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 企業経営に関する、日本的経営の再評価が骨子の内容。今日では、富士通が先んじて取り入れたアメリカ型の成果主義が失敗だったことは明白になっている。日産のゴーン改革についても、そのマイナス部分が書かれてもいる。日産に対してオリンピックで二人のメダリストを生んだ企業・日本電産の経営も記述されている。日本本来の “和の経営” の大切さが充分良く理解できる著作である。
 アメリカに20年間住んでいた著者の記述は参考になる。2005年7月初版。

 

 

【アメリカのための金融政策】
 日本企業はリストラの真っ最中でまったく資金需要がないのに、政府日銀はマネーサプライを拡大し続けてきた。その資金が、日本の金融機関と市場を通じて、アメリカの双子の赤字を補填し続けてきた。
 お金の借り手がない日本で何兆円というお金を市場に出せば、行き場のない資金がアメリカの市場へ向かうのは、いまや常識である。日本の金融政策は、実はアメリカの株価対策だったのである。ブッシュ大統領の減税政策でアメリカ経済はITバブルの崩壊を住宅バブルが引き継いでクラッシュを免れたが、これは日本の金融機関がアメリカの住宅金融公社の発行するモージェージ担保証券を買い支えたからである。(p.54-55)
 ブッシュ=小泉政権時代の日本は、まさに貢君状態だった。
 金融面でもまるで主権を行使していない。まさに属国。
   《参照》   『日本がアメリカと世界を救う!』 増田俊男 (徳間書店)
           【中国の崩壊を延期させ、さらに太らせるために使われる日本の資金】

 

 

【金融緩和政策による日米の違い】
 アメリカ人はもともと信用能力の限界まで借金してものを買うから、金利が低くなればそれだけ可処分所得が増えたと考える。
 しかし日本人は、貯蓄の額が多いから金利が下がると心理収入が少なくなってしまう。その分所得が目減りすることになり、購買意欲も低下してしまうのである。
 だから、日本では金融緩和政策が消費拡大につながらなかったのである。(p.112)
 日本の金融緩和政策は、消費拡大につながらないどころか、「増えない日本で貯蓄しておくより、アメリカのモーゲージ担保証券を買いましょう」 という、これもアメリカのための横流し政策だった。

 

 

【アメリカの 「見えざる国境」 】
 アメリカ企業が海外に移転する一方で、アメリカ国内に非アメリカ人が増えてきた。ここ数年のあいだに、アメリカの国家としてのまとまりが揺らぎかねない事態が進行していたのである。このようにアメリカはいま、自由な競争が行き過ぎて、人心が荒廃し、それに対する反動として宗教右派の勢力強くなった。そして、宗教右派の支持を受けたブッシュ大統領が誕生することとなったのである。(p.92)
 そのようにして誕生したブッシュ政権は、ネオコンのスタッフをそろえてスタートし、911テロを仕組んでいたことなど、アメリカ国民はインターネットの真実情報で知ることになったけれど、妊娠中絶の反対、同性婚の禁止を標榜していたブッシュは、宗教右派の支持で再選したのである。
 多くのクリスチャンたちは、国際正義よりも国家財政よりも、宗教的道徳心を重視してブッシュ大統領に投票したのである。 ・・・(中略)・・・ 「政教分離」 はあくまでも建前であり、キリスト教はアメリカの 「見えざる国境」 なのである。(p.76)
 キリスト教徒にとって、内向きの宗教的道徳心と、外向きの野蛮は矛盾しない。キリスト教神学による異教徒に対する排他性は “見えざる剣“ ですらある。
   《参照》   『強い日本への発想』 竹村健一・日下公人・渡部昇一 (致知出版)
                【キリスト教神学】
   《参照》   『ニューイングランド物語』 加藤恭子 (NHK)
               【二面性を悩まないアメリカ人】