みなさん、「三途の川」と言う言葉を、聞いたことはありますか?

これは、主に日本で、人が死ぬときに渡ると言われている川です。

その川が、あの世とこの世の境界線で、

渡って向こう岸に行ってしまったら、死、という川です。

本当にそんなものがあるのかどうか。
どうでしょう。
でも、もしも、無いものなんだとしたら、
どうしてそんな話が、今も伝わっているのでしょう?

それは、実際に、その川を見た人がいたからだと、わたしは思います。

「臨死体験」と言う言葉は、ご存知ですか?
人が、あやうく死にそうになって、生還して、
そのとき、自分の魂は体から離れていて、自分の体や、
病室の様子を俯瞰図で見ていた記憶があって、
それが全くその通りであったり、
もしくは、河原に居て、川の向こう岸に、亡くなった祖父や祖母が見えて、
「お前はまだ来るな、帰れ。」と言われて、はっと目が覚めたら、
瀕死状態から生き返ったとか、
そういう体験です。

夢を見ていただけ、と言われれば、そうかもしれないとも言えます。
ですが、この臨死体験にまつわる幽体離脱には、
決定的な証拠だと思われる事例があります。

その男性は、とある手術を受けていて、
危険性のある手術で、やはり、手術中に、瀕死状態に陥ったそうです。
けれども、一命をとりとめて、回復なさいました。
そして、主治医に、こんな話をしたのです。

あの手術の時、こんなふうに人が立っていて、
こちらに台があって用具が乗っていて、
自分は死にそうでしたね。
そして、先生は、こういうお顔をされた方だったんですね、と。

主治医の顔の特徴を話して聞かせたんです。
それは、一致していました。

これのどこがおかしいでしょうか。
麻酔が切れて一瞬意識が戻って、
手術の時の様子をその目で見ただけなのでしょうか。

いいえ、違います。

この男性は、目の見えない、
そう、盲目の方だったのです。

つまり、主治医のお顔を、見た経験はなかったということです。


臨死体験は、人によりさまざまですが、
大体、気分のいいもののようです。
日本には古来から、三途の川、という言い伝えがあるせいか、
川を見る人が多いのに比べて、
欧米では、光に吸い込まれて、美しく透明な世界に行くといった、
明るいトンネルの話が多いそうです。

わたしの母が、臨死体験をしています。
母は59歳の時に、大腸癌で、大きな手術をしました。
そのとき、なかなか麻酔から覚めなくて、先生方が何回も呼んだそうです。

母の談によりますと、河原の、綺麗なお花畑に居て、
花を摘んでいて、すごく気分が良かったそうです。
なのに、大声で呼ばれて、ああ、うるさいなあ、と思って目を覚ましたら、

いきなり激痛で、
母はわめきながら病室に運ばれて来ました。

あのまま、花を摘んで、川を渡っていたら死んでたかも、と本人が言っていました。


わたしには、仕事を手伝ってくれていたKちゃんという子がいました。
とても可愛い子で、出会った時は、幼なじみとの結婚を控えていました。

幼稚園の先生をしていたので、子供が大好きで扱いも上手。
人当たりもよく、明るくて、器用で美的センスも豊富で、
自慢の弟子でした。

彼女が第一子を授かり、生まれたら知らせるねとのことでしたので、

わたしはあらかじめ、産院を聞いておいて、お祝いに行くつもりでいました。

やがて、大きな男の子が生まれたと、その夜に、

ヨレヨレの字でファックスが送られて来ました。
まだ、みんなが携帯電話を持っていない時代、
電話やファックスでやり取りをしていた時代です。

その翌々日だったと思うのですが、わたしは彼女の夢を見ました。

一緒に並んで、河原を歩いている夢でした。
いつものように、色々楽しく話しながら歩いていたのに、
彼女がふっと、
「ゆきさん、わたしはこっちだから。川、渡るね。」と言って、
橋もないのに、川の向こう岸に行くと言って、わたしから離れたのです。

わたしは、そこで目を覚ましました。

Kちゃん…

ぞわわわ!っとしました。

だめ、駄目だよ!
Kちゃん、その川を渡っちゃダメ!

わたしは飛び起きて、着替えて、駅前で菓子折りをとりあえず買って、

電車に飛び乗りました。

待って、行かないで、川を渡っちゃダメだよ!


病室に行くと、彼女は、泣いていました。
生きていました。

ですが、見るも無残に顔が腫れあがり、むくんで、
いつものあの可愛いKちゃんの姿ではありませんでした。

わたしは、夢のことは話さず、ごく普通にお見舞いに来たていで、
話を聞きました。

出産した赤ちゃんは、5000グラムくらいの、大きな子だったそうです。
そのせいか、お産のあとの出血が止まらず、

医師も看護師も、すごい騒ぎになっていたようで、
大学病院に搬送か?みたいな話も出ていたようでした。
でも、とにかく、動かすことが危なかったらしくて、ベッドに寝たきり。
絶対に絶対に安静。

彼女は、怖くて、「わたし、死ぬの? 死んじゃうの?」と、
看護師さんに聞きながら、ずーっと泣いていたそうで、
大量出血と、処置と、絶対安静と、ずっと泣いていたせいで、
顔が無残に赤黒くなって腫れあがっていたのでした。

わたしが到着した時、短時間であれば座ってもいいと、

お達しが出たばかりだったそうです。

危なかったんだ。
川を渡りそうだったんだ…。

彼女が生きていてくれて、本当にホッとしました。
駆け付けて良かった。いや、別にわたしが食い止めたわけではありませんが、
いまでも、あの時のあの夢を思い出すと、

ズザザ!と、寒気がするのです。

「じゃあ、ゆきさん、わたしはこっちだから、」と離れて川を渡ろうとしてた。
本当に怖いです。


彼女は、二人目の女の子にも恵まれ、今も明るく幸せに暮らしています。
今は、お付き合いがなくとも、わたしにとっては大切な人です。

どうかずっと幸せで居て欲しいと願うばかりです。

そして、みなさん、
気軽に川を渡らないで、呼び止めてくれる声や、

まだ早い、帰れ!というご先祖様の声に、従いましょうね。

人は病気で死ぬのではなく、寿命があるのです。


本日も読んでくださり、ありがとうございました。


「ゆきのひ。」


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