先日、広島・胡町にある魚料理のお店「一政(いちまさ)」に足を運んだ。これまでさまざまな場所で魚を味わってきたが、この夜、一政で出会った魚こそ「広島で食べた一番旨い魚」と呼ぶにふさわしいと思った。
お店との出会い
胡町電停を降りて徒歩数分。灯りの落ち着いた日本料理・海鮮居酒屋「一政」。店内はカウンター席と掘りごたつの個室があり、どこかしっとりした和の佇まい。魚好きにはたまらない、生簀を備え、店主自ら釣ってきた魚を使うというこだわり。メニューは刺身・焼き・煮・炙りと多彩で、日本酒の揃えも豊か。予算はちょっと張るけれど、その価値を十分感じさせる。
出された魚との対面
この日の刺身盛り合わせが、まず衝撃だった。
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縞鯵(シマアジ)
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サワラの炙り
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生シラス
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小イワシ
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よなき貝
そして、添えられたのが“巨大なわさび”。すりおろされるその場の風味が豪快で、鼻に抜ける辛さが魚それぞれの旨味を引き立てる。
特筆すべきは、サワラの炙りの香り。皮目を軽く炙ることで脂が引き出され、香ばしさとほどよい香りが口中に広がる。シマアジの締り具合、生シラスの甘さ、小イワシのほろ苦さ、よなき貝の海の香。これらが一皿に集まっており、「魚の饗宴」という言葉が浮かぶ。
また焼き物・串焼きもすごい。太刀魚の梅肉入り串焼き、小海老の串など、その日の魚・海鮮の鮮度・状態を見極めて最良の調理法で出してくれる。ああ、この焼きの火加減、この塩梅。魚の身のふくらみと旨味が逃げていない。
さらに〆に出された穴子の白焼き。皮はパリッと、身はふっくら。塩と炭火の香りが絶妙。これがまた酒を呼ぶ。
魚以外の演出も忘れずに
魚のうまさだけが主役ではない。一政ではその魚を引き立てる演出や空気感、店主・大将とのやりとり、日本酒との組み合わせが非常にバランスよく組まれている。
たとえば、日本酒。自分の好みを伝えると、大将がそれに合う銘柄を4種類ほど出してくれた。魚の種類や味・調理法を聞いたうえで、それぞれのお酒を順番に、香り・味わいを考慮して出してくれる。その心配りも魚を「最高」にする要素になっていた。
店の雰囲気も良い。カウンター席で魚がさばかれる様子を見ながら、日本酒を一杯。友人との会話も弾むし、一人でじっくり味を追うのにも向いている。
なぜ「一番うまい魚」の称号を与えたいのか
広島には、瀬戸内海をはじめ地元の魚が豊富で、どこで何を食べても一定以上の満足はできる。だが、一政で味わった魚たちは、単純に鮮度が高いとか素材が良いというだけではなく、「料理としての魚」の完成度が高い。
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魚種の選び方がいい(旬・質ともに)
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調理法がそれぞれの魚に合っている
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香り・火入れ・塩加減・薬味など細部の仕込みがきちんとしている
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演出(わさびの大きさ、焼きの串、白焼きの炭火香など)で五感が満たされる
これらが重なって、「この魚なら、ここでしか味わえない」「魚を食べる歓び」を存分に感じさせてくれる。
まとめ:広島で魚なら、一政へ
結論として、もしあなたが広島で「この魚うまい!」と声を上げたくなる体験をしたいなら、一政はその候補ナンバー1だ。胡町・八丁堀近辺で、魚好きならぜひ訪れてほしい。値は張るが、それだけの満足を連れて帰れる。
次に広島で魚を求めるなら、まず「一政」を思い出してほしい。ここでしか味わえない魚が、きっとある。