12.問いかけについて


問いの中へ入り込んでいく者は、哲学というジャングルへ迷い込んでしまう。問いは、来るがままに来させ、去るがままに去らせなさい。通りを行き交う人々を見るように、問いの群れを眺めなさい――与えるものもなく、受け取るものもなく、ただ距離を保って、遠くから……。あなたと問いとのあいだの距離が大きければ大きいほどよい。なぜなら、その隙間の中にこそ答えは生まれるからだ。


ある哲学の教授が、禅の師であるナンインのもとを訪ね、神について、ニルヴァーナについて、瞑想について、その他さまざまなことを尋ねた。師は静かに耳を傾けた――次から次へと問いが続く。そして師は言った。「お疲れでしょう。この高い山を登り、遠くから来られたのですから。まずはお茶をお出ししましょう。」


禅の師はお茶を淹れた。教授は待っていた――頭の中は問いで煮え立っていた。やがて湯がわき、茶の香りが立ちのぼると、師は言った。「まあ、そんなに急がずに。どうでしょうね。お茶を飲むだけで、あなたの問いが解けるかもしれませんよ……あるいは、その前にでも。」


教授は戸惑った。「この旅はまったくの無駄だったのではないか。この人は気でも狂っているのでは? 神についての私の問いが、お茶を飲むことで答えられるはずがない。何の関係があるというのだ。できるだけ早くここを立ち去ったほうがいい。」そう思った。しかし同時に、疲れてもいたし、山を下りる前に一杯のお茶を飲むのも悪くないとも感じていた。


師はやかんを持ってきて、茶碗にお茶を注ぎ始めた――そして、注ぎ続けた。茶碗はいっぱいになり、茶は受け皿へあふれ出したが、それでも注ぎ続けた。受け皿もいっぱいになった。あと一滴で床にこぼれ落ちるというとき、教授は叫んだ。「やめてください! 何をしているのですか? 正気ですか? 茶碗がいっぱいなのが見えないのですか? 受け皿もいっぱいではありませんか?」


すると禅の師は言った。「それが、まさにあなたの状態です。あなたの心は問いでいっぱいです。たとえ私が答えても、その答えが入る余地がない。しかし、あなたは聡明な方のようだ。これ以上一滴でも注げば、茶碗にも受け皿にも収まらず、床にあふれ出すことがわかったでしょう。あなたがこの家に入ってからというもの、あなたの問いは床にあふれ出し、あたり一面にこぼれています。この小さな部屋は、あなたの問いでいっぱいです! いったん戻って、あなたの“茶碗”を空にしてきなさい。そして、また来なさい。まずはあなたの中に、少しの空間をつくりなさい。」