での強制労働や人権侵害については、アメリカ政府などが非難を繰り返しているが、中国政府は否定し続けている。
BBCは、綿花と強制労働に関する調査報道を発表してきた。
アメリカ政府は2022年6月、新疆ウイグル自治区での強制労働による製品の輸入を禁止する措置を発動。このため企業はそれ以降、アメリカへの輸入品が強制労働によって作られたものではないと証明することになっている。
スウェーデンの衣料品大手ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)は2021年に、新疆産の綿花を使わないと宣言。これに反発した中国側では、主要な電子商取引サイトがH&M製品の扱いを中止した。
ナイキ、バーバリー、エスプリ、アディダスなど、世界的に展開する多くの有名ブランドもこの論争に巻き込まれ、同様にボイコットされた。
ユニクロがこれまでこの論争に巻き込まれずにきた理由の一端は、柳井社長が当時、立場を明確にしなかったためでもある。
西側諸国の企業は引き続き、この論争に巻き込まれている。9月には、中国の商務省が「カルバン・クライン」や「トミー・ヒルフィガー」を運営するPVHについて調査を開始。新疆綿について「事実に基づかない不当なボイコット」の疑いがあると発表した。
報道によると、PVHは関連規制に沿って対応するとコメントしていた。
(英語記事 Uniqlo faces China backlash over cotton comments)

ユニクロは取材に対し、「4月から1ヶ月間サイト上で販売を行ってきたが、ユニクロの中国におけるEコマース戦略の調整ということで、双方同意のもと、販売を一旦中止するという決定に至った」と経緯を説明。「JD.com」は、メディア向けに、EC店舗オープン開始以来、売り上げは好調を維持していたといい、「売上による中止が理由ではない」とコメントを発表している。
「JD.com」は中国市場において第2位の規模を誇っており、中国EC最大手のアリババグループの競合と位置づけられている。ユニクロは2009年から「アリババ」のプラットフォーム上での販売も行っており、早期の撤退の裏には「アリババからなにかしらのアクションがあったのでは」との声も浮上している。これに対して「アリババ」の担当者は一切の関与を否定しているが、好調だったプラットフォームからの撤退だったため、様々な憶測を呼んでいる。
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