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 売れない原因は、売る側の人間にあります。モノが悪いのではなく、売る人の人間観察力がないから売れないのです。あるビジネスで成功した人は、ほかの商品を扱う畑違いのビジネスへ転職しても、やはり成功します。(p.2) と、まえがきに書かれている。なるほど、実体験上でもその通りである。

 

 

【 “流行る” と “流行らない” 】
 流行る神社と流行らない神社があります。
 流行る神社はやはり 「いい空気」 をつくっています。
 そもそも 「いい空気」 のあるところが流行る神社になっていくのです。
 山の方へ行くと滝があって、そのそばには必ず神社があります。
 なぜかというと、滝は人を集めるのです。
 テーマパークをつくる時もそうですが、水のモニュメントは必ずつくられます。
 滝の落ちているところは、陰イオンがあり、これによって人間の気持ちがリラックスするのです。
 ・・・中略・・・。
 これからの時代は、小売業は、神社になる時代です。(p.50)
 他のページも読んでみると、著者が意味している 「いい空気」 とは、必ずしも物理的なマイナスイオン効果を意味しているだけではない。そこにいる人の気持ちをも含んでいる。
 菱研の深見東州所長も 「清荒神方式」 と言っていた。ややさびれつつあった清荒神を祭っている神社の神職が、祈りに費やす時間をコンスタントに取り込んでいったら、参拝客が増えたという事例である。神職の祈りの内容とは “参拝者の幸せ“ である。小売業の場合も、売上ではなく顧客の幸せを思ってプロデュースするのが本筋ということになる。
 売らんかなビジネスや、顧客の気分転換の価値すら認知していないビジネスではとうていやって行けない。

 

 

【心と心のカテゴリー】
 お金がないと言っても、デザートには少々高くてもお金を払います。
 それは、物とお金ではなく、心と心のカテゴリーだからです。
 デザートは物ではなく、心なのです。
 だから、デザートは入っていけるのです。
 「口直し」 という表現もまさに気分転換です。
 ・・・中略・・・。
 デザートが充実しているレストランはやはり流行っています。
 デザートはただのオマケではないのです。
 あなたがオマケでしていることを一生懸命やってみてください。
 実はそこにサービスの本質が隠れています。(p.58)

 

 

【女性客】
 あるショッピングセンターで、これまで30台置けた駐車スペースを、全体の広さを変えずに、24台置けるように引き直しました。
 つまり、1台分のスペースを広くしたのです。
 おける車の台数は、20%少なくなりました。
 にもかかわらず、売上は伸びたのです。
 どうしてでしょう。
 駐車スペースが広くなることによって、運転の苦手な女性客の来店が増えたのです。 (p.95-96)
 明らかに、バック運転を苦手とする女性は多い。だから女性客は、心理的に広い駐車場のある店を選ぶだろうことは想像に難くない。
 海外の一流ホテルに行くと、マイカーで来たお客さんの車を、駐車場に停めるバレットパーキングというサービスがあります。
 車社会のロサンゼルスの場合、ちゃんとしたレストランは、自分で車を駐車することはほとんどないくらいです。(p.97)

 

 

【本の値段】
 本の値段は、文字数ではなく、自分が出会いたかった一行の値段で決まるのです。 (p.135)
 かなりビジネス的な視点による見解に思えるけれど、著者のあっけらかんとした自画自賛とはいえない。私も常々、本は長ければ良いとは思っていない。
 本を読む気になれない時、著者の本を手にすることが多いけれど、それは、読書目的いかんにかかわらず、著者の本では、「なるほど」 と思える一文に出会える確率が高いことを知ってもいるからである。

 

 

【ビジネスの研究は、結局、人間の研究だ。】
 自分がどうしたら成功できるかということばかり考えている人は成功できないのです。
 みんなが幸せになれるにはどうしたらいいか、みんな気持ちよくなれるのはどうしたらいいかということを考えることができる人が、結果として本人が幸せになれる人なんです。 (p.140)
 人もお金も、結局、幸せな方へ・温かい方へ・気持のいい方へ・と向かって流れてゆく。
 
 
<了>