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 2日前に掲載した 『タイゾー化する子供たち』  原田武夫 (光文社) の内容が、プロバイダーであるソフトバンクの不興を買ったらしく、その掲載ブログを一方的に削除するという、あってはならない憲法違反の暴挙を実施してくれたから、その御礼に、ソフトバンクが日本を格差社会へと推進する改革派の一企業として、どのような位置にあったのかを、この本から書き出してみようと思い、2003年12月初版のこの古書をひっくり返して読んでみた。

 

 

【宮内義彦語録】
 改革派の筆頭に位置しているオリックス会長の宮内義彦氏。 『タイゾー化する子供たち』 の中で3つの改革派組織の委員長の肩書が紹介されていたが、この書籍には 「IT関連規制改革専門調査会」 の座長 (p.62) でもあることが書かれている。
●いまこそ、考えてほしい。国の衰退は、容易に起こるということを。アルゼンチンは第2次大戦後は南米屈指の豊かな国だった。ところがいま、存亡の危機にある。(p.54)
 「日本もさっさと構造改革しないと、デフォールト(債務不履行)して、IMF管理下に置かれているアルゼンチンと同じになってしまうよ」 と言いたかったのであろう。恐ろしく間抜けなご意見である。
 じつは、アルゼンチンは、シカゴ大学経営学部のミルトン・フリードマン教授 Milton Friedman のゼミで学んでいた 「シカゴ・ボーイズ」 が、無茶苦茶な 「構造改革」 を進めたせいで国家の破産 crash down を招いたと、かつての一員だったジャーナリストのグレッグ・パラスト氏 Greg palast が 『金で買えるアメリカ民主主義』 (貝塚泉・永峯涼訳、角川書店、2003) で暴いている。 (p.55)
 宮内義彦氏、御自身の頭の中を改革するのが先ではないか。
 さて、この宮内さんとソフトバンクの関連はというと・・・・。

 

 

【 「IT関連規制改革専門調査会」 の座長・宮内義彦氏 と ソフトバンク の親密な関係 】
 宮内義彦氏と村井純氏は、2人ともソフトバンク人脈なのである。ソフトバンクの 「アニュアルレポート2000」 には、こんな記述がある。
 ソフトバンクは、企業価値ならびに株主価値の最大化を経営目標として、株主の皆さまに対する責任を果たすべく経営を行っております。このため、1999年6月、藤田田氏、宮内義彦氏、大前研一氏、村井純氏らを社外取締役として招聘しました。
 宮内義彦氏はかつてソフトバンクの取締役を務め、旧日債銀(現あおぞら銀行)の買収の時には共同出資している。 (p.63)
 私のブログを削除した理由がわかろうというもの。
 さらに、

 

 

【NTT解体 と ソフトバンクの躍進】
 そろそろ、アメリカ政府がなぜNTTをAT&Tの “道連れ” にしようと仕掛けてきたのか、その真の理由がおわかりのはずだ。
 理由の第1は、NTTに従来通り、 “親方日の丸” の庇護のもとで長期的視点に立った 「研究・開発」 をされると、将来的に見てアメリカが不利 disadvantage になるからである。
 つまり、アメリカ国内の通信業界は、すでに目先の利益を最優先する “ベンチャー型” の構造になっているから、日本の通信企業も 「同じ土俵」 on the same ground にのせないと不利になる ――― アメリカの国家戦略にたずさわるエリート集団はこう結論を出した。 (p.149-150)

 これまで見てきたように、NTTの 「改革・再編」 はアメリカに 「やらされた」 典型である。そして、あれこれ制度をいじっているうちに、アメリカの優位性 dominant position は一気に高まった。NTTを攻略することによってアメリカの 「通信覇権」 が盤石なものになり、通信を足がかりに、幅広い領域へその 「覇権構造」 を拡張 expand することに成功したからだ。  (p.170)
 破壊と創造の両面作戦で臨んでいたアメリカ。NTT破壊の裏側で、創造する企業として育てられていたのがソフトバンクである。
 たしかにソフトバンクBBの行動は、これまでの日本のビジネス慣行を一挙に覆すもので、ソフトバンクの孫正義社長は 「さすがは常識を打破する革命児だ」 と評されたものだ。しかし実際は、アメリカ政府の要求を “切り込み隊長” としていち早く実行に移そうとしたにすぎない。(p.182-183)
 孫正義さんの名前がタイトルに書かれていたビジネス書が書店にあふれていた頃、その中に、初期のフルブライト留学生であった竹村建一さんとの対談本が出版されていて、それを読んだ記憶がある。(上掲の写真。 『孫正義大いに語る!!』 竹村建一・著 (PHP) 99年12月初版。書庫から探し出してきた)
 オピニオンリーダーであった竹村さん個人の見解から学べることは多くあったし、孫正義さん個人の成功談も素晴らしいものであり、いずれの個人に対しても悪意を向けることはない。しかし問題は、竹村さん孫さんいずれも、改革派グループに属し、アメリカに日本の国富を移動させるプレーヤーだったということである。
(ソフトバンクがブロバイダーとしての業務特権を行使して、インターネット契約者の、憲法に保障された言論の自由を損なうまでの実力行使を再びするなら、それ相応に、別の書籍を元に読書記録を書こうと考えている。)

 

 

【 “改革派” の本流企業:ソニー 】
 ソニーの出井伸之会長兼CEO ( Chief Executive Officer ) は、当初 「IT戦略本部」 のもとにおかれた 「IT戦略会議」 の議長を務めていた。ソニーは “改革派” の本流企業 leading runner だったのだ。社外取締役に日産のカルロス・ゴーン社長や多摩大学の中谷巌教授、オリックスの宮内義彦会長らを加えていることもそれを裏づけている。 (p.191)
 宮内義彦氏が、自分で自分の首をしめることになるアルゼンチンの例を、不勉強な馬鹿さ加減丸出しで語っていたように、出井伸之氏は、自ら改革にターボをかけて自社の首を絞め、欧米人に資産を提供するかたちで自社を衰退させていたわけである。
 
 
<了>