
感染症の拡大時にマスクなどの医療物資を緊急増産することや工場設備にある重要な技術の外部流出を防ぐことなどが念頭にある。
同法は国民生活に不可欠な物資を「特定重要物資」に指定し、設備投資を財政的に支援する仕組みを定める。現在は半導体や蓄電池など12分野を対象とする。
安定供給が難しい場合の措置は同法に定められているが、国による施設の一時保有といった具体的な手法は盛り込まれていなかった。今回、基本指針と政令で改めて定めた。19日に施行する。
城内実経済安全保障相は14日の記者会見で「補助金などの民間企業への支援だけでは特定重要物資の安定供給確保が困難なケースへの対応を想定している」と述べた。現時点で直ちに適用するケースはないと説明した。
新たな措置は外国勢力の影響を受けた日本企業が工場設備など重要技術を入手する目的で買収工作を仕掛けてきた場合の対抗策になりうる。
原材料の輸入が途絶えて生産を停止した企業が設備の処分を余儀なくされた事態での適用も想定する。
施設を一時保有したあとは物資生産や施設管理を民間に代行させる方向だ。
国による一時保有は民間の経済活動への介入という懸念がある。新指針は「サプライチェーンは民間事業者による自由な経済活動の中で形成されてきたものであることに鑑み、政府による過度な介入を行わないよう留意する」と記した。
防衛産業分野にも同様の制度がある。2023年に成立した防衛産業の生産基盤強化法は国が事業承継や経営が難しい企業の製造施設を保有し、別の企業に運営を委託することを認める。
昨年末の記事↓

政府は半導体など国民生活に欠かせない特定重要物資について、緊急時には国が企業の工場や設備を一時的に取得して、国の事業として民間に生産を委託できる仕組みの案を明らかにしました。
これは24日に開かれた政府の有識者会議で政府側が示しました。
経済安全保障推進法では半導体や蓄電池といった国が指定した特定重要物資について、民間企業による安定供給が難しくなった場合には国が必要な措置を講じることができると定めています。
政府の案によりますと、感染症の流行や他国による輸出規制などの緊急時には国みずから安定供給を確保する「特別特定重要物資」に指定した上で、国が企業の工場や設備を一時的に取得して民間に生産を委託できる仕組みを検討しています。
政府は2025年の早い時期の閣議決定を目指して今後議論を進める予定ですが、サプライチェーンへの国の関与が強い措置となるだけに発動の条件などが厳しく問われることも予想されます。
会議ではこのほか、医療のデジタル化が進む中、病院や医療システムへのサイバー攻撃を防ごうと、国が事業者の設備導入を事前審査する制度の対象に医療を追加する方向で検討していくことも確認し、こちらは2025年夏ごろまでに結論をまとめることにしています。
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