「了解いたしました」と「承知いたしました」
「了解いたしました」「承知いたしました」。
どちらも接客をはじめとしたビジネスシーンでよく使われる言葉です。
2つの言葉にどのような違いがあるのでしょうか。敬意の度合いに差があるのでしょうか。
詳しく解説します。
「了解いたしました」は失礼か?
「『了解いたしました』は失礼だ。『承知しました』と言うべき」「『承知しました』は謙譲語なので、『了解しました』より敬度が高い」。
このような解説がはネットではよく見られます。また、ビジネスシーンでも聞いたことがあるでしょう。
「了解いたしました」は本当に失礼なのでしょうか。
私の著書『その敬語、盛りすぎです!』でも書いていることですが、言葉そのものだけを取り上げて「失礼だ」「不適切だ」と断定できることはあまりありません。
言葉は場面によって、相手によって使い分けられるものだからです。
「誰に対してどのような場面でこの表現は失礼だ」と判じることはできるでしょうが、何の前提もなく「この表現は失礼だ」と断定することはほとんどないのです。
しかし、ネットの解説などでは、検索などでたどり着いたユーザーにどっちつかずの答えを載せられないという考え方もあるのでしょう。
結論から言えば、言葉だけを取り上げて失礼と決めつけることはできません。ビジネスシーンでの用法を検討しやすくするために、その根拠を示しておきます。
「了解」と「承知」の意味は?
「了解」と「承知」、 それぞれの意味を辞書から引用します。
このように、辞書によっては「了解」の第二義に「承知」を示す例も見られ、かなり近いと言うこともできます。
いっぽうで『広辞苑 第七版』も引いてみましたが、上の(2)のように「了解」の意味に「承知・承諾」の語は掲載されていません。
- 「了解」とは、物事を理解すること。理解して、認めること。
- 「承知」とは、内容や事情を知り、相手の依頼・希望・命令を受け入れること。
「了解いたしました」と「承知いたしました」の敬意の度合いは?
「了解いたしました」と「承知いたしました」を使い分けたいときは?
このように、その場その場で各自判断するとよいでしょう。
いっぽうで、会社での社内マニュアルなどでは、対外的な態度を統一する意味から、
お客様の希望や要望を理解して受け入れる場合には、「了解いたしました」より「承知いたしました」を使うようにする
など決めている場合もあるかもしれません。その場合には、社内ルールに沿うとよいでしょう。

