“昭和三十二年一月、巨漢、山下櫻州氏来宅。カイゼル髭、手の指が太く、長さは四本共同じ。柔、剣道、日本式古式泳法、弓道等合わせて二十段以上だと自慢。西式健康法の大幹部。現在本業はカイロプラクティックと指圧だが、姓名学易者として活躍しており、度々NHKラジオに出演している。NHKで徳川無声(漫談家)と対談している、写真入り新聞を呈示したりしました。
彼曰く、「私の姓名学は東洋各地を歩きまわり、約四十万人の人の運命と数霊との関連性を、統計的にまとめたものです。『何故当たるのか?』と聞かれても、私には理論的解明はできない。ところが、大森さんは無双原理の大家です。ぜひ解明して下さい」というのでした。
山下櫻州氏曰く、「名前の字画数に吉凶が表示されており、その人の名前を見れば、その人の過去、現在、未来の運命をみることができる」という。
私は、名前がそんなに重要なものとは思えない。それより食の方が重要だと思う。「食なきところに生命現象は無い」。生命現象の形而上、形而下の面に吉凶、健康、病気、賢と愚、心理的喜怒哀楽、これらは生理的血液が画き出したものといえる。血液は食によって造成される。
その当時、名前の良い山下氏は西式水飲み療法の失敗で水太りになり、心臓を弱くしていました。私は、当分の間玄米を食べに来るようすすめました。彼はその後、連日私宅に来るようになりました。私は正食と無双原理の話を彼にしました。彼は素晴らしい記憶力の持主で、列車内で乗客に対して、私から聞いた話を一言一句間違いなく説教しました。彼の体重は一ヵ月で十㎏痩せ、熱海の坂道の歩行も楽になりました。
ところで、私は日本の古い歴史書を調べ、数霊を統計的に検討することにしました。まず第一に、体制側から偽書といわれている「竹内文献」の天皇の系譜を調べてみて驚いてしまいました。一~八十一画まで、吉数と凶数は半々。名前が偶然つけられたら、確率は一対一。五十%となる。
「竹内文献」に記載されている天皇達の名前の数霊は、九十五%が大吉数。確率は完全に破れている。
医者と坊主は凶数の0、九を持つ人が多いと山下説はいう。「日本医道系譜」「中国医道系譜」を調べたら、八十%の医師が凶数をもっている。これも確率を破っている。それから三ヵ月間、新聞に載っている人と数霊の関係、文学書に登場する人間の名前と運命を調べてみたが、八十%位数霊の表示は当たっている。
いよいよ数霊を無双原理で解明するのに、七重の対数スパイラル図を眺め、何から手をつけるべきか?とまどってしまいました。
象形文字による脳に与える影響。言葉の発する音波の影響。一点一画に指先を打ちおろすとき、二十四グラム相当の重力波が生じている。それの影響。これらを数が表示しているのか?”
“長男出誕。事前に撰名し、大吉数の良名を神棚に掲示してあった。後産の処理をしてくれた熱海市総務部長中川氏夫人、第一番目に祝いに来宅した(当時)中央公論社長嶋中氏夫人、続いてお祝いにきた近所の永原夫人、彼女らの名前が改名でなく本名で姓名学上最高の吉数名であることには驚いた。ジャコ一匹口にしない純正菜食でつくられた赤ん坊の体から出ている大吉数の光波が、類は友を呼ぶ原理による法則により、大吉数の名前の人達が集ったといえよう。”
(大森英櫻「人間 大森英櫻」(宇宙法則研究会)より)
*マクロビオテック(玄米正食)の指導者として有名だった大森英櫻先生が、食養の方面だけでなく姓名判断についても深く研究しておられた話はよく知られています。姓名判断には様々な流派がありますが、大森先生が高く評価しておられたのは熊﨑健翁先生と山下櫻州先生のお二人でした。
*大森先生は完全穀菜食でしたので、奥さんもまた妊娠中も純菜食であられたようですが、エドガー・ケイシーは妊娠中の女性には鳥の軟骨を煮たスープや缶詰の魚の柔らかくなった骨などを食べてカルシウムを積極的に摂るように勧めています。私も妊婦さんが動物性食品を一切摂らないというのは、正直に言っていかがなものかと思いますが、菜食が運勢をよくするというのは事実のようです。ただ、この本には、玄米正食で子供を育てたにも関わらず、不健康で学校の成績も悪かったという例についても載っており、玄米食も人によって合う合わないがありますし、決して食事にさえ気をつけていればいいということでもありません。








