内山田礼子さん(40代・仮名)
礼子さんは、私のブログを読んで、退行催眠に興味を持たれ、オンライン説明を受けてくれた方です。
礼子さんは、厳しいDV気質の父親に育てられてきました。
母親もいつも犠牲になっていて、早く家を出たいと、ずっと思って生きてきたそうです。
「いつか結婚するときは、父親のような男性は絶対に嫌だ」と思って生きてきたそうですが、結婚した男性もモラハラ気質でした。
仕事などでも、なぜか犠牲的な立場に立つことが多いようです。
なぜ自分の人生には、このような「犠牲的な出来事」が多いのかを知りたくて、催眠を受けることになりました。
「私の人生って、ずっと苦難の連続のような気がするんです。親子関係でも、夫婦関係でも、仕事先でも、なぜか私は苦しい立場にばかり立ちます」
「この理由が、私に前世カルマや、無意識の引き寄せにあるのなら、変えていきたいと思ったんです」
「そうなんですね。催眠は、潜在意識が今見せるべきことを考えて見せてくれるものです。礼子さんが見たいものが、そのまま見えるかは、やってみないとわからないことですが、やってみますか?」
「はい、お願いします」
今回の体験談は、2回目の催眠で見たものです。
「私は英国にいます。名前は、たぶんレイチェルです」
「おとなしい少女です。中流階級の家に生まれたようです。両親は厳格な両親です。私は、厳しいしつけを受けて育っている気がします」
「そうなのですね。この時代に、あなたの心の中に『自分が犠牲にならないといけない』という思いが生まれた原因があるなら、そのことを思い出してください」
「はい……」(しばらく沈黙)
「我が家には、代々伝わる厳しい家訓のようなものがあるようです。その家訓を守らないといけない空気感を感じています」
「どんな家訓なんですか?」
「うーん、そうですね……」
「『原罪』という言葉が浮かんできます」
―― ゲ ン ザ イ?
「私には何か罪があるような考えです。その罪を償うために、努力をしないといけないようです」
「何か罪や犯罪を犯してしまったのですか?」
「うーん、そうであるような、そうではないような……」
「生まれながらに、人間には罪があるので、神様に許してもらわないといけない。そのためには、善に生きる、ルールを守って生きる、あえて苦難や苦労を背負うことが大切――そう思っているようです」
「そうなのですか。その生活をしている時に、レイチェルはどんな気持ちでしたか?」
「私は、まじめに自分を小さくして生きています。わがままを考えてはいけない。自由を考えてはいけない。我慢して生きないといけない、と思っています」
「自分を否定し、犠牲的な生き方をしないといけないと思っています」
「そうなんですね。時間を進めてみましょう。あなたが知るべき出来事に進んでください」
「はい。私は結婚しました。とても厳格なタイプの男性です」
「厳格に生きてはいますが、相手も、とても窮屈に生きていることにストレスを感じています。時々、機嫌を悪くしては、私に暴力を振るいます」
「あっ、この相手は、私の現在の夫です」
「夫に生まれ変わってきたんですか? 生まれ変わりとわかりますか?」
「はい。なぜかわかります。目の奥に同じものがあるんです」
「私はこの人生で、窮屈で犠牲的な生き方をしています。そんなに長くは生きられなかったようです」
「死んでいく時にも、『自分の罪は許されたのだろうか?』と思っています。いや、まだ許されている気がしない。私には、まだ苦労も努力も足りなかった――そう思って死んでいったようです」
「くよくよと、自分を責めている感じが強くします」
(中略)
潜在意識退行催眠
※礼子さんの潜在意識と対話します。
「レイチェルの人生には、どんな意味があり、今世にどんなことが現れているんですか?」
「レイチェルの人生で、『自分は罪深い人間だ。幸せになんかなれない』という感情が強く残りました」
「この時に、『私はなんてダメだ』という思いを利用するものがいます。レイチェルであり、礼子の人生を悪くしようとするエネルギーがあります」
「そのエネルギーが、いつも礼子の心に『お前なんかダメだ』とささやいているんです」
「その否定的な言葉、思いが、礼子の人生を苦しめています」
「宇宙をつくった神様は、いつも人々を愛しています。自分の魂には罪があり、この原罪を清算しないと神様から愛されないとか、許されないと強く思わないことです」
「自分を責める思い。自分を否定する思いから、幸福感は生まれません」
「自分で自分を否定しているから、他人も自分を否定してくることに気づかないといけません」
「今の環境は、自分が引き寄せていることです」
「そうなのですね」
「厳しい父親と、モラハラの旦那さんも引き寄せですか?」
「そうです。自分が『犠牲者』として生きなければならないと無意識に思っているので、『迫害者役』として現れたんです」
「犠牲者として生きるためには、『迫害者』という役割が必要なので、引き寄せました」
「礼子さんは、暴力的な父親も嫌だし、モラハラの夫も嫌だと思っていたのに、遠ざけるのではなく、引き寄せているのですか?」
「そうです。思っていることが、環境に現れてきます。好きでも、嫌いでもなく、思っていることが現れます」
「そして、この現れた環境で、それを乗り越えて解決することが、今世の目的の一つです」
「なるほど。今世の人生の課題なんですね? 乗り越えて、変えることはできそうですか?」
「できます」
「まずは、深層心理の中の『犠牲者』的な考え方を捨てないといけません」
「苦しまないと許されないとか、我慢しないと愛されないとか、自分を小さくして生きないと価値がないとか、そうした深層心理の思い込みを、少しずつ手放していくことです」
礼子さんの潜在意識は、さらに続けて語りました。
「礼子は、もう十分に頑張りました。苦しみながら生きることで、神様に認められようとしなくていいのです」
「あなたの魂に、最初から罪はありません」
「宇宙をつくった存在は、苦しんでいる人だけを愛するのではなく、笑っている人も、安心している人も、幸せな人も愛しています」
「だから、礼子はもう、自分を苦しめる人生を卒業していいのです」
礼子さんは、両方の頬に涙を流していました。
その涙は、悲しい涙というよりも、どこか長い旅を終えた人のような涙でした。
ずっと心の奥で、
「私が悪い」
「私には価値がない」
「もっと頑張らないと認められない」
そんな声を抱えながら、生きてきたのかもしれません。
人は、自分を責めていると、責めてくる人を引き寄せてしまうことがあります。
自分を雑に扱うと、周囲もまた、自分を雑に扱うことがあります。
逆に、「私は大切な存在なんだ」と、心の深いところで思えるようになると、
少しずつ、人生に現れる人も変わっていきます。
すぐに全部は変わらないかもしれません。
でも、潜在意識が変わり始めると、選ぶ言葉が変わります。
選ぶ人が変わります。
嫌なことに「NO」と言えるようになります。
そして、気づいた時には、
「昔の私なら、こんな人生選べなかったな」
そんな未来に立っていることがあります。
礼子さんの人生も、ここから少しずつ変わっていきそうです。
「あなたは、もう自分を罰しなくていい。
幸せになっていい。
安心して愛されていい。
そして、自分をゆるしなさい。
あなたは、本当は、ずっと大切な存在だったのだから」
もしこの体験談を読んで、
「私も、なぜか苦しい人間関係ばかり繰り返す」
そう感じる方がいたら、それは心の奥にある「古い思い込み」が、まだ働いているだけかもしれません。
人生は、いつからでも変えていけます。
そして、その第一歩は、「私は、幸せになっていい」
と、自分に許可を出してあげることなのかもしれません。


