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 下記リンクの読書記録を書いた翌日、古書店でこの本が目に入ったので読んで見た。グローバル展開を目指す起業家にとっては、大いに参考になるビジネス書だろう。2012年7月初版。
  《参照》  『ハーバードでいちばん人気の国・日本』 佐藤智恵 (PHP新書) 《後編》

           【社内英語公用語化】

 

【イングリッシュナイゼーション】
 Englishnization(イングリッシュナイゼーション)とは、英語化を意味する僕の造語である。(p.3)
 楽天の社内英語公用語化宣言が、社会に議論を巻き起こしたのは2010年のこと。

 

 

【たかが英語、されど・・】
 しかし、僕は、心ひそかに「たかが英語じゃないか」と考えていた。どうしてみんな、出来ない理由をあれこれ並べ立てるのだろう。とにかくやってみなければわからないじゃないか。(p.3)
 「たかが英語」という表現には、「英語は単にツール(道具)である」という意図がある。
 「たかが**」といえば、「されど**」が定型のように後に続くものだけれど、

 「されど英語」という場合は、「企業のグローバル化には、英語が絶対に必要」という意味がある。
 日本復活、繁栄のため、楽天の試みが役に立つと、僕は信じている。(p.5)
 グローバル化した日本企業と言えば、トヨタを始めとして全て「モノづくり企業」だろう。楽天は「インターネットサービス企業」だから、この点が大きく違う。「モノづくり」と「サービス」では、コミュニケーション・ツールとしての語学力の重要性は、大分違う。
 しかも、インターネットという急速なグローバル化を推進する技術革新状態下では、技術取り込みの遅れは致命的だから、技術関連書籍が翻訳されるのを待っていたら負けてしまう。世界展開は先行者有利が当たり前だから、英語優位という世界の現状では、どうしても英語によるコミュニケーション能力が必要。
 日本企業であっても社内が英語公用語化されていることは、海外の優秀な人材をリクルートする上でも、大いに有利に働くのである。

 

 

【きっかけ】
 彼ら(楽天の海外スタッフ)は、僕の日本語ツイートを、翻訳ソフトで英語に翻訳して読んでいた。だが、体言止めを多用した短い文章は、翻訳ソフトでうまく訳せず、僕が何を伝えようとしているのかわかりにくかったらしい。それではかわいそうだと思い、英語でのツイートを始めたのだ。
 驚いたのは、英語でツイートした途端、フォロワーが一日1000人から1500人という規模で増えるようになったことだ。(p.23)
 海外スタッフだけではなく、時代の最先端を行く日本企業経営者のツイートということで、海外の起業家や技術者たちも読むようになったのだろう。

 

 

【日本発の世界企業】
 2010年2月の執行役員会議で、著者が言ったことの一部。
 『世界企業』になるということは、世界の国々の人のマネジメントにあたるということです。世界各国の文化を土壌とした多種多彩なアイデアを、共通言語でディスカッションできる人材を擁していること。それこそ『世界企業』の『世界企業』たるゆえんなのです。(p.25)
 現在の世界共通言語は、なんといっても英語だから、上記の発言は正論。
 しかし、地球風水の法則である『ガイアの法則』に従って、遠からず日本語が世界共通語になるのは確実なことである。
   《参照》  『ガイアの法則』 千賀一生 (徳間書店) 《前編》

           【経度0度と経度135度の文明的特徴】

 既に1995年に、文明の中心となる脈動点は、日本が位置する東経135度に移っているけれど、実質的には1995年から1世紀100年ほどかけて徐々に世界は日本化して行くことになる。英語圏の地理的変貌があるなら、若干速まるだろうけれど、それでも若干。故に、これから最低でも50年間は、遷移期間(過渡期)になる。
 であるなら、日本企業が英語で世界展開しておくのが、「世界の日本化」を実現する上で、急がば回れ的な、「最速の貢献」になるだろう。現段階において、社内公用語が英語であることは、上から目線の展開ではなく、下からないし同等目線の展開になるから、展開はスムーズで、諸外国現地の人々にとって印象も良好である。
 それどころか、日本列島自体が地理的変貌の対象地になる可能性を考慮するなら、日本人は鋭意、あらゆることどもを世界に搬出しておくことが必要だと考えざるを得ない。日本の一流企業であったシャープや東芝の衰退は、ゴールドマンサックスによる“奸計”だけれど、“奸計”というかたちの“神計”によって、その方向で「尻を叩かれている」と考えることもできるだろう。
 ついでに、ウィキペディアを見ていて分かったのだけれど、三木谷さんの実家は、日本の標準時を定める東経135度、兵庫県「明石」にあるらしい。三木谷・楽天がめざす『世界企業』、そして英語を社内公用語とする世界展開方法は、日本が世界の中心になることを定めている『ガイアの法則』に則した、リードオフマンとしての最良・最速の方法であることを「証(あかし=明石)」ているのかもしれない。

 

 

【日本文化防衛ともなるグロービッシュ】
 英語を母語としない人同士の英語を「グロービッシュ」という。(p.33)
 楽天が社内公用語にしようとしているのは、グロービッシュである。グロービッシュの提唱者であるジャン=ポール・ネルエールによると、グロ-ビッシュを話ことは、英語による文化的侵略から自分たちの言語や文化を守ることにもなるという。(p.150)
 ビジネス英語はグロービッシュである。意思の疎通が問題なのであって、発音が正しいかどうかはビジネスを推進させる上で大きな問題ではない。
   《参照》  『即戦力の磨き方』 大前研一 (PHP新書)

            【語学力(英語力)】

 であれば、“大和言葉” とは分別された “日本人の発音によるグロービッシュ(日本人英語)” でいいわけだから、日本文化に対する侵略は起こらない。
   《参照》  日本文化に関する疑問と回答

           【外来語の問題】

 

 

【英語の促成上達法】
 ビジネスで使われる英語には、日常用語ではほとんど使われない専門用語や特殊な言い回しが頻出する。
 しかし、逆に言えば、その専門用語と特殊な言い回しさえ覚えてしまえば、ビジネス上のコミュニケーションは困らないということだ。(p.33)
 極端な例ではあるけれど、プログラミング言語も世界共通語だから、ごく限られたパターンのソースコードを書いて見せれば、相手は何を意図したいのかが分かる。
 今や都内にテンコ盛り来ているインド人技術者と共に開発を進めている日本人技術者たちは、大抵このやり方で、そこそこのコミュニケーションをしているはずである。

 

 

【ヨコテン】
 人事においても、有用なノウハウを持った社員を、楽天グループ各社の中で次々と移動させてきた。楽天市場から楽天トラベルへ、楽天トラベルから楽天カードへ、という具合だ。僕らはこれを「ヨコテン(横展開)」と読んでいる。
 楽天のココテンは、国境をまたぐこともある。その場合はエバンジェリスト(伝道師)と呼ばれているらしい。ゆえにこそ、英語力は必須なのだけれど、有用なノウハウをもった社員に活躍してもらうために、そんな社員を集めて英語力を磨くこともしているらしい。
 ところで、楽天に限らず大抵の企業は、経験が広範囲にわたっていた方が、後々役立つことが多いことを知っているからこそ、ヨコテンをしている。本だって同じジャンルばかり読んでいたら、知性はそれほど伸びないのだし、そもそも飽きるだろう。
 ヨコテンの反対語はタテワリ(縦割り)。日本の発展を阻むお役所の得意技である。
 
【楽天大学】
 楽天市場に出店する店舗の経営者の中には、海外へ販路を広げたいと考えている人も多い。・・・中略・・・。(こう)いった要望に、楽天としてどう応えていくか。楽天が「楽天大学」を通じて、出店者にオンラインショッピングのさまざまなノウハウを提供しているが、出店者の中には「楽天大学で英語を教えてくれ」という声もある。(p.39)
 これを読んで、「楽天大学」 を見てみたら、無料で学べるいろんな充実した内容があるらしい。家に引きこもっている若者が、このサイトを活用したら社会との接点ができるかもしれない。

 

 

【HBSのケース・スタディ】
 2011年8月末、ハーバード・ビジネス・スクール(ハーバード大学経営大学院。HBSと略称される)のケース・スタディとして発表された論文に楽天が取り上げられた。タイトルは、「 Language and Globalization : “Englishnaization” at Rakuten (言語とグローバル化 - 楽天の英語化について)」。(p.68)
 このことは下記リンクに書かれていたけれど、三木谷さんが書いた本書を読まないと、肝心なことは何一つわからない。
  《参照》  『ハーバードでいちばん人気の国・日本』 佐藤智恵 (PHP新書) 《後編》

           【社内英語公用語化】

 社内英語公用語化によって楽天は何を得たのか、肝心なことが分ったので、グローバル化を目指す日本企業の社内英語公用語化について、本書にある見解を肯定的に受け止めることができる。但し、日本人全般に関しては、上掲リンクの見解を変えることはない。
 HBSのケース・スタディは、非英語圏の企業がローカル企業からグローバル企業へ生まれ変わる上で、英語化の問題が避けられないことを教えてくれた。それとともに、その施策が社員の間に痛みを生んでいることも教えてくれた。(p.73)
 社員の間に生まれる痛みは、経営者の意図を十分に理解することなしに和らぐことはないだろう。
 一読者に過ぎないチャンちゃんとしては、経営者の意向が良く分かったことだし、英語上達のために楽天社員に対する支援策を用意したり、かなりの配慮があったことも分かったので、楽天社員の皆さんに対して、「楽天の世界展開ビジネスは、周り回って日本文化の世界展開に貢献することになるのだから、一企業人であることに加えて、一日本人であることにも誇りをもって、英語力向上に励んでください」と言うことができる。

 

 

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