イメージ 1

 右ページに原作の絵、左ページに著者によるエッセイ風の文章が記述されている。「どうしてこの絵からそんな文章が発想されるんだろう」 と思いつつ読み終わってあとがきを読んでいたら、
 毎回、コミックとキーワードを題材にブレーンストームしたが、出てくる意見は人それぞれ。話は様々に発展し、まとめるのが大変なほどだった。(p.94)
 と書かれていた。つまり大人のみなさんの様々な見解のまとめである。子供がスヌーピーのコミックを読んで、どう思うのか分からないけれど、大人の書いた文章なんか無視して、自分の感じ方を大切にすべきだろう。
 副題が PEANUTS KEY WORDS となっているけれど、それぞれのコミックに KEY WORD みたいな小見出しが付けられている。

 

 

【PLEASE : お願いします】
 ペパーミント・パティはなにげなく 「鉛筆を削って」 っていうと、マーシーは
 WELL, YOU DIDN‘T SAY “PLEASE”  (p.38)
 すると、パティは
 HERE, CRABBY.
 PLEASE SHARPEN THIS PENCILE.
 「怒りんぼ・・」 と言いながらも “PLEASE” を添えている。
 PLEASE は人間関係の基本語である。
 学生時代、夏休みになると毎年、東山三条のユースホステルに泊ってウロチョロしていたのだけれど、京都という場所柄から外国人が少なくなかった。夕食時、お醤油を取って欲しくて、指差しながら “SOY SAUCE” と言ったら、言われたアメリカ人の女の子4人に口を揃えて “SAY PLEASE!” と大きな声で言い返され、固まってしまったのを思い出した。
 「取ってください」 がとっさに出て来なくってつい 「お醤油」 だけになってしまったのだけれど、明らかに失礼である。スマイルとプリーズは基本として心得ておかないといけない。

 

 

【WHATEVER : 何はともあれ】
 サリーをはじめ、ピーナッツの仲間たちがしばしが使う 「何はともあれ」。勘違いを指摘されたときや、他の話題に転換したいときなど、切り札のように使える言葉です。
 ・・・(中略)・・・ 。語学習得術は、おとなが道の外国語を学ぶときも同じこと。読み書きだけでなく、実際に話すことで身に付ける。新しい単語に出会ったら、まずは口に出してみる。興味が芽生えた話題を、とにかく話してみる。そしてもしも使い方が間違っていると指摘されたら、二度と同じミスはしないように心掛ければいいのです。ピーナッツの仲間たちのように、間違いを恐れずどんどん話すこと。(p.65)
 子供の時だったら、間違いや勘違いなんていくらあっても WHATEVER はかえって可愛らしい。
 大人になってからであっても、習いはじめの頃は誰だって間違いや勘違いなんてあるものだから、そんなのは気にしない。でも大人になってから、WHATEVER はあまり言わない方がいい。ビジネス・シーンだったら信用されなくなる。

 

 

【CLOUD : 雲】
 空に浮かぶ雲を眺めて、クリスマスの休みを過ごしたペパーミント・パティ。この作文で、見事にコンテストの賞に輝きます。(p.86)
 子供も頃は、カラッポになって ”雲” を眺める時間が多かった。大人になった今は、雲を眺めていてもカラッポになっていない。自然が心に浸透してこないのである。大抵の大人は壊れてしまっているのだと思う。
 雲はロールシャッハテストのように、見ている人の心を映す。だから、人生に関する最良の対話相手であるはず。ペットのように人の心を汲んだそぶりをすることもない。ただただ流れのままに定めなき形の世界に心を誘う。誘われても飛び立てない心であるなら、重すぎるのである。カラッポにならないと雲のようには飛べない。
 何はともあれ、WHATEVER と CLOUD は相性がいい。

 

 

<了>