
仕事帰りにゴールデンレトリバーが散歩をしているのを見て、
今がゴールデンウィーク中と気がついたdapandaです。
ある日お問い合わせがありました。
「カメラマンと打ち合わせも入念にして、撮影リクエストもたくさんしたのに、
出来上がったアルバムが全然気に入りません、
デジタルアルバムで編集してなんとか気に入ったものを作ってほしいですヽ(`Д´)ノ 」
というメールがありました。
おそらくはとてもカメラマンと呼べないカメラマンが撮影した結果、
お二人の気に入った写真などが撮ることが出来ず、
アルバムも気に入らないものになってしまったのかなと想像しました。
お会いしてまずは出来上がったアルバムを見てみると、
( ゚д゚ )???
そのカメラマンとは某写真会社のカメラマンなのですが、
同業の僕の視点から見ればよく撮れていました。
光の使い方もうまかったですし、正直予想外です。
僕「お二人とも楽しそうにきれいに撮れているじゃないですか」
新婦「それが撮影リクエストした通りに撮れてないんです」
と百科事典並みに分厚いファイルをテーブルの上に出し、
その撮影リクエストをしたスクラップブックを見てみると。
ゼクシィのドレス特集やファッション誌など、何十枚もの切り抜き。
そして「まだあるんですと」続々ファイルからスクラップブックが出てきました。
それはネット上から収集したやはり何十枚もの画像でした。
青々とした芝生の上で見つめ合う新郎新婦、
歴史ある建物の横でポーズを決めるスタイリッシュなお二人。
自然光に輝くブーケ。
楽しそうに笑いあう外人モデルの二人。
カメラ目線なエビちゃんの切り抜き(蛭子能収さんではありませんよ)
モデルもシーンも多種多様です。
僕「これを撮影リクエストされたのですか?」
新婦「そうです」
( ゚д゚ )
お二人の結婚式をされた会場は、よく撮影に行く会場なのですが、
そういったロケーションもありませんし、自然光もほとんど期待出来ない会場。
撮影リクエストのほとんどは会場内に存在しないものです、
写真は真実を写すもの。
これでは撮りたくても撮りようがありません。
でもそんな出来ないことを出来ると言ってしまうカメラマン、
その時点で新郎新婦を裏切っていますよね。
またお二人は会場内で80名の全員集合写真を撮るリクエストもしたそうです。
スナップ写真でも集合写真を撮るというのは、
結構気軽に考えられている場合が多いのですが、
実はとてもシビアな撮影なのです。
例えば80名全員での集合写真、何十分も時間はありません。
たった数分で整列していただき、
ゲストやお二人の立ち位置や顔の重なり具合など確認し、
早く確実に撮影しなければなりません。
なんとも神経を使う撮影なんです。
そして当たり前ですがその場所と時間がなければ撮ることは出来ません。
お二人が結婚式をされた会場には、80名を同時に撮影できる場所はありません。
その事実は当日になって判明し、急遽グループごとの撮影にしたそうです。
新郎新婦もそういったことはわかりませんから、
プロの視点で撮れない旨の説明をしないといけませんよね。
僕「そのカメラマンは何かいいませんでしたか?」
新婦「大丈夫です、私に任せてくださいと言っていました」
新婦「そのプロカメラマンが出来ると言うんだから誰でも出来て当たり前ですよね!
だから私たちの要望通りのアルバムを作ってください!ヽ(`Д´)ノ 」
( ゚д゚ )
一度プロに裏切られてから、さらに思いが強いものになったのでしょうね。
でも、写真やグラフィックデザインは理想のものをカタチにする道具ではありますが、
好きなことができる魔法の道具ではありません、
ですので出来ることと出来ないことの説明をたっぷりと話しました。
まあ腑に落ちないような表情ではありましたが、
なんとか理想と現実は理解いただけたようです。
結婚式というとても大切な1日。
写真に対してたくさんのイメージがあって、
たくさんの撮りたい気持ちをぶつけてくる新郎新婦、
撮影可能なものはいくらでもご要望通り撮影しますが、
結婚式は想像以上にゆったりと撮影している時間は少なかったり、
物理的に不可能なことであったり、
予想外のことが起こって時間が無くなってしまったりというのは少なくないこと。
写真に限らず結婚式の様々な決めごとのほとんどは、
お二人とスタッフが相談して理想のものを築きあげていくものです。
写真に関して言えば数多くの結婚式を撮影している者として、
現実的に撮れるものと撮れないものを精査して、
なぜ撮れないかをそこで憎まれ役になろうとも、
お二人に伝えるのもプロカメラマンの役目なのです。
なのにきちんと説明して撮れない理由をなぜせずに、
安請け合いをして新郎新婦に悲しい思いをさせたのか。
なんとも疑問が残るばかりです。