《前編》 より
【選択と集中は 「インタンジブルス」 を損なう】
《参照》 『学校の勉強だけではメシは食えない!』 岡野雅行 こう書房
【最先端のものばっかり追いかけていると、基本的なものが作れなくなってくる】
そもそも、現在の家電は複合化した性能を持つ時代である。選択と集中に特化せず、有機体を維持してきた日本企業の強みはこれから増すばかり。凋落するのは率先して選択と集中に取り組んできた外国企業である。
「選択と集中」 路線は “アビリティ(能力)“ と馴染み、 「有機体」 路線は ”ケイパビリティ(適応性、将来性)” に相応しいはずである。前者の場合、時流と共に要素還元主義のような綻びに行き着くことだろう。
大塚 : 「選択と集中」 をした結果、本当に国際競争力がついたかどうか検証する必要があると思います。むしろ分断された結果、企業としての活力が下がってしまっているのではないかという印象をもっています。
有機体として成立している部分が、日常の業務活動に潜む 「インタンジブルス」 です。(p.166)
選択されず集中の対象とならなかったが故に、それに関するノウハウを廃棄してしまっていれば、その回復には恐ろしく時間がかかってしまう。技術は時流に選ばれなければ陳腐化の一途をたどるだけではない。数十年のサイクルで再び使えることだってある。そんな事例が下記の書籍にある。有機体として成立している部分が、日常の業務活動に潜む 「インタンジブルス」 です。(p.166)
《参照》 『学校の勉強だけではメシは食えない!』 岡野雅行 こう書房
【最先端のものばっかり追いかけていると、基本的なものが作れなくなってくる】
そもそも、現在の家電は複合化した性能を持つ時代である。選択と集中に特化せず、有機体を維持してきた日本企業の強みはこれから増すばかり。凋落するのは率先して選択と集中に取り組んできた外国企業である。
「選択と集中」 路線は “アビリティ(能力)“ と馴染み、 「有機体」 路線は ”ケイパビリティ(適応性、将来性)” に相応しいはずである。前者の場合、時流と共に要素還元主義のような綻びに行き着くことだろう。
【日本型人材育成】
また、いろんな部署で学んださまざまな知恵・工夫こそが、機械化・標準化の先にある 「インタンジブルス」 となっているのである。
日下 : 日本企業が求めるのは、アビリティ(能力)よりも、まずケイパビリティ(適応性、将来性)です。
つまりビジネスの基本になる 「いろいろな注文を受けてこなします」 ということは、ケイパビリティがあってこそ実践できる。ケイパビリティは多様性であり、応用が利く。それが未来へのクリエイティビティにつながる。
一方のアビリティは、その場その場の解決で、ソリューションにすぎないから次元が低い。有り体に言うとくだらない。だが、近頃の若い人はそれがわからない。とくに留学などすると、アメリカ人の思考になってしまうようです。(p,40-41)
仮にお茶くみから始めたとしても、単なるお茶くみとは考えず、最も美味しいお茶を出そうと工夫したら、お茶の種類、お湯の温度、タイミング、茶碗の厚み、そして柄、季節、作法などの複合効果をベストマッチさせるべく、かなり高度な頭脳労働として取り組むことができるだろう。この工夫は他の仕事で応用が利くはずである。つまりビジネスの基本になる 「いろいろな注文を受けてこなします」 ということは、ケイパビリティがあってこそ実践できる。ケイパビリティは多様性であり、応用が利く。それが未来へのクリエイティビティにつながる。
一方のアビリティは、その場その場の解決で、ソリューションにすぎないから次元が低い。有り体に言うとくだらない。だが、近頃の若い人はそれがわからない。とくに留学などすると、アメリカ人の思考になってしまうようです。(p,40-41)
また、いろんな部署で学んださまざまな知恵・工夫こそが、機械化・標準化の先にある 「インタンジブルス」 となっているのである。
【 「現場主義」 という 「インタンジブルス」 】
「よい管理業務」 は、必ず現場活動の情報を活用しています。中でも重要なのは、現場にまつわるアナログ情報です。
デジタル化されて机の上のパソコンに届く数字だけに頼らず、現場感覚を持ちながら仕事をすることで、はじめて 「よい管理業務」 になります。多くの人が 「そんなことは当たり前だ」 と思うでしょう。つまり、これが日本の 「インタンジブルス」 なのです。(p.170)
日本人にとって当たり前の 「現場主義」 も、アビリティ基準で職能採用している欧米では、これが当たり前ではない。分担していない現場は、あくまでも自分とは無関係な別現場なのである。欧米のみならず、アジア諸国にしても、階級社会という基礎構造がある国々では、「現場主義」 は当たり前ではない。デジタル化されて机の上のパソコンに届く数字だけに頼らず、現場感覚を持ちながら仕事をすることで、はじめて 「よい管理業務」 になります。多くの人が 「そんなことは当たり前だ」 と思うでしょう。つまり、これが日本の 「インタンジブルス」 なのです。(p.170)
【自惚れた人は要りません】
大塚 : とくにアメリカでは、専門性とか即戦力を主張しますが、とんでもない話だと思います。 “専門” がすぐ有用性を失う時代ですし、誰だって訓練しなければ仕事などできるようになりません。
私は、自分が即戦力だと言ってくるような学生は採用するなと力説しています。自分の力がないことも知らない、自惚れた人は要りません。
会社に入ってひとつひとつ仕事を覚え、世の中に通用する人間になっていくという気持ち、それを新入社員に持って欲しい。そうなるように会社がいろんなかたちで支援する。これが日本式の社員と会社の関係です。(p.181)
巷で販売されている面接マニュアルでは、この記述とは逆に 「得意なことを語って売り込め」 式の方法が記述されているらしい。大学時代に学んだことなんて企業に入ってから学ぶことに比べたら、どれほどのこともないのに、アメリカ式のマニュアルが数多の “自惚れ屋“ を製造しているのだろう。私は、自分が即戦力だと言ってくるような学生は採用するなと力説しています。自分の力がないことも知らない、自惚れた人は要りません。
会社に入ってひとつひとつ仕事を覚え、世の中に通用する人間になっていくという気持ち、それを新入社員に持って欲しい。そうなるように会社がいろんなかたちで支援する。これが日本式の社員と会社の関係です。(p.181)
【風合い】
そもそも、アメリカ的知性を身につけた外資系の人材は、日本企業では嫌われているのである。
《参照》 『敗者の論理 勝者の法則』 増田俊男 (プレジデント社) 《後編》
【日本企業が嫌がる外資出身者】
日本の 「インタンジブルス」 を 「タンジブルス」 にするポイントは、日下さんが上記の最後で書いている文章である。
日下 : 中高年の女性たちが、「風合い」 という日本語でしか言い得ない価値を生産していたように、日本人はそうしたものを自然に作れるらしい。アメリカに留学したことで大きな顔をしているエリート層を追い払ってしまえば、自然に日本はよい風合いを作るようになる。(p.188)
日本人にとっての風合いは、見た感じや手触りのことだから、アメリカかぶれのエリートには、“風合いのよい物” など全く作れない。この “風合い” という言葉は、日本社会に遍在する 「インタンジブルス」 を象徴する言葉として相応しいかもしれない。そもそも、アメリカ的知性を身につけた外資系の人材は、日本企業では嫌われているのである。
《参照》 『敗者の論理 勝者の法則』 増田俊男 (プレジデント社) 《後編》
【日本企業が嫌がる外資出身者】
日本の 「インタンジブルス」 を 「タンジブルス」 にするポイントは、日下さんが上記の最後で書いている文章である。
【アメリカの文化状況】
中国とて貧富の格差問題で、社会の根幹は地滑り的な危機を内包しつつ揺らいでいるはずである。
米中に比べると、日本社会は遥かに安定している。日本は諸外国に比べて安定しているというだけではなく、なおかつ、水面下の見えざる(日本人が自覚してこなかった) 「インタンジブルス」 という資産があるのである。これらの 「インタンジブルス」 が担保となって、日本は世界の中心に浮上することになるのである。
《参照》 『イスラムマネーの奔流』 北村陽慈郎 (講談社) 《後編》
【日本の素晴らしさは】
モース : アメリカの文化は、ひとつの文化ではありません。黒人の文化、貧乏な人の文化、メキシコからの移民の文化、白人の文化、たくさんの外国人たちも住んでいる。 ・・・(中略)・・・ 。
今、アメリカの中高生は学校でスペイン語を勉強しています。建設業界でも自動車業界でも何でも、スペイン語ができないと仕事ができない。言葉からしてバラバラなのです。
ヒスパニックの急増は、公用語としての米語を失うことであり、アメリカ社会の根幹を揺るがす問題である。
今、アメリカの中高生は学校でスペイン語を勉強しています。建設業界でも自動車業界でも何でも、スペイン語ができないと仕事ができない。言葉からしてバラバラなのです。
モース : アメリカで重要なのは、「誰のアイデンティティが成功できるか」 ということです。
みんなバラバラですから、ひとつにまとまったアイデンティティはありません。そのなかで、誰のアイデンティティでやっていくかが問題なのです。(p.91)
基軸通貨ドルのカウントダウンに合わせるように、アメリカ社会の根幹が崩れつつある。このような状況は、NHKのドキュメンタリーでもやっていたし、アメリカで生活している方からも直接聞いたこともある。みんなバラバラですから、ひとつにまとまったアイデンティティはありません。そのなかで、誰のアイデンティティでやっていくかが問題なのです。(p.91)
中国とて貧富の格差問題で、社会の根幹は地滑り的な危機を内包しつつ揺らいでいるはずである。
米中に比べると、日本社会は遥かに安定している。日本は諸外国に比べて安定しているというだけではなく、なおかつ、水面下の見えざる(日本人が自覚してこなかった) 「インタンジブルス」 という資産があるのである。これらの 「インタンジブルス」 が担保となって、日本は世界の中心に浮上することになるのである。
《参照》 『イスラムマネーの奔流』 北村陽慈郎 (講談社) 《後編》
【日本の素晴らしさは】
<了>