相手に黙っていてほしいとき──
この言い方は使えるでしょうか。
結論から言えば、目上の方には使わないほうが賢明です。
つまり、ビジネスシーンでの通常の敬語としては通用しません。
尊敬語の作り方(→ こちら)で書いたように、
確かに「お」+「~ください」は尊敬語のかたちではあります。
どうも妙な感じです。
状況として、話し手は困っているのですね。
しかし、「黙っていてほしい」という言葉自体が相手の行動を制限するために
命令調に受け止められてしまい、尊敬語の表現がそぐわないのです。
このような場合には、「黙る」という言葉を
別のやわらかな表現に置き換える必要があります。
「黙る」とは、「声を発しない」つまり「静かにする」のですから
「お静かにお願いします」
「お静かになさってください」
などがよいでしょう。
また、電話をしているのに、
周囲の声がうるさくて聞こえないというような状況では
無理に言葉で表現することもありません。
大声を発している相手に
申し訳無さそうな表情をしながら
手で「シーッ」としたり、
手を下に下げて「音を下げて」という意味のジェスチャーをするなども考えられます。
その場面や、相手に即した言動と行動が必要ですね。
同様に、
「どいてほしい」 にも
「おどきください」はなじみません。
この場合でも、
「通していただけますか」
「ちょっと失礼します」
などと言葉を置き換えるほうがいいでしょう。
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ソーシャルメディアで伝わる文章術/前田めぐる著/秀和システム

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