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 年が変わってから日本の冬が数週間寒かったからといって、地球の温暖化が収まったわけではない。2007年7月初版。
 地球温暖化の抑止策として、スーパーポローニアという有用な樹木が紹介されている。

 

 

【今年の冬の大雪の原因は】
 地球の温暖化は、もう疑う余地がない。しかしそれでも、「ほんとうに温暖化しているのか」 という懐疑的な声もある。たまたま2006~7年の冬は暖かかっただけ。その前年は大雪だったではないかと、「平成18年の豪雪」 を持ち出す人もいる。確かにこの年は豪雪だった。しかし、」この豪雪の原因は、じつは温暖化にあったのだ。
 雪は、海水が蒸発し、それが上空で急激に冷やされて降る。大雪の年、日本近海の海水温は異常に高く、大量の海水が蒸発した。それが冷やされて雪になったための大雪で、背景には温暖化があるのだ。(p.43)
 今年の大雪も、平成18年に準ずる原因なのだろう。北極振動と言われる北極の寒冷域が今年は日本の上空に長く居座ったため、日本海で吸い上げられた蒸気が大雪になったのだろう。
 ヒトデ形状の北極振動の寒冷域が及ばなかったバンクーバーは、新潟付近よりも15度も北緯にありながら、雨模様の天気が多かったらしい。

 

 

【2度Cを越えて上昇すると】
 地球温暖化について多くの著書をもつ山本良一・東京大学教授は、「地球の平均気温が産業革命以前と比べて2度Cを越えて上昇すると、気候変動が手に負えなくない、社会や生態系が壊滅的な影響を被ると予測される」 と、自身が責任編集されている 『気候変動+2度C』 に書いておられる。
 山本教授だけではない。地球温暖化研究の第一人者であるNASAゴッダード宇宙研究所のハンセン博士もこういう。「地球の平均気温が2~3度C上昇すると、今日知っている地球とは違う惑星が誕生するのを目の当たりにすることになる。」 (p.52-53)
 後半にあるハンセン博士の見解は、下記の書籍の中でも引用されている。
   《参照》   『このままでは地球はあと10年で終わる!』 (洋泉社)
            【10年しか残されていない未来】

 

 

【CO2を回収する技術】
 温暖化の原因と言われるCO2は、いくら排出をおさえる努力をしたところで、大気中に滞留しているCO2の量が減るわけではない。既に大気中に滞留しているCO2を回収する方法が必要である。
 沖縄近海でメタンハイドレードの層が発見されたけれど、
 CO2は水深2400mより深いところでは液化して海底へ沈むため、深海底へ封じ込める技術が研究されているそうだ。 ・・・(中略)・・・ 。この技術が開発されれば、大量のCO2を海に封じ込めることが可能になるだろう。(p.87)
 このような有用な技術は是非とも開発してほしいけれど、もっと基本的で誰でも協力できるのが植林である。

 

 

【植林活動】
 ケニアの環境活動家ワンガリ・マータイ氏の 「グリーンベルト運動」 だ。砂漠化を防止するために、7本の木を植えることから始まったこの植林活動は、いまや3000万本の木を植えるに至った。のみならず、貧困に苦しむ女性に働く場を提供し、女性に自立や社会参加を後押ししている。
 この運動はケニア国内にとどまらず、アフリカを中心に約20カ国に広まっているそうだ。マータイ氏はこうした活動によって、2004年にノーベル平和賞を受賞した。
 また、「MOTTAINAI(モッタイナイ)」 という日本語とその精神を世界に広めたのも、大きな功績だ。(p.94)
   《参照》   『もったいない』  プラネット・リンク編  マガジンハウス
 植林は、現在いちばん効率的で現実的な温暖化対策である。
 ・・・(中略)・・・ 。
 問題があるとすれば、効果が出るまでに時間がかかることだ。気が成長してCO2を吸収できるようになるまでには、数10年の歳月を必要とする。それではとても間に合いそうもない。そうした現状を考えたとき、4~6年で成長し、杉の10倍ものCO2を吸収するスーパーポローニアの存在は大きい。 (p.94-95)

 

 

【スーパーポローニア】
 スーパーポローニアは、桐の仲間である。ポローニア(paulownia)は、英語で桐を意味する。しかし 「スーパー」 とついているように、ただの桐の木ではない。数種類のポローニア(桐)を掛け合わせて誕生したハイブリッド樹木なのである。(p.111)

 

 

【桐って木じゃない】
 日本では桐は高級木材だが、じつは桐は木ではない。ゴマノハクサ科の植物で、その証拠に真ん中は空洞になっている。これは植物の特徴で、樹木には見られないものだそうだ。(p.116)
 成長の遅い木は、密度が高く重い。密度が低く非常に軽い桐は、成長が早い。これも樹木ではなく植物だからこその特徴なのであろう。
 軽い材質ということは、気相を多く含むことから、断熱性、防音性に優れているという特徴も併せ持つ。

 

 

【スーパーポローニアの高い経済価値】
 木材として使える木に育つまで、杉だと20~30年、檜だと40年くらいかかります。(普通の桐は15~20年) でも、スーパーポローニアなら4~6年。しかも病気に強く、虫もつきにくい。耐火性もあって加工しやすいなど、たくさんのメリットがあります。木材としての経済価値が高いんですね。(p.147)
 オーストラリアでは、日本人が思いもつかないようなところで、スーパーポローニア材料をふんだんに使っているという。
 スーパーポローニアなら、環境問題というネガティブコストを、逆にポジティブコストとして利用できる。

 

 

【スーパーポローニアの問題点】
 いまあるスーパーポローニアは、カリフォルニアやクイーンズランドに合ったタネだ。この交配がむずかしいという。(p.129)
 スーパーポローニアは気候風土や年間降水量に応じてタネの組み換えをしなければなりません。その土地に合ったタネを交配しなければならないのです。土地の条件もあります。(p.150)
 日本の風土に合ったスーパーポローニアができたら、荒れ地をスーパーポローニアの植林地にして、木材加工業者に販売するなど、有効利用ができることだろう。 
 
<了>