
冒頭に、ブレイクスルー(突破)思考の典型例として、新米社員であるサマーズの成功例が書かれている。サマーズは、企業経営上の問題に関して、コンサルタントの合理的解析結果による改善案に同意せず、企業本来の目的から考えて独自に解決方法を編み出し成果を挙げたのである。
【デカルト思考とブレイクスルー思考】
《参照》 『複雑系の経営』 田坂広志 東洋経済 《前編》
【 「機械的世界観」 と 「要素還元主義」 】
しかし、ブレイクスルー思考の考え方に触れてみると、「要素還元主義」 から 「ホログラム」 の概念に基づいた思考への変換は、真の意味でのパラダイムシフトになっていなかったのではないだろうかと思えて来るのである。
デカルト思考とブレイクスルー思考の対比は、以下の疑惑ゲームと信用ゲームの対比に象徴される。
「突破の科学」 のベースになっているブレイクスルー思考は、従来の思考であるデカルト思考をパラダイムシフトさせる力を持っている。(p.120)
アインシュタイン曰く、「人類が直面しているさまざまな難問は、それが出てきた思考のレベルでは解決できない。思考のレベルを変えるべきだ。人類が今なさねばならないのは、新しい思考を発見することだ」 と。
ブレイクスルー思考が、その新しい思考であることには間違いない。(p.121)
デカルト思考とは、分割して要素に落とし込んでゆく 「要素還元主義」 の思考法であり、その思考法の限界に気づいていたニューエイジの思索家たちは、パラダイムシフト(思考の枠組みの変換)の必要性を訴えつつ、部分と全体を等価に見る 「ホログラム」 の概念に基づいた思考法を主張していた。アインシュタイン曰く、「人類が直面しているさまざまな難問は、それが出てきた思考のレベルでは解決できない。思考のレベルを変えるべきだ。人類が今なさねばならないのは、新しい思考を発見することだ」 と。
ブレイクスルー思考が、その新しい思考であることには間違いない。(p.121)
《参照》 『複雑系の経営』 田坂広志 東洋経済 《前編》
【 「機械的世界観」 と 「要素還元主義」 】
しかし、ブレイクスルー思考の考え方に触れてみると、「要素還元主義」 から 「ホログラム」 の概念に基づいた思考への変換は、真の意味でのパラダイムシフトになっていなかったのではないだろうかと思えて来るのである。
デカルト思考とブレイクスルー思考の対比は、以下の疑惑ゲームと信用ゲームの対比に象徴される。
【疑惑ゲームか信用ゲームか】
疑惑ゲームは、分析と推論の積み重ねを重視する典型的なデカルト思考だ。 ・・・(中略)・・・ 。このアプローチは分類という “割り算” や評価や批判という “引き算” のアプローチといえるだろう。
一方の信用ゲームでは、プレーヤーは、まず、すべての主張を肯定し信用する。 ・・・(中略)・・・ 。つまり信用ゲームは、アイデアをどんどん増加させるという “足し算” と各人の意欲と創造性を高め、相乗効果を目指す “掛け算” によって、無数のアイデアを出し、そこから最良の解決策を獲得するアプローチなのだ。(p.43-44)
一方の信用ゲームでは、プレーヤーは、まず、すべての主張を肯定し信用する。 ・・・(中略)・・・ 。つまり信用ゲームは、アイデアをどんどん増加させるという “足し算” と各人の意欲と創造性を高め、相乗効果を目指す “掛け算” によって、無数のアイデアを出し、そこから最良の解決策を獲得するアプローチなのだ。(p.43-44)
【原則1 <ユニーク ”差” の原則>】
ブレイクスルー思考には7つの原則があると書かれている。その原則1。
かつてのどこかの成功例から学んで、共通する部分があるからといって自分のところに当て嵌めたとしても、同じような成果は期待できない。共通しない部分こそが <ユニーク “差” > となって存在しているからである。
ブレイクスルー思考には7つの原則があると書かれている。その原則1。
すべての問題は、相互に相違点を持つ固有の問題である。過去の延長線上に未来はない。すべての問題に固有の差があるから、解決法もすべて異なるはずなのだ。(p.17)
当たり前のことが記述されているけれど、これをきちんと認識しておかないから成果が得られない。かつてのどこかの成功例から学んで、共通する部分があるからといって自分のところに当て嵌めたとしても、同じような成果は期待できない。共通しない部分こそが <ユニーク “差” > となって存在しているからである。
【原則2 <目的展開の法則>】
問題解決の目的を知った上でしか解決策は得られない。つまり問題を解決しようとするなら何のために問題を解決するのかを知らねばならないということだ。そして目的を知ることは、問題の本質・物事の根本を把握することにつながる。問題解決に取り組むならば、まず問題の目的を問い、その目的の目的を問う。(p.18)
問題点を煮詰める思考法ではなく、目的を煮詰めるマインドセットに切り替える必要がある。
過去と現在を分析して 「どこが問題か?」 「誰が悪いか?」 を問うマインドセット(心の持ち方)から 「何のため? その目的は?」 と根本を問い、あるべき姿から学ぶマインドセットに切り替えることをお勧めする。(p.122)
この記述の中に “あるべき姿” という言葉があるように、原則2と原則3は強くリンクしている。
【原則3 <先の先から見た “あるべき姿” の原則>】
過去から未来に押し出すのではなく、未来から引っ張る原則である。(p.19)
「既に存在している未来」 というような表現を、アメリカの経営学者の著作の中で見ることがあるけれど、知力が至れば必然的に、そのような表現の世界に足を踏み入れるようになるのである。
【原則7 <継続変革の原則>】
《参照》 『数値力の磨き方』 野田宜成 (日本実業出版社)
【老舗に関する数値】
「永続的に最善の策はありえないから、つねに変革を心がけよ」 というものだ。個人も組織も周辺の環境と共に常に変化している。だからひとたび実効した解決策は、随時見直し、改良しなければならない。この原則は、 “変化を楽しむ” 姿勢を私たちに求めている。(p.23)
今日的ビジネス環境にあっては、このような認識は常識的なものであると思うから、これは何もブレイクスルー思考を特徴づける主要な骨子というのではないけれど、生々流転、諸行無常は世の定めという視点を揺るぎないものにするために原則7に挙げられているのだろう。
古いことわざに “賢人は考えを三回変えるが、愚か者は一度も変えない。賢いものは変化した環境に自分自身を適応させる” という言葉があります。考えを一日に三回変えるということは、一日に三回新しい事柄を発見し、新しいアイデアをつくり出せるということを意味しています。愚か者は、何もつくり出せないので、全く変わることができないのです」 (p.101-102)
だから、数百年に渡って永続する企業は、本業にこだわらないのである。《参照》 『数値力の磨き方』 野田宜成 (日本実業出版社)
【老舗に関する数値】
<了>