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 国策捜査という国家暴力によって刑務所暮らしを経験したことのあるお二人の対談。2008年4月初版。
 村上正邦さんは、神道系の思想を保持している成長の家を支持団体として国会議員をなさっていた方。谷口さんの思想に傾倒していたという三島由紀夫のことも少しだけ (p.219)  語っている。
 佐藤優さんについては、下記リンク書籍の中で言及されていた。
   《参照》   『強い日本への発想』 竹村健一・日下公人・渡部昇一 致知出版
             【キリスト教神学】

 しかし、この本の中では、ブルーノ・ビッテル神父さんのことを僅かに語っている (p.169) だけで、キリスト教神学については殆ど言及していない。語られているのは、 『神皇正統記』 を中心とした国学思想に関してである。

 

 

【愛が欠けている】
 外務省出身の佐藤さんが前書きで書いていること。
佐藤 : 能力が基準に達していないキャリア官僚が尊大な態度をとっている。このような輩によるセクハラ、パワハラが横行している。ノンキャリアにはいじけた専門家が多く、モラルも低いので、能力が国際基準に達していない。その根源は日本国家と日本人同胞に対する愛が欠けているからである。(p.4)
 こういう役人によって、日本国家は形成されているのである。愛の極みは “忍耐” でもあるのだけれど、並みの愛国心を持つ人々ならば、霞ヶ関に爆弾を撃ち込みたくなることだろう。

 

 

【正義】
 村上さんは、日本のあるべき姿を考え、 「ものづくり大学」 創設に尽力した方であるけれど、国策捜査によって有罪とされてしまった。そんな時、ものづくり大学の総長となった梅原猛氏に言われたこと。
村上 : 「あなた、やはり裁判では有罪になったじゃないか。それで信じてくださいって言ったって、信じられないよ」。こう言われてね。
 それで私はそのとき、やはり世間はこういうものかなと思いましたね。では、裁判というものは一体何だ。司法というものは本当に正義なのか、公平なのかと、そこでまた憤りが出てくるわけです。正義とか真実が即、無罪につながらないのが、現実の司法なんです。
佐藤 : 私もまったく同じ体験をしているんです。(p.30)
 多少なりとも政治問題に関心を持ったことがある人なら、 “正義は無意味と同義語” としか言いようのない事態に頻繁に出くわしているだろう。国家というのは、その時々の権力の都合次第で、不都合な人々をどのようにでも裁き貶め辱めてゆくものである。マスコミを使って貶め辱めたり、司法を使って裁く以前に、肉体そのものを闇に葬ってしまうくらいのことだって、現在も普通におこなわれているのである。
   《参照》   『売国者たちの末路』 副島隆彦・植草一秀 (祥伝社)
             【会計士の不審な死 : 「植草追い落とし」の準備】
             【警察や検察庁の実態】

 

 

【国家は暴力装置】
佐藤 : 〈国家権力っていうのは暴力を独占する装置だ〉と、かつてマックス・ウェーバーが言っていたけれど、本当にウェーバーは正しいと私も思ったわけです。(p.34)
 「自衛隊は暴力装置だ」 と言うと 「左翼か?」 と思われてしまうけれど、右翼・左翼関係なく司法やマスコミや警察をも支配して不都合な人間をどのようにでもあしらう、という意味において国家権力は暴力装置であるという側面を明らかにもっている。
佐藤 : 檻の中に入っていると、殴りこそしないけれども、あれは暴力そのものですよね。これはやっぱり経験した者、体験した者にしかわからない世界ですけれど。(p.34)
 権力に驕った輩や媚びたり迎合している輩が恣に振る舞い、パワハラが常態となっている世界に、真も善も美も探そうとするだけ無駄である。そのような世界に、 “大和ごころ” など何処にもない。 “まこと” という概念はまったくないのである。
 つまり、現在の日本の政治は、日本国家が本来体現すべき真の政(まつりごと)ではなく、欧米流の “力が正義(Power is justice)” というレベルに成り下がってしまっているのである。

 

 

【法をねじ曲げることなど平気な人々】
村上 : 私は立法府にいた人間で、法律を造る立場にいた人間です。 ・・・(中略)・・・ 。
 立法に際して、国会議員は、国家の弥栄、国家・国民の安全、安心などざまざまな角度から検討します。こうした法体系の下で、立法・司法・行政が的確にそれぞれの役割を果たしているわけですね。行政官である検事は自らを律しており、中立・公正・厳正な取り調べを行うと信じていたけれど、事実は大違いでした。彼らは恣意的に法をねじ曲げることなど平気です。人間性を疑いたくなりますね。(p.64-65)
 法ではなく、検事村の掟がすべてなのである。
佐藤 : その観点からすると一番の無法者というのは特捜検事たちですね。法で動いていない、検察村の掟で動いているんですね、あの人たち。
村上 : そうです。
佐藤 : 彼ら自身が掟なんですよ。先輩後輩の関係であるとかね。取り調べの汚いやり方とか、そういったことが彼らの秘伝や掟としてあるんですよ。あの取調室の中というのは法がまったく機能していないところがありますよね。まさに掟の世界ですよ。(p.73)