今の夫と出会う以前。
わたしは再婚を約束して付き合っていた人がいた。
その時期である。すごく印象の強い夢を見た。

軽トラックの荷台に、細い小さな、美しい、流し目の、白蛇が乗っていて、
その両脇に、セントバーナードが座っていた。
「アルプスの少女ハイジ」に出てくる「ヨーゼフ」という、あの犬。
軽トラの荷台だと思ったのは、色がまさしく、昭和の軽トラの浅緑色だったからだ。

起きてから、あまりにも鮮明なその画像が頭から離れず、白ヘビ? セントバーナード?
軽トラ???
と疑問だらけだった。

何日もそれは頭に残ってて、目つきの色っぽい白ヘビさんが気になって仕方がない。
あるとき、ふと、気が付いた。
両脇にセントバーナード。
いや、それ、「狛犬」じゃないの?

おお。
だとしたら、白ヘビさんは、何かの神様だ。
軽トラに乗ってたということは、来なさい、ではなくて、来てくれたという意味だろうか。
白ヘビさんは神様そのものではなく、神様の使いなのだろうか???

確かめようもないまま日にちが過ぎて、
その年が明け、付き合っていた彼は、
わたしと出会う前に起こしていた大きな事件で、
東京地検の特捜部に逮捕され、わたしはそれを新聞記事で知ることになった。

その後のことは省くけれど。

Facebookに登録して発信するようになって、
色々な人と知り合ったが、中で、自分の生まれ育った町の、山一つ反対側で、
暮らしている人と知り合った。
わたしの住んでいた家は山を切り崩して作られた住宅地で、その裏山はハイキングコースになっており、
登って、反対側にある道を下ると、そこに彼女が住んでいるという、不思議な出会い。
彼女は巫女体質で、いろいろなことを解明してくれた。

わたしが裏山で自分で掘った水晶がある。
本当はもっと沢山持っていたのに、関東圏の山のないところのいとこたちが遊びに来た時、
ちょうだい! ちょうだい! と、勝手に持って行ってしまったため、
小さいものが3個残っているだけだった。
その写真を見せたら、「それ、龍の玉だよ?」と言う。
いとこに取られてこれしか残ってないと話したら、そのいとこたちがどうなったかを聞かれた。
一人は女性で、結婚することなく実家の近所で一人暮らし。
一人は、40歳過ぎてやっと結婚出来たが、たった1年で離婚。
もう一人は、事故で亡くなったと話すと、

本来の持ち主であるわたしから、分不相応なものを奪って持ったために、そうなったという。
わたしは、白ヘビさんの話をした。
それがあなたの龍神さまだと言われた。

ちっさ…。
でも、軽トラで、まだ蛇くらいの細さで来てくださったのだから、お祭りして、
お育てしたほうがいいのか?? 
とにかく、そこに、わたしを呼んだ鏡と、「龍の玉」と言われた水晶と、
お酒を持ってないので、お米とお水をお供えしている。

サバちゃんはガンなので、抗がん剤は飲む。
低グレードのリンパ腫なので、低グレード用の治療、飲み薬である。
一回挟んだ、高グレード用の治療は点滴と注射であった。

診察日に吐いてしまい、一日置いてまた吐かせてしまい、
サバちゃんが起こしているのにわたしが起きられていなかったのか、
それともサバちゃんが遠慮して起こさないで我慢していたのかがわからないので、
睡眠薬を全く飲まないで寝てみた。
すると、体は眠っているのに脳が眠れない。
寝ているんだから、と言い聞かせてもずっと緊張が続いており、
考えもしており、かけたアラームの前にサバちゃんが起こしに来たので、
ご飯を与えて、わたしもちょっと何かしていて、またしんどくなったのでウトウトして、
仮眠×3回とかしたら、疲れがすごくて参ってしまった。これは参った。

やはり一回は睡眠薬を飲んで深く寝て脳を休ませないと、こっちが先にバテてしまう。
仮眠+睡眠薬睡眠+仮眠、で、一日の半分をベッドで過ごしていた。

作品の委託をしている店のおかみさんも龍神信仰である。
しかも猫13匹を飼ってて、サバちゃんのことを話したら、
押しつけがましくなく、いろいろ情報をくれたり、余ってるパウチなどを送ってくれた。
年末に江の島の龍神さまにお参りに行くというので、

サバちゃんの写真をスマホに送り、悪いのが十二指腸なんだと伝えて、
お祈りをお願いした。

とにかく、吐くと誘発されるので、吐かせない暮らしが大切だ。
そして快適な暮らし。ストレスがなくワガママが言えるお姫さま暮らし。

おかみさんは、ちゃんとお願いしてきてくれて、龍神さま像の写真も送ってくれた。

その日。サバちゃんは、硬い「ウン〇」をした。
健康だったころのようなしっかりとしたものだった。
記念に取っておきたいくらいだった。
欲しがる頻度も多いが、わたしもこの年末には仕事の手を休めて、とことん付き合う気でいた。
猫二匹のような、うとうと暮らし。何度も食べるサバちゃん。

サバちゃんはその後に二度目のウン〇もした。それもしっかり硬かった!

抗がん剤の効果がやっと出て来たか。
年内に第14回までを飲めた。

それとも、祈りの力、であろうか。


「祈り」が有効であるということは、アメリカで実験されて証明されている。
わたしたちにも毎日癌細胞はできるが、「笑い」がそれを殺してくれて排出している。
だから、癌細胞の数が増え過ぎない限り発病はしない。

龍神さまが育ってくださったか。わたしももちろん毎日お参りしている。
けれど、サバちゃんに会ったこともなく触ったこともない方が、
祈ってくださること、それはすごいパワーなのではないかと思っている。

今、わたしは、一番「祈り」が欲しい。
いくらお金があっても買えないもの、「祈り」。

軽トラでやってきてくれたわたしの白い小さい龍神さまは、
今、どんなお姿をしているのだろう。


2022年1月1日。