
合意の背景には、発光ダイオード(LED)照明の世界的な普及がある。蛍光灯の製造と輸出入は禁じられるが、28年以降も使用や在庫品販売は継続できる。水俣条約は13年10月に熊本県で採択され、17年8月に発効。現在は147カ国・地域が加盟している。
日本照明工業会によると、日本メーカーで現在も蛍光灯を製造しているのは2社。LED照明の普及が進んでいる日本は今回の協議を主導し、条約採択から10年の節目の会議で成果を出すことに貢献した。
会議では、水銀を使用したボタン型電池や化粧品、水銀含有触媒を使用するポリウレタンについても25年末までに製造や輸出入を禁止することで合意した。水銀で汚染された廃棄物の基準値を15PPMとすることも決めた。
一方、歯科治療での水銀使用禁止は合意できず、25年11月3〜7日にジュネーブで開催予定の次回締約国会議以降に課題を持ち越した。
今回会議の開幕日には「水俣病被害者互助会」の佐藤英樹会長(68)と妻スエミさん(67)が演説した。2人とも未認定患者で、水銀による健康被害をなくすため多くの国が水俣条約に参加するよう訴えている。
報告書は、現行の短時間のLED暴露限界値は、家庭や職場環境ではまず達する可能性のない値だが、それでも見直しが必要だと提言している。
一方、強度の低い光に長時間さらされる慢性暴露について報告書は、危険性は少ないとした上で、「網膜組織の老化を促進し、視力低下や加齢による黄斑変性といった特定の変性疾患の一因となる」と結論付けた。
携帯電話やタブレット、パソコンのバックライトに用いられるLEDライトは光度が非常に低いため、目の損傷リスクは少ないが、夜間や暗い場所で使用すると生体リズムや睡眠パターンが乱れる恐れがあると、報告書は警告する。
ANSESは対策として、家庭用のLED照明には「暖色系の白色」を購入することを勧め、さらに、ブルーライトを多く含むLED光への暴露をなるべく控え、就寝前にはLED画面を見ないようにと助言している。
(c)AFP/Amelie BAUBEAU






