《前編》 より

 

 

【タイ人女性】
 タイでは、殆どの家庭で家事運営の実権をにぎるのは夫人だといわれる。会社では飛ぶ鳥を落とす勢いの大経営者が、いったん帰宅すればグウの音も出ない実例を私自身何度も見聞している。
 うわべの微笑とはうらはらに、タイの女性の生活の素顔は強くしたたかである。うわついた心で付きあうと、とんだことになりかねない。(p.54)
 その実例が下記(かも)。

 

 

【カリプソ・キャバレー転職】
 不貞を働いたばあいの嫉妬心の強さは日本人の比ではないともきく。なにしろ、かの「阿部定事件」は年に3,4百件もある、と紙面は報ずるから、身に覚えのある男性はおちおち寝てはいられない。(p.59)
 「だったらタイでオカマが多いのは、阿部定にオチンチンを取られちゃったアンちゃんたちが多いからだろう。カリプソ・キャバレーで踊っているニューハーフさんたちは、ついでの転職組なのでは・・・」と思うのだけれど、かなり当たっている気がする。
 世界中の女性は、阿部定までいかなくても大抵は六条御息所である。
   《参照》  『ヤンキー記者、南米を行く』 吉永拓哉 (扶桑社) 《後編》
            【ブラジルの女】

 

 
【タンブン】
 タイでは他人に金品を与える「施し」は特別な意味をもつ。
 輪廻転生の世界観にたつ小乗仏教では、現世でどれだけの善徳を積む(タンブン)かによって来世の幸、不幸が決まるとされ、タンブンは人生の最重要事だ。富める者や地位高き者は来世でも今の地位・財力を維持し、さらに高めようとタンブンに励むことになる。(p.60)
 だから、プレゼントをしても、受け取った側は「お返しを・・・」という発想はしない、ということ。
 企業としては
 タイの日系企業社会には、度重なる寄付(タンブン)要請が見過ごせないインパクトとしてのしかかる。・・・中略・・・。あまりやられるとヘキエキ感もあるが、現実はきびしく、これを避けてはタイのビジネスは成り立たない。(p.185)
 欧米社会でもノブレス・オブリージェで、同じようなことはあるはず。
   《参照》  『ハーバード、マッキンゼーで知った一流にみせる仕事術』 富阪美織 (大和書房) 《後編》
            【社会貢献はエリートの義務】

 

 

【「重厚長大」主義】
 経済発展段階のちがうタイでは、小さく軽く良質を求める先進国の生活思考とはうらはらに、いまだに重厚長大が花盛りである。(p.63)
 「デッカイことは素晴らしい」という発想は、経済発展段階以外に、特に中国系文化の好みである。
 そこで臆せずに触れるが、コンドームなるものはできるだけ、「感覚」を損なわぬよう、ミクロン単位で薄さを追求するのが先進国の行き方であろう。しかし、重厚長大のタイでは、これが通らない。なんと、科学の粋をつくした日本の高度化製品が不合格のレッテルを貼られたのである。(p.64)
 事業の夢が破れた日本企業は、混同夢に陥っている、という締めで終わっているのだけれど、この話、本当だろうか?
 カオサンやパッポンをブラブラしていそうな不埒な日本人のニイちゃんたちは、日本製があるかどうかコンドームを買ってみましょう。

 

 

【中西薬局】
 街をドライブすると、そこかしこに中西薬局や泰西薬局、泰中西薬局があるではないか。「中」は中国の漢方薬。「西」は西洋医学の薬。つまり、漢・洋両様のくすり屋であった。
 なお、バンコクの薬屋は、「中」の字の入る看板がなくとも漢方を置いているところが多い。(p.74)
 だったら「泰(タイ)医学の薬」って何なん?
 阿部定におチンチンを切られても死なない薬とか、小っちゃくなっちゃって両性具有になれる薬とか・・・。

 

 

【ファラン】
 タイ人はしょっちゅう「ファラン」という言葉を口にする。私は、初めこれを“Foreigner”(外国人)の発音のなまったものかと思い、ならば日本人もファランなのだときめ込んだのだが、それは、とんだ勝手よみであった。
 「ファラン」は、はじめフランス人を意味したが、のちに欧米人一般の呼称となり、いまでは広く「白人」をさす言葉と思えばいい、と識者から聞いた。日本人はタイ人と同じ黄色人種の東洋人であり、あくまで「コン・ジープン」(日本人)なのである。(p.86)
 カオサンはファランがつくった繁華街。
 パッポンはコン・ジープンがつくった繁華街。

 

 

【アメリカ人は「内国民待遇」】
 まことに白人は、タイ人にとり初めから脱帽の存在であるが、いまやその頂点に立つのは米国人以外の何者でもない。なにしろ米国人に対しては通常の友好国に与えられる「最恵国待遇」などではなく、「内国民待遇」が与えられているのである。具体的な条件は詳らかではないが、タイ人と同等に扱われる分野がきわめて広いはずだ。・・・中略・・・。
 日本人がいかに友好国人を自認しても、とうていアメリカ人には太刀打ちできるものではない。タイを愛するあまり、このことに気づかない日本人が多いのではあるまいか。(p.87)
 タイ人の留学先でアメリカは常に断トツの1位。日本経済最強の頃であってすら日本留学者数はその10分の1だった。
 日本贔屓の台湾だって、留学先の1位は常に断トツでアメリカである。
   《参照》  『私の中のよき日本』 盧千恵 (草思社)
            【台湾人が尊敬する国:日本】

 

 

【マラリアの今昔】
 戦前の在外公館などには、俗に「3シャ」という言葉があったそうだ。ギリシャ、ペルシャ(イラン)、シャム(タイ)の三国である。これが瘴癘の地のご三家とされ、ウバ捨て山のごとく敬遠されたものらしい。・・・中略・・・。
 1967年に私が初回の赴任をした時期のバンコク圏は、すでに完全な撲滅状態にあった。空からの米軍のDDT大量散布作戦が奏功したのである。(p.204-205)
 へぇ~。
 でも、在外公館のなかった地域で、瘴癘の地は他にもテンコ盛りあったはず。

 

 

【東洋のベニス】
 そのむかし、西貢(現ホーチミン市)が東洋のパリならバンコクは東洋のベニス。クローン(運河)が四通八達した水の都であったが、戦後はほとんどが道路に化けて水の吐け口を奪った。(p.119)
 だから、毎年大雨が降ると水害に備えて土嚢を積む光景が見られるという。
 バンコクには、プラトゥーナムを中心にバンコクを東西に走るセンセーブ運河を走る水上バスが運行されている。観光客はワット・アルン(暁の寺)へ行くときにチャオプラヤ川を船で渡るけれど、それは川であって運河ではない。

 

 

【ティーナイ・カップ】
 30年まえのバンコク初赴任の日、電話を受けて面くらった。いきなり無骨な男の声が、「ティーナイ・カッ(プ)」というのだ。・・・中略・・・。意味を聞いてまた腹がたった。「どちら様ですか」の意で、「モシモシ」に当たるというのだ。自分でかけておいて、誰にかけたかわからぬという話があるものか。(p.122-123)
 かつて、電話回線の接続が不確かな時代があったので、このような形式言葉になったのだという。
 ところで、近頃の日本では、電話に出ると即座に切ったり、機械音声に切り替わるという営業電話が少なくない。だから、チャンちゃんは受話器を取ってから無言で相手の出方をみることにしている。「どちら様ですか」と言われたら、「おヌシが、先に名乗れ」というだろう。非常識な人間が増えているから、日本の文化も壊れてゆくだろう。

 

 

【タイ人が、日本人を見分けるコツ】
 タイ人には、一見タイ人ふうに見えても、よく見れば一発で日本人と見抜けるポイントがあるそうだ。「情けないほどの無防備さ」だ、という。(p.99)
 タイの犯罪率は、東南アジアの中ではワースト1位である。ただ、政治や経済に絡む重犯罪件数が多いということで、一般旅行者が巻き込まれるような軽犯罪件数に限って言えば、それほど多いわけではないらしい。であるにせよ、犯罪件数が多いということは、経済発展したとはいえ、格差社会が全く改まっていないということの表れである。

 

 

【アングラ世界から熱い眼差しが注がれているパスポート】
 巷の噂では、米国をはじめ無査証で入国できる国の多い日本人の旅券には、アングラ世界の熱い眼差しが注がれているそうだ。93~94年頃の話で、1冊70~80万円の値段がつくらしいときいた。昨今は大幅に値上がりしているのかもしれない。(p.141)
 団体客の一括盗難があると書かれているけれど、主催したツアー会社はビビることだろう。
 帰国日ではないからホテルに置いておくというのは、絶対にダメ。
 世界一無防備な日本人が、世界一価値のあるパスポートを所持しているのだということを、自覚無きままに旅に出る人は、旅の初心者なんだろうけれど、盗られてから自覚しても・・・・・。
 下記リンクに記述されている理由は、無防備すぎる日本人が想像したチョーーーオメデタイ理由。
    《参照》   『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』 竹田恒泰 (PHP新書) 《後編》
              【日本のパスポートが闇世界で高値で取引される理由】


 

<了>